文:ラリーズ編集部
2019年6月のジャパンオープンで準優勝に輝き、19歳にして台湾のトップ選手にまで登りつめた林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、世界ランキングを上げる要因となっている国際大会での戦績についても触れます。
張本智和(木下グループ)と並び、世界中からその活躍に注目を浴びている林昀儒。まだまだその実力は計り知れません。今回は、そんな林昀儒のプロフィールを見ていきましょう。
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林昀儒とは?
林昀儒は、2019年6月に行われたライオン卓球ジャパンOP荻村杯で、林高遠(リンガオユエン・中国)やカルデラノ(ブラジル)を破り、決勝で許昕(シュシン・中国)に敗れたものの、準優勝に輝き話題になりました。
そんな台湾の若き至宝、林昀儒のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
写真:林昀儒(チャイニーズタイペイ)/提供:ittfworld
林昀儒は、2001年8月17日生まれの19歳(2020年12月時点)です。張本智和と同じく若くして、数々の国際大会で世界のトップ選手を次々と連破している、台湾期待のルーキーです。
2019年7月に開催され、世界の男女各16人によって優勝が争われる「T2ダイヤモンド」に出場し、第1回大会では準々決勝で馬龍(マロン・中国)、決勝で樊振東(ファンジェンドン・中国)に勝利して優勝を飾りました。第3回大会でも決勝に進出し、許昕と熱戦を繰り広げ、準優勝を飾りました。
小さい頃からその才能を高く評価され、2012年の東アジアホープス卓球選手権の男子シングルスで優勝し、14歳で台湾代表入りを果たしました。その後も着々と実力を伸ばし、2018年はアンダー21の国際大会で3回の優勝を果たしました。
2020年12月に行われた中国スーパーリーグでは男子唯一の海外勢として梁靖崑(リャンジンクン・中国)らと同じチームで決勝まで勝ち上がりました。Tリーグにも岡山リベッツのメンバーとして1stシーズンに参戦していた経歴があります。
プレースタイル
林昀儒の戦型は、左シェーク裏裏ドライブ型で、鋭いカウンター攻撃が特徴です。まだ、身体の線が細いですが、前陣での打点の早い連打が持ち味で、プレーに穴がなく安定したラリーが魅力です。また、チキータを多用して連続攻撃へとつなげるプレーも見られます。
サービスは時折見せるロングサービスで相手の待ちを外し、得点につなげている場面が多くみられます。また、林昀儒の特徴としてプレー全体に力みがありません。多くの選手は、試合の序盤から中盤にかけて緊張による力みやプレーの堅さが目立ちますが、林昀儒は試合最初から上半身がリラックスしていて、のびのびとしたプレーをしています。
力みがないことによって本来のプレーに加えて、相手の球威を利用したプレーも容易にできるようになっています。そのため林昀儒は、抜群の威力を誇る中国の選手との相性も良いです。馬龍とは直近の2試合で勝利し相性が良いと言えます。
使用用具
林昀儒の使用ラケットはバタフライの特殊素材ラケットの「張継科 SUPER ZLC」で、ラバーは両面に「ディグニクス05」を使用しているようです。
「張継科 SUPER ZLC」は従来のBUTTERFLYのカーボンラケットよりも1段階上の弾みを持つとともに、最適打球点(スイートスポット)も広くされているため、超攻撃型卓球に向いています。プロ選手でも台湾の選手が多く使用しています。
世界ランキング
林昀儒の世界ランキングは2017年6月時点では241位だったものの、そこから国際大会で実績を残して着実に順位を伸ばし、2020年12月時点では7位となっております。自身最高ランクは2020年3月の6位です。
国際大会での主な戦績
2012年 | 東アジアホープス卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
2018年 | ハンガリーオープン | U21男子シングルス優勝 |
香港オープン | U21男子シングルス優勝 | |
ブルガリアオープン | U21男子シングルス優勝 | |
2019年 | 中国オープン | 混合ダブルス優勝 |
香港オープン | 混合ダブルス優勝 | |
ジャパンオープン | 男子シングルス準優勝 | |
オマーンオープン | 男子シングルス優勝 | |
チェコオープン | 男子シングルス優勝 | |
ワールドカップ | 男子シングルス3位 | |
グランドファイナル | 男子ダブルス準優勝 |
まとめ
2019年のジャパンオープンで準優勝するなど、メキメキと実力を伸ばしている19歳の天才で、まだまだ成長過程にある林昀儒。台湾の期待の選手として、活躍が今後も期待されます。