文:ラリーズ編集部
今回は、2018年のグランドファイナルで丁寧(ディンニン・中国)を破り準優勝を果たした中国の若手選手、何卓佳(フーズオジャー)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
以前は日本の福原愛のコピー選手として練習相手を務め、今では中国期待の若手の一人として活躍している何卓佳のプロフィールを見ていきましょう。
何卓佳とは
何卓佳は、2018年のグランドファイナルでシングルス準優勝、2019年のポーランドオープンでシングルス優勝などの実績を持ち、近年存在感を増してきている選手です。バックに粒高ラバーを用いた異質型のトップ選手であるという戦型の珍しさに加え、幼さの残る顔立ちからファンからも「かわいい」と言われ注目を集めています。
何卓佳のプロフィール
何卓佳(フーズオジャー)は1998年10月25日生まれの24歳(2023年8月時点)で、中国の河北省石家庄市出身です。
父は体育教師で、4歳のころにスポーツ学校で卓球の訓練を受け始めました。8歳で石家庄市のアマチュアクラブ、11歳で河北省の省チームに入るなど、順調に成長を遂げていくと、2010年の全国少年大会では女子シングルスで準優勝を遂げました。
このように活躍を遂げていた何卓佳は、2013年に国家チームの2軍入りを果たします。そして、2014年の世界ジュニア選手権では女子シングルスと女子ダブルスで銅メダルを獲得しました。
しかし、2015年からは、元日本代表の福原愛さんのコピー選手になるように指示を受け、約10年続けてきた裏ソフトラバーを捨てて、粒高ラバーを使用することとなりました。それでも2016年の全国青年大会ではシングルス優勝を果たし、2017年には国家チーム一軍入りを果たしました。
このように、中国国内では着実に成長を遂げてきた何卓佳が世界的に名前が知られるようになったのは、2018年のグランドファイナルです。何卓佳は同大会で石川佳純さんや丁寧(ディンニン・中国)らを撃破して勝ち上がり、準優勝に輝いたのです。
その後、2019年のブルガリアオープン準優勝、ポーランドオープン優勝などの成績を残していきます。新型コロナウイルスが落ち着き、国際大会が再開されて以降も、2022年WTTフィーダーブダペスト、2023年WTTフィーダードーハ、2023年WTTフィーダーパナギュリシテで優勝を飾るなど、着実に結果を残しています。
また、2023年には「学生の五輪」と呼ばれるFISUワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)に出場し、女子団体で金メダル、女子ダブルスで銀メダルを獲得しました。
何卓佳のプレースタイル
何卓佳の戦型は、右シェークバック粒の異質攻守型です。近年の中国の女子選手は、男子選手に近いパワフルなドライブ型の選手が多い中で、バックの粒高ラバーを活かしたプレーをする何卓佳は独自のプレースタイルを築いています。世界ランキングが高い選手にバック粒の選手は少ないため、対策が取りづらいことも強さの一因となっていると考えられます。
一般的にバック粒の選手は粒高ラバーの長所を活かしてブロックの堅さや変化のついたボールで相手のミスを誘うプレーを得意としている選手が多いですが、何卓佳は、粒高ラバーでも積極的に攻撃することが大きな特徴となっています。粒高特有の変化をつけたボールに加え、自分からの攻撃もできるため、バックハンドで様々な球質のボールを出せることが強みとなっています。
バック粒の選手の対策として相手のフォア側を狙って粒高ラバーでの返球をさせないという戦術をとる選手も多いですが、何卓佳のフォアハンドは、コンパクトなスイングで打点が早く、ミスも少ないので、フォアを狙われても崩れにくいことも特徴です。
何卓佳の使用用具
何卓佳は、ラケットがSTIGAの『CRW Ⅶ』、ラバーはフォア面にSTIGAの『DNAドラゴングリップ』、バック面にはバタフライの『フェイントソフト』を使用しているようです。
>>【卓球】DNAドラゴングリップを徹底レビュー! STIGA(スティガ)の人気シリーズに仲間入りした異端児ラバー
何卓佳の世界ランキング
何卓佳の世界ランキングは44位(2023年9月時点)で、最高ランキングは13位(2019年12位)です。
2017年までは国際大会への出場機会が少なく、2018年4月時点での世界ランキングは294位でした。しかし、2019年の4月には18位と、1年間で200位以上もランキングを上げました。その後も高いランキングをキープしており、2019年11月には自己最高となる13位となりました。
何卓佳の主な成績
2014年 | 世界ジュニア選手権 | 女子シングルス:銅メダル、女子ダブルス:銅メダル |
アルゼンチンオープン | 女子シングルス:優勝 | |
2018年 | 香港オープン | 女子シングルス:ベスト4 |
オーストラリアオープン | 女子シングルス:ベスト4 | |
グランドファイナル | 女子シングルス:準優勝 | |
2019年 | ポーランドオープン | 女子シングルス:優勝 |
ブルガリアオープン | 女子シングルス:準優勝 | |
2022年 | WTTフィーダーブダペスト | 女子シングルス:優勝 |
WTTコンテンダーチュニス | 女子ダブルス:準優勝 | |
2023年 | WTTフィーダードーハ | 女子シングルス:優勝 |
FISUワールドユニバーシティゲームズ | 女子ダブルス:銀メダル、女子団体:金メダル | |
WTTフィーダーパナギュリシテ | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝、混合ダブルス:優勝 |
まとめ
中国の若手選手として近年実力を現してきている何卓佳。選手層の厚い強豪国中国の中で彼女は今後どのような立ち位置を築いていくのか。今後のワールドツアーなどの国際大会での何卓佳の活躍にも期待が高まります。