文:ラリーズ編集部
今回は、ブラジル代表の絶対的なエースとして活躍しているてウーゴ・カルデラノについて紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても紹介します。
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このページの目次
ウーゴ・カルデラノとは
ウーゴ・カルデラノは、2015年の世界選手権蘇州大会、2016年のリオ五輪の男子シングルスで元日本代表の水谷隼氏を追い詰めたことで、一気に頭角を現し始めました。
その後、着実に世界ランキングを上げていき、樊振東(ファンジェンドン)や林高遠(リンガオユエン)といった中国のトップ選手にも勝利するなど、今や世界のトップ選手として活躍しています。
また、カルデラノはベジタリアンであることを公言していることでも有名です。
ウーゴ・カルデラノのプロフィール
ウーゴ・カルデラノ(Hugo Calderano)は1996年6月22日生まれの28歳(2024年7月時点)で、ブラジルのリオデネジャイロ出身です。
8歳で卓球を始めたものの練習は週に3度程度しか行っておらず、バレーボールや陸上の走り幅跳びも行っていた。14歳で本格的に卓球に打ち込み始めるとブラジルのサンパウロに移り、そこからメキメキと力をつけていきます。
その後フランス人コーチに才能を見出されると、ドイツのオクセンハウゼンに渡り、2014-2015シーズンから2020-2021シーズンまで約6シーズン、ドイツブンデスリーガの強豪・オクセンハウゼンでプレーしました。
写真:ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)/提供:ittfworld
19歳で臨んだ2015年の世界選手権では男子シングルス2回戦で水谷隼さんを追い詰め、一躍注目を浴びるようになります。そして、2016年のリオ五輪でも再び水谷さんと対戦し、敗れはしたもののフルゲームまで追い詰める熱戦を演じ、「ブラジルのカルデラノ」の名前は世界に知れ渡るようになりました。
そんなカルデラノが名実ともに世界のトッププレイヤーの仲間入りをしたのが2018年です。同年のカタールオープンではティモ・ボル(ドイツ)、張本智和、林高遠といった世界のトップ選手を次々と撃破して男子シングルス準優勝に輝くと、グランドファイナルでは樊振東に勝利して男子シングルスで堂々のべスト4に輝いたのです。
そして、その結果2018年末にカルデラノは自身初の世界ランキングトップ10入りを果たすこととなりました。
2021-2022シーズンは、長年プレーしてきたドイツブンデスリーガを離れ、ロシアリーグの名門・オレンブルクに加入しました。
写真:ウーゴ・カルデラノ(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
2022年には世界ランキングを自己最高の3位にまで上げるなど、その勢いは衰えることを知らず、2022-2023シーズンのTリーグにも木下マイスター東京から参戦しています。2023年にはWTTコンテンダー2大会連続優勝という偉業を成し遂げ、WTTシンガポールスマッシュでもベスト4入りを果たしました。
ウーゴ・カルデラノのプレースタイル
カルデラノの戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。持ち前の体格を活かしたパワフルな両ハンドで相手を圧倒しています。
特にバックハンドは彼の最大の武器であり、中陣の打ち合いでも容易に引き返すことが出来ています。通常、中後陣のバック側は弱点になりやすいですが、彼の場合、下げられても後ろから強打できるためラリーになっても打ち負けない点が強みになっています。
また、最近はフォア前のレシーブの際も強力なチキータで返球できるようになっており、その点も彼の快進撃を支えている技術です。
サーブはトスを高く上げるハイトスサーブを多用しています。全面にショートサーブを出し、ストップをさせる台上の展開や、ミドル前や少し台から出たサーブを出し、チキータまたはドライブをさせてカウンターを狙うプレーが多く、ラリーに積極的に持ち込む特徴があります。
ウーゴ・カルデラノの使用用具
XIOMの契約選手であるウーゴ・カルデラノは、ラケットはXIOMの『ウーゴ ハイパーアクシリウム』、ラバーは両面にXIOMの『オメガVII ツアー i』を使用しています。
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ウーゴ・カルデラノの世界ランキング
ウーゴ・カルデラノの世界ランキングは6位(2024年7月時点)で、最高世界ランキングは3位(2022年4月)です。
2014年は100位台に位置していましたが、2016年から急激にランキングを上げ、30位台をキープするようになりました。その後徐々に成績を残し続け、2018年に初めてトップ10入りを果たしました。2019年以降は安定してトップ10内をキープしています。
ウーゴ・カルデラノの国際大会での主な戦績
2016年 | リオデジャネイロ五輪 | 男子シングルス:ベスト16 |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | 男子シングルス:ベスト32 |
パンアメリカン選手権 | 男子シングルス:優勝 | |
2018年 | カタールオープン | 男子シングルス:準優勝 |
グランドファイナル | 男子シングルス:ベスト4 | |
2019年 | 世界選手権ブタペスト大会 | 男子シングルス:ベスト16 |
2021年 | 東京五輪 | 男子シングルス:ベスト8 |
WTTスターコンテンダードーハ | 男子シングルス:優勝 | |
世界選手権ヒューストン大会 | 男子シングルス:ベスト8 | |
パンアメリカン選手権 | 男子シングルス:優勝 | |
WTTカップファイナル | 男子シングルス:ベスト8 | |
2022年 | WTTコンテンダーチュニス | 男子シングルス:優勝 |
パンアメリカン選手権 | 男子シングルス:優勝 | |
2023年 | WTTコンテンダードーハ | 男子シングルス:優勝 |
WTTコンテンダーダーバン | 男子シングルス:優勝 | |
WTTシンガポールスマッシュ | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダーマスカット | 男子シングルス:優勝 | |
2024年 | WTTチャンピオンズ仁川 | 男子シングルス:準優勝 |
WTTコンテンダーリオデジャネイロ | 男子シングルス:優勝 | |
WTTチャンピオンズ重慶 | 男子シングルス:ベスト4 | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 男子シングルス:優勝 |
まとめ
ワールドツアーやグランドファイナルでも世界のトップ選手に勝ち始めているブラジルのエースカルデラノ。すでに張本智和を破るなど、日本人選手の強力なライバルとなりつつあります。
今シーズン残りのワールドツアーや来年の東京五輪などでどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。今後の彼の活躍に目が離せません。