文:ラリーズ編集部
今回は、2019年チームワールドカップで平野美宇/石川佳純ペアに勝利し、T2ダイヤモンド・シンガポールではベスト4に輝いた田志希(チョンジヒ・韓国)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れます。
田志希とは
田志希は2011年中国から帰化し、2014年に韓国代表入りを果たした選手です。2016年にはリオデジャネイロ五輪シングルスにも出場し、2017年のユニバーシアード競技大会では団体、シングルス、混合ダブルスの三冠を達成しています。
田志希のプロフィール
田志希(チョンジヒ/Jeon Ji-hee)は1992年10月28日生まれの31歳(2024年7月時点)で、中国の廊坊市出身の韓国国籍の選手です。小学校の卓球コーチの父の影響で7歳から卓球を始め、15歳まで中国の次世代期待株でした。10歳だった2002年に青島に卓球留学し、2005年に魯能クラブに入団しました。
その後、多くの有望株がしのぎを削る中国国内で成人代表チームに入る難しさを感じていた田志希はキム・ヒョンソク監督に見出されて渡韓し、2011年に韓国国籍を取得。帰化選手規定をクリアした2014年に、韓国代表入りを果たしました。
2016年にはリオデジャネイロ五輪に出場し、2017年のユニバーシアード競技大会では団体、シングルス、混合ダブルスの三冠と女子ダブルスベスト4という輝かしい成績を残しました。その後、ワールドツアーでも好成績を収め、2019年に行われたT2ダイヤモンド・シンガポールでは日本の平野美宇、中国の陳夢(チェンムン)に勝利しベスト4となりました。
Tリーグの1stシーズントップおとめピンポンズ名古屋から参戦していました。2ndシーズンはチームを移籍し、日本生命レッドエルフ所属選手となっており、シングルス5勝1敗、ダブルス2勝1敗とチームの勝利に大きく貢献しています。
田志希のプレースタイル
田志希の戦型は、左シェーク裏裏ドライブ型です。前陣で打点の早い両ハンドドライブを中心に試合を組み立てる選手で、特にバックハンドが得点源です。
サーブは回転量の多い下回転サーブを中心に組み立てます。トスの高さで相手のタイミングを惑わし、右利きの選手に対してはフォア前とバックロングのコース取りが見られます。レシーブではフリックやバックでのチキータなど一発で決める威力はありませんが、ミスの少なさで勝負します。
レシーブの多彩さと3球目ドライブのミスの少なさがダブルスの好成績につながっています。
田志希の使用用具
田志希は、ラケットはバタフライの『インナーフォース レイヤー ZLC』で、ラバーはフォア面は紅双喜の『キョウヒョウ NEO 3』、バック面はバタフライの『テナジー05』を使用しているようです。
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田志希の世界ランキング
田志希の世界ランキングは15位(2024年8月時点)で、最高ランキングは10位(2022年3月)です。
2011年3月に72位で初めてランキング上に登場した。その後、2011年8月には33位と大きくジャンプアップを果たすと、2014年3月には18位とランキングを上昇させていきます。ランキング仕様が変更となった2018年に46位にランクは落ちましたが、その後は世界上位をキープしています。
田志希の主な戦績
2017年 | ユニバーシアード競技大会 | 女子団体:金メダル、女子シングルス:金メダル、女子ダブルス:銅メダル、混合ダブルス:金メダル |
スペインオープン | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:優勝 | |
2018年 | ポーランドオープン | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:優勝 |
世界選手権ハルムスタッド大会 | 女子団体:銅メダル | |
ジャカルタアジア競技大会 | 女子シングルス:銅メダル | |
2019年 | T2ダイヤモンド・シンガポール | 女子シングルス:ベスト4 |
2021年 | WTTコンテンダードーハ | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:梁夏銀)、混合ダブルス:ベスト4(ペア:李尚洙) |
WTTスターコンテンダードーハ | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌)、混合ダブルス:準優勝(ペア:李尚洙) | |
東京五輪 | 女子シングルス:ベスト8、女子団体:ベスト8 | |
アジア選手権 | 女子ダブルス:金メダル(ペア:田志希)、混合ダブルス:銀メダル(ペア:張禹珍)、女子団体:銀メダル | |
WTTスターコンテンダードーハⅡ | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:準優勝(ペア:梁夏銀)、混合ダブルス:準優勝(ペア:張禹珍) | |
2022年 | WTTスターコンテンダードーハ | 女子シングルス:ベスト8 |
アジアカップ | 女子シングルス:ベスト8 | |
2023年 | WTTコンテンダードーハ | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌) |
WTTスターコンテンダーゴア | 混合ダブルス:優勝(ペア:張禹珍) | |
WTTシンガポールスマッシュ | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:申裕斌) | |
世界選手権ダーバン大会 | 女子ダブルス:銀メダル(ペア:申裕斌) | |
WTTコンテンダーラゴス | 女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌)、混合ダブルス:準優勝(ペア:張禹珍) | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:申裕斌) | |
WTTコンテンダーザグレブ | 女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:申裕斌) | |
WTTコンテンダーリマ | 女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTコンテンダーリオデジャネイロ | 女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌)、混合ダブルス:ベスト4(ペア:張禹珍) | |
アジア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:申裕斌)、女子団体:銀メダル | |
杭州アジア競技大会 | 女子ダブルス:金メダル(ペア:申裕斌)、混合ダブルス:銅メダル(ペア:張禹珍)、女子団体:銀メダル | |
WTTスターコンテンダー蘭州 | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌) | |
混合ワールドカップ | 混合団体:準優勝 | |
2024年 | WTTスターコンテンダードーハ | 混合ダブルス:ベスト4(ペア:張禹珍) |
WTTコンテンダードーハ | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTスターコンテンダーゴア | 女子ダブルス:優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTサウジスマッシュ | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTコンテンダーザグレブ | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌) | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌)、混合ダブルス:ベスト4(ペア:呉晙誠) | |
WTTスターコンテンダーバンコク | 女子ダブルス:準優勝(ペア:申裕斌) |
まとめ
世界選手権や五輪で韓国を引っ張るエースとして活躍している田志希。2019年のT2ダイヤモンド・シンガポールでのシングルスの活躍が記憶に新しく、今後も日本選手の前に立ちふさがるのは間違いない。Tリーグでも活躍している彼女の活躍から目が離せません。