今回は、歴代の五輪王者とペアを組んで国際大会で成績を残したダブルスの名手、郝帥(ハオシュアイ・中国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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郝帥とは?
郝帥は、中国トップクラスの実力を持ち、世界の舞台で上位に進出してきた経歴を持つ選手です。左利きでダブルスが得意だったこともあり、馬龍(マロン・中国)、張継科(チャンジーカ・中国)、馬琳(マリン・中国)といった五輪メダリストとペアを組んで結果を残してきた選手でもあります。
国際大会や世界選手権で上位入賞経験を持つ郝帥のプロフィールについて詳しく見ていきましょう。
プロフィール
郝帥は、1983年10月1日生まれの37歳(2021年9月時点)です。中国の天津市出身で、かつては中国代表の一員として国際大会で活躍していました。
2006年頃から国際大会で成績を残すようになると、2008年の中国オープンではその年の北京五輪のメダリストであった馬琳(マリン・中国)、王皓(ワンハオ・中国)、王励勤(ワンリキン・中国)の3名を破って優勝を果たしました。その後も国際大会で優勝、準優勝を取り続け、2011年の世界選手権では混合ダブルスで準優勝、2013年の世界選手権では馬琳と組んだ男子ダブルスで準優勝を飾っています。
その後はドイツ・ブンデスリーガにTTC Neu Ulmの一員として参戦し、2020/2021シーズンも活躍しています。また、中国スーパーリーグや中国の国内選考会にも度々出場しています。2021年7月にはTリーグ・岡山リベッツに加入することが決まりました。
プレースタイル
郝帥は左シェーク裏裏の攻撃型で、バックハンドの安定した連続攻撃とフォアハンドの強烈なドライブが特徴です。
郝帥の武器は早い打点のバックハンドです。基本は前陣で構えて、相手の球に対して早い打点でコースを狙って打つのが彼のラリーの特徴です。ミスも少ないため得点源にもなっています。フォアハンドも強烈で、一旦フォアハンドを振り始めると得点になるまで打ち続けることができるため、相手にとっては打たせたくない選手と言えます。
台上技術は一転丁寧で、ストップの精度は特に高いです。チキータも十分な威力と安定感を持っているため自在に打ち分けることができます。
使用用具
郝帥のかつての使用用具は、ラケットが紅双喜の『キョウヒョウ龍3』で、ラバーはフォア面に紅双喜の『キョウヒョウNEO3』のブルースポンジ、バック面にBUTTERFLYの『ブライススピード』を使用していたそうです。
2000年代前半の中国選手の主流はフォア面に粘着ラバー、バック面にスピード系のテンションラバーを使用することでした。両ハンドを駆使する選手は珍しく、バックハンドが苦手という選手はBUTTERFLYの「ブライス」シリーズ等スピードに特化したやわらかいテンションラバーを使用して補っていました。
現代はプラスチックボールの影響もあり、中国国内でも両面粘着ラバーにする選手と、片面はBUTTERFLYの「テナジー」シリーズや「ディグニクス」シリーズを中心としたスピン系テンションラバーを使用する選手の両方がトップクラスの中に存在します。
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世界ランキング
郝帥の世界ランキングは2021年9月時点でありません。2001年の世界ランキング登録時から2桁ランクを維持し、2005年からは10位台で落ち着いていました。自身最高ランクは2010年2月の7位です。
国際大会での主な成績
2008年 | 中国オープン | 男子シングルス優勝 |
2009年 | スロベニアオープン | 男子シングルス優勝 |
韓国オープン | 男子シングルス準優勝 | |
中国オープン | 男子シングルス準優勝 | |
2011年 | 世界選手権 | 混合ダブルス準優勝 |
2012年 | 中国オープン | 男子シングルス優勝 |
2013年 | 世界選手権 | 男子ダブルス準優勝 |
オーストリアオープン | 男子シングルス準優勝 |
まとめ
中国国内でも指折りの実力を持ち、ブンデスリーガでも活躍した中堅実力派が、今度は日本の舞台でどのようなプレーを見せるのか。今後の彼の活躍に注目です。