文:ラリーズ編集部
今回は、2018年のグランドファイナルで丁寧(ディンニン・中国)を破り準優勝を果たした中国の若手選手、何卓佳(フーズオジャー)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
以前は日本の福原愛のコピー選手として練習相手を務め、今では中国期待の若手の一人として活躍している何卓佳のプロフィールを見ていきましょう。
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何卓佳とは?
何卓佳は、2018年のグランドファイナルでシングルス準優勝、2019年のポーランドオープンでシングルス優勝などの実績を持ち、近年存在感を増してきている選手です。バックに粒高ラバーを用いた異質型のトップ選手であるという戦型の珍しさに加え、幼さの残る顔立ちからファンからも「かわいい」と言われ注目を集めています。
卓球王国・中国で期待の若手として活躍している何卓佳のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
何卓佳は、1998年10月25日生まれの21歳(2020年4月時点)で、中国の天津出身です。同世代には、孫穎莎(スンイーシャ)や王曼昱(ワンマンユ)らがいます。バックの粒高ラバーを活かした多彩なバックハンドが持ち味の選手です。
何卓佳は2014年の世界ジュニア選手権でシングルス、ダブルスともにベスト4入りを果たすなど、ジュニア時代から活躍してきました。しかし、その後の2015年からの数年間、ワールドツアーなどの国際大会の舞台からは姿を消していました。
2018年から再び国際大会に出場し始め、2018年のグランドファイナルでは、石川佳純や丁寧らの実力者を破り準優勝を果たし、一気に注目を集めました。その後、2019年のブルガリアオープンで準優勝、ポーランドオープンで優勝など、着実に実績を伸ばしています。
プレースタイル
何卓佳の戦型は、右シェークバック粒の異質攻守型です。近年の中国の女子選手は、男子選手に近いパワフルなドライブ型の選手が多い中で、バックの粒高ラバーを活かしたプレーをする何卓佳は独自のプレースタイルを築いています。世界ランキングが高い選手にバック粒の選手は少ないため、対策が取りづらいことも強さの一因となっていると考えられます。
一般的にバック粒の選手は粒高ラバーの長所を活かしてブロックの堅さや変化のついたボールで相手のミスを誘うプレーを得意としている選手が多いですが、何卓佳は、粒高ラバーでも積極的に攻撃することが大きな特徴となっています。粒高特有の変化をつけたボールに加え、自分からの攻撃もできるため、バックハンドで様々な球質のボールを出せることが強みとなっています。
バック粒の選手の対策として相手のフォア側を狙って粒高ラバーでの返球をさせないという戦術をとる選手も多いですが、何卓佳のフォアハンドは、コンパクトなスイングで打点が早く、ミスも少ないので、フォアを狙われても崩れにくいことも特徴です。
使用用具
何卓佳の使用用具は、ラケットがスティガの「CRW Ⅶ」で、ラバーはフォア面に紅双喜の「キョウヒョウ3」、バック面にバタフライの粒高ラバーである「フェイントソフト」を使用しているようです。
世界ランキング
何卓佳は、2017年までは国際大会への出場機会が少なく、2018年4月時点での世界ランキングは294位でした。しかし、2019年の4月には18位と、1年間で200位以上もランキングを上げました。その後も高いランキングをキープしており、2019年11月には自己最高となる13位となりました。2020年3月時点での世界ランキングは17位となっています。
国際大会での主な成績
2014年 | 世界ジュニア選手権 | ジュニアシングルスベスト4、ジュニアダブルスベスト4(ZHU Chaohuiペア) |
アルゼンチンオープン | シングルス優勝、U21シングルスベスト4 | |
2018年 | 香港オープン | シングルスベスト4 |
オーストラリアオープン | シングルスベスト4 | |
グランドファイナル | シングルス準優勝 | |
2019年 | ポーランドオープン | シングルス優勝 |
ブルガリアオープン | シングルス準優勝 |
まとめ
中国の若手選手として近年実力を現してきている何卓佳。選手層の厚い強豪国中国の中で彼女は今後どのような立ち位置を築いていくのか。今後のワールドツアーなどの国際大会での何卓佳の活躍にも期待が高まります。