文:ラリーズ編集部
今回は、2011年のヨーロッパ選手権男子ダブルスで優勝、2020年の東京五輪予選ではチームを本戦出場へ導いたエース、アンドレイ・ガチーナ(クロアチア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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アンドレイ・ガシーナとは?
アンドレイ・ガシーナは、2011年のヨーロッパ選手権大会男子ダブルスの部で優勝、その後2017年のヨーロッパカップでは男子シングルスでティモ・ボル(ドイツ)に次ぐ準優勝という成績を持つ、確かな実力のある選手です。また、国際大会はもちろんのこと、ロシアのクラブ・UMMCに所属しヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)を戦っています。
プロフィール
アンドレイ・ガチーナは、1986年5月21日生まれの33歳(2020年2月時点)です。クロアチア出身で、現在はロシアのクラブチーム、UMMCに所属しています。2019/2020シーズンでは、チームの主軸として多くの勝利をもたらし、同シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)・プレーオフ進出に大きく貢献しています。尚、プレーオフ準々決勝でも2点起用で2勝しチームを準決勝進出に導いてます。
また、クロアチア代表として多くのワールドツアーにも参加しています。2019年世界選手権の男子ダブルスでは、マルコス・フレイタス(ポルトガル)との国際ペアとして予選を勝ち抜き、本戦にも出場しています。2020年1月に行われた東京五輪団体戦世界最終予選では、第1ステージでベスト8に入り五輪出場を決めたが、クロアチアのエースとしてチームに勝利をもたらしています。
プレースタイル
アンドレイ・ガチーナの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、前陣でのカウンターやブロックが特徴的です。また、ヨーロッパの選手によくみられるYG(ヤングジェネレーション)サーブを駆使しつつ、早い打点で攻撃を仕掛けるのが得意です。
以前紹介したデニ・コズルの記事にも書かれていますが、ヨーロッパの選手はアジアの選手よりも比較的体格が大きいために腕(リーチ)が長く、中陣からでもリーチを活かしたパワフルかつ安定した両ハンドドライブを振ることができるのが特徴です。また、YGサービスを使用する選手も多いです。これは、手首の柔らかさと技術的な利点が生まれることが要因です。
YGサービスは、打つ際に手首を利かせて回転をかけるもので手首が柔らかいほどサービス時のラケットの振り幅が大きくなり、強烈な回転を生み出すことができるのが特徴です。また、YGサービスは、逆横回転系のサービスです。ヨーロッパの選手の多くは、バックハンドのレシーブがフォアハンドよりも比較的得意なため、相手が自分のフォアサイドへのレシーブを誘うサービスを用いて相手のレシーブを限定させることができるのが持ち味です。
アンドレイ・ガチーナは、大きな体格を前陣で張り付かせることで卓球台のどのコースにボールが来ても手が届くようにして、YGサービスで相手のレシーブを制限しながらチャンスの際には威力のあるフォアドライブを振ることができるのが特徴です。また、相手が攻撃をしてきても安定したブロックとカウンターを駆使してラリーに持っていくのも彼の持ち味です。
使用用具
アンドレイ・ガチーナはバタフライの契約選手でその使用用具は、ラケットが板の外側にアリレートカーボンを搭載した「ビスカリア」で、ラバーがフォア面、バック面ともにトップ選手の多くが使用している「テナジー05」のスポンジを硬くした「テナジー05ハード」(2019年4月時点)です。
世界ランキング
アンドレイ・ガチーナの世界ランキングは44位(2020年2月時点)です。2012年8月以降40位前半以上をキープし続けています。2019年の上半期にはランキングが90位台まで落ち込むこともあったが、下半期で再び40位台へ復帰してきています。最高ランクは、2016年2月の18位です。
国際大会での主な成績
2011年 | ヨーロッパ選手権 | ダブルス優勝 |
2017年 | ヨーロッパカップ | 男子シングルス準優勝 |
まとめ
クロアチアの主砲が、東京五輪でどんなプレーを見せるのか。世界ランキング上位常連の実力者の今後の活躍が期待されます。