今回は、鮮烈な国際大会デビューでパラ卓球日本代表への階段を駆け上がる若き実力派の浅野俊(PIA株式会社)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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浅野俊とは?
浅野俊は、小学生の頃から県で活躍してきた選手です。両親ともにスポーツの経験はありませんが、小学生の時から人よりも優れた運動神経を持っていて、卓球も例にもれず上達が速かったです。
中学生でパラ大会に出場するようになると、健常者大会と並行して参加し経験を積んできました。高校は県の強豪に進学し、健常者とともに切磋琢磨し合ってきました。2020年からはPIA株式会社の社員として東京で生活することになっていました。
国際大会デビューは高校3年生の時でしたが、アジアパラ選手権では初出場で初優勝を飾り、世界でも戦える実力があることを証明しました。東京パラ五輪には、国際大会でのランク分けで認定されることを条件として代表に内定しています。
プロフィール
浅野俊は、2001年8月17日生まれの19歳(2020年11月時点)です。長崎県長崎市出身で、小学6年生の時に知的障がいがあると診断されました。小学2年生の頃に従兄弟の誘いで卓球を始め、1年後には長﨑県大会で優勝しました。中学生になってからもクラブチームでプレーし続けてきましたが、高校は長崎の強豪、瓊浦高校に進学し健常者とともにプレーしてきました。
高校の県大会では健常者の中に混じり常に上位に進出、2019年時の県の高校総体で団体準優勝、シングルスベスト16、ダブルスベスト8とその実力を評価されました。また、中学生時から健常者大会とパラ大会の両方に出場し、場数を踏んできました。
高校3年時に、ジャパン・チャンピオンシップを初制覇しアジア選手権代表になると、7月に行われたアジアパラ選手権では初の国際大会で世界ランキング未登録でありながら初優勝を飾り、鮮烈な国際大会デビューを飾りました。
2020年4月から東京で社会人として生活していますが、東京パラ五輪にも条件付きで代表に内定しています。そんな浅野のSNSからはプライベートでの充実ぶりがうかがえます。
浅野俊のInstagramはこちら!
プレースタイル
浅野俊の戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、強靭な肉体から放たれる力強く速いフォアハンドドライブが特長です。
知的障がいの関係で、戦術を考えるのに時間がかかってしまうというハンディキャップを持っていますが、それを凌ぐパワーで相手のブロックミスを誘います。浅野のフォアハンドドライブは重く、相手のブロックが押されたり、オーバーしたりします。また、巻き込みサービスも多用し得意のフォアハンドにつなげる戦術が得意です。
ラケットとラバーがよく飛ぶものであるため、相応のスイングスピードが求められますが、浅野はスイングスピードが速いためよく飛ぶ組み合わせでも十分に性能を発揮することができます。このようなスイングスピードの速い選手は硬いラバーが適していて、逆に柔らかいラバーだと余分な力が加わりミスしやすくなります。
使用用具
浅野俊の使用用具は、ラケットがBUTTERFLYの「張継科ZLC」、ラバーは両面にBUTTERFLYのラバーを使用しているそうです。
小学生の時には「水谷隼ZLC」を使用していたそうです。どちらもBUTTERFLYのアウターカーボンで、特殊素材でありながらよくしなりよく弾むといった特徴があります。
世界ランキング
浅野俊の世界ランキングはクラス11で9位(2020年4月時点)です。知的障がいの部では浅野のほかに、竹守彪(TOMAX)が7位となっています。自身最高ランクは2019年9月の8位です。
日本国内・国際大会での主な成績
2019年 | FIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会 | 男子シングルス優勝 |
アジアパラ選手権 | 男子シングルス優勝、男子団体準優勝 | |
中国オープン | 男子団体優勝 | |
FIDジャパン・チャンピオンリーグ卓球大会 | 男子シングルス準優勝 | |
2020年 | スペインオープン | 男子団体準優勝 |
まとめ
鮮烈な国際大会デビューを飾った若き実力派が今後パラ日本代表をけん引する存在となるのか。今後の彼の活躍に期待です。