今回は、パラ卓球界で日本を代表する選手の1人である岩渕幸洋(協和キリン)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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岩渕幸洋とは?
岩渕幸洋は、パラ卓球日本男子代表を支える中心選手の1人です。高校3年生から国際大会に出場し、大学生の時には既に国際大会で優勝する実績を持っていました。
日本国内でも、“パラの全日本選手権”で5回の優勝経験を持ち、2016年にはリオデジャネイロパラ五輪に出場しました。近年では日本のみならずアジアでも常に上位入賞を続けている、まさにパラ卓球日本代表の主軸ともいえる選手です。
プロフィール
岩渕幸洋は、1994年12月14日生まれの25歳(2020年11月時点)です。東京都練馬区出身で、先天性の両下肢機能障害により両足首の可動域が狭く、プレーの際には左足に装具をつけています。
中学の部活動で卓球を始め、中学3年生の時にコーチの紹介でパラ卓球に出会いました。当初はパラ卓球に慣れずに苦戦していましたが、徐々にコツをつかみ高校3年生の時に初の国際大会出場を果たしました。
早稲田大に進学してからはさらに上達し、2016年には大学4年生にしてリオデジャネイロパラ五輪へ出場することができました。五輪の経験を活かし、卒業後は協和キリンに所属して技術に磨きをかけています。
プレースタイル
岩渕幸洋の戦型は右シェーク裏表の前陣速攻型で、ブロックからのカウンターと、豊富な種類のサービスからの3球目攻撃が特徴的です。
岩渕はこのほかにも、フットワークの速さを強みにしています。前陣でのプレーを軸にしている選手にとって左右のフットワークの速さは欠かせないものとなってきます。そこに加えて前後の動きも入ってくるため、どのプレーにおいても足は重要な役割を果たしてきます。
岩渕のハンディキャップは両足首にあるため、健常者よりもフットワークの際の踏ん張りが難しいです。しかし、岩渕はその弱点をカバーするようにフットワークに力を入れています。
使用用具
岩渕幸洋はVICTASの契約選手で、ラケットはTSPの「スワット パワー」、ラバーはフォア面に「V>15 エキストラ」、バック面に表ソフトの「VO>102」を使用しています。
「VO>102」は、VICTASから販売されている表ソフトで、横目であるため打球に安定感が出ると同時に縦目の表ソフトよりも回転がかけやすいという特長があります。岩渕のほか、木原美悠(JOCエリートアカデミー)や倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)も使用しています。
世界ランキング
岩渕幸洋の世界ランキングは立位のクラス9で3位(2020年4月時点)です。男女全クラス合わせた中で日本人最高位となっています。
日本国内大会での主な成績
2011年 | ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
2013年 | ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
2014年 | ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
国際クラス別パラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 | |
2015年 | 国際クラス別パラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
2016年 | ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
2017年 | ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
国際クラス別パラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 | |
2018年 | 国際クラス別パラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
ジャパンオープンパラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 | |
2019年 | 国際クラス別パラ卓球選手権 | 男子シングルス優勝 |
国際大会での主な成績
2014年 | アジアパラ競技大会 | 男子シングルス3位 |
2015年 | ハンガリーオープン | 男子シングルス優勝 |
スペインオープン | 男子シングルス優勝 | |
チェコオープン | 男子シングルス優勝 | |
2017年 | イタリアオープン | 男子シングルス3位 |
パラ世界選手権 | 男子団体準優勝 | |
ドイツオープン | 男子団体優勝 | |
アジア選手権 | 男子シングルス準優勝、男子団体準優勝 | |
ベルギーオープン | 男子シングルス準優勝、男子団体準優勝 | |
2018年 | アジアパラ競技大会 | 男子シングルス準優勝、男子団体優勝 |
パラ世界選手権 | 男子シングルス3位 | |
2019年 | メキシコオープン | 男子シングルス優勝、男子団体優勝 |
アジアパラ選手権 | 男子シングルス準優勝 | |
オランダオープン | 男子シングルス優勝、男子団体3位 |
まとめ
パラ日本代表をけん引する若き才能が、世界の舞台で頂点に立つことはできるのか。今後の彼の活躍に注目です。