卓球技術・コツ 【初心者必見】1人でできる卓球のサーブ練習方法 6つのポイントとコツ(前篇)
2019.08.18
卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」
このシリーズでは初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明や、そのやり方、対処法などについてお話していく。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。
(特に記述がない限り、右利きのシェークハンドの選手を想定している)
さて今回取り上げるテーマは、「サーブ練習」についてだ。サーブ練習と聞くと、初歩の基本的な練習と思ってしまうが、サーブ練習ほど大切なものはない。卓球は必ずサーブから始まり、「1球目攻撃」と呼ばれるほどに、サーブでどれだけ相手を崩せるか、得点を奪えて試合を優位に進められるか、非常に重要である。
名門と言われる卓球の強豪校も、日々の練習メニューの中に必ずといっていいほどサーブ練習の時間が組み込まれている。
ただ、「サービスエースが取れる」=良いサーブというわけでもない。このあたりも考えていくとかなり深い話になってしまうので、今回は「サーブ練習」にフォーカスを当てて、そのやり方や効果的な方法について考えていこう。
>>【初心者必見】ブチギレの下回転を出す為の練習方法|基本技術レッスン
このページの目次
新しいサーブを覚える為の6ステップ
それではあなたが今から新しく「巻き込みサーブを覚える」と仮定して、その練習方法を考えていこう。今回は以下の6ステップで考える。
ステップ 1:まずは出せる(台に入れられる)ようになる
ステップ 2:低さ・短さのコントロールが出来るようになる
ステップ 3:何回転が出ているのかを把握する
ステップ 4:同じフォームで2種類以上の球種が出せるようになる
ステップ 5:試合の中で使う想定で出せるようになる
ステップ 6:レシーブのパターンを想定して、3球目攻撃までを組み立てられるようになる。
>>卓球の横回転サーブの打ち方 順横回転と逆横回転の比較も|卓球基本技術レッスン
1.まずは出せる(台に入れられる)ようになる
なにはともあれ、まずサーブを出せるようになることが先決である。スイングや、身体の使い方、ボールのとらえどころなどを意識しながら、とりあえずは「ミス」にならずに卓球台に入れられるように練習してみよう。まだこの段階では、ぼてぼてのバウンドでいいし、回転も気にしなくてよいだろう。
>>【初心者必見】順横回転サーブの活用方法|基本技術レッスン
2.低さ・短さのコントロールが出来るようになる
では次に、ぼてぼてのサーブを、バウンドをなるべく低く出せるように練習してみよう。どんなに強烈で複雑な回転のサーブを出せたとしても、バウンドの高いぼてぼてのサーブでは一発で叩かれて終わりだ。回転よりもまず低さと短さを意識することはマストだ。
バウンドを低くするためには、ボールを打球する位置を、ネットとほぼ同じくらいの高さに調節すればよい。このときは、ラケットを持つ手だけで調節するのではなく、下半身の重心を低くして、身体全体を使って調節するようにしてみよう。
手だけで打球位置を調節しようとすると、どうしても安定しないし、競った場面でコントロールがブレることが出てきてしまうのだ。身体全体を使う意識で、体勢をなるべく低くして、ネットすれすれを通るサーブを心がけよう。
そして短さに関しては、第一バウンドをネット近くに落とすように狙えば、自然と短くなるはずだ。また、ボールを前に飛ばそうとし過ぎると、推進力がついて長くなりがちなので、その点も注意しよう。
>>【初心者必見】伸びる上回転を出す為の練習方法|基本技術レッスン
3.何回転が出ているのかを把握する
では低く短くコントロール出来るようになったら、ようやく回転である。まずは今出せているサーブがどんな回転なのかをちゃんと把握するために、相手に立ってもらい、ラケットに当ててもらう。このときのボールの飛び方で、今自分がどんな回転を出しているのかを判別する。
たとえば横下回転を出しているつもりなのに、ラケットに当たって斜め上に跳ねているのなら、横上回転が出てしまっていることになる。スイングやボールの捉えどころを調節して、思った通りの回転が出せるように練習してみよう。
実はこれをやらない人は意外と多いのだが、非常に重要だ。自分では順下回転を出しているつもりが、実は横下が出ていた、というケースは往々にしてある。そうなると思った通りのレシーブが来ないことになるので、まずは自分を知るという意味で、しっかり確認することを怠ってはならない。
>>巻き込みサービスのレシーブ方法は?トップ選手に学ぶ攻略のコツ
4.同じフォームで2種類以上の球種が出せるようになる
ではここからが、より実践的な内容となる。あなたは新しく巻き込みサーブが出せるようになった。よく切れた横下回転で出せるようになった。しかし、それだけでは試合では有効的に活用出来ない。
野球で考えると、160km/hを超える剛速球のストレートを投げられるピッチャーがいるとする。誰も受けたことのないようなスピードで、とてもバットに当てられたもんじゃない。
ただ、そのピッチャーが「160km/hのストレートしか投げられない」選手だとしたらどうだろう。おそらく何度か対峙するうちに、次第に慣れていって簡単にヒットが打てるようになるだろう。
あくまで160km/hの速球と、120km/hのフォークといったように、相手に2択を迫った上で初めて活きるのだ。全く同じフォームから、速球のストレートが来るか、遅いフォークが来るか、ギリギリまで分からない、という状態であるからこそ効果を発揮する。
卓球も同じだ。「横下回転の巻き込みサーブ」があるのなら、全く同じフォームから「横上回転の巻き込みサーブ」とか、「ナックルの巻き込みサーブ」といったものを出せるようにならなければならない。
そしてそれは回転だけではない。コースについても同様である。「バック前へ横下回転の巻き込みサーブ」と「フォア前へ横下回転の巻き込みサーブ」を、本当に打球するギリギリ寸前まで相手に悟られないようなフォームで出すことが出来れば、もちろん有効だろう。
また、そこに長短も加えられればより強い。
「フォア前へ横上回転の巻き込みサーブ」
「フォア前へ横下回転の巻き込みサーブ」
「バック前へ横下回転の巻き込みサーブ」
「バック前へ横上回転の巻き込みサーブ」
「バック深くへ横下回転の速いロングサーブ」
これらを全て同じフォームで、ギリギリまで相手に分からないように出す。ここまで出来れば非常に強力な武器となるだろう。相手からしてみれば、「何回転で、どこに来るのか全く予測が出来ない」となるので、絶対に嫌がられるだろう。
>>【初心者必見】効果的なサーブ練習の6つのステップ(後篇)