文:ラリーズ編集部
今回は、スウェーデンのアントン・ケルベリ(Kallberg Anton)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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アントン・ケルベリとは?
アントン・ケルベリは、2015年のヨーロッパジュニア選手権男子シングルス、2019年のITTFチャレンジシリーズ・クロアチアオープン男子シングルスで優勝するなど新進気鋭の若手選手です。
プロフィール
アントン・ケルベリは1997年8月17日生まれの23歳(2021年3月時点)です。スウェーデン出身で、現在はスウェーデン代表として数々の国際大会に出場しています。
国際大会では、2019年のクロアチアオープンで荘智淵(チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ) に勝利、2020年のカタールオープンでは、世界ランキング1位の樊振東(ファンジェンドン・中国)に対してフルゲームの大熱戦を繰り広げたりと、アジアのトップ選手相手にも引けを取らない選手です。
ドイツの卓球リーグ、ブンデスリーガのボルシア・デュッセルドルフというチームに所属し、活躍しています。特に2020-2021シーズンのドイツ・ブンデスリーガでは、開幕から9連勝するなどチームの勝利に大きく貢献し、存在感を示しています。
自身のインスタグラムでは、試合の動画や写真に加えて、彼女とのツーショットを載せるなど、卓球面だけでなくプライベートな一面も公開しています。
プレースタイル
アントン・ケルベリの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、前陣での両ハンドラリーや強力なフォアハンドが特徴的です。サービスはロングとショートを巧みに使い分けており、特に下回転のショートは台から出そうで出ないうえに回転量が強く、相手のネットミスを誘発させています。
台から微妙に出てくるツッツキややや高めのストップを強打することに長けており、自分から攻める展開に持っていくことを得意としています。コース取りも非常に巧みで、逆コースを突く技術はもちろん、相手の身体のある位置に打ち抜いて反射的な反応を許さない強打も持っています。また、相手から攻められた際も粘り強いブロックや、強力なカウンターを決めて得点することができ、攻守ともに優れた選手と言えるでしょう。
2021年3月に開催されたWTTスターコンテンダードーハ大会では、世界ランキング上で上に位置する韓国の李尚洙(イ・サンス)をゲームカウント3-1、安宰賢(アンジェヒョン)を3-0で破り、準々決勝では世界ランキング9位のドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)相手にフルゲームまでもつれこむなど、勢いに乗ると止まらないタイプでもあるように見えます。
写真:アントン・ケルベリ/提供:ittfworld
使用用具
アントン・ケルベリがBUTTERFLYの契約選手で、ラケットは「アポロニアZLC」、ラバーは「ディグニクス09C」と「ディグニクス05」を使用しているようです。「アポロニアZLC」はインナーファイバー使用のラケットで、力強いドライブと安定感のあるプレーの両立を可能にしています。このラケットを使用している選手には、ディアゴ・アポロニア(ポルトガル)や李皓晴(リホチン・中国香港)がいます。
「ディグニクス09C」は粘着性ハイテンション裏ラバーで、回転量の多いドライブや台上技術、カウンターのしやすさに優れています。一方の「ディグニクス05」は、ハイテンション裏ラバーで、前中陣でのパワードライブやカウンターなど攻撃的なプレースタイルの人にマッチしたラバーです。
世界ランキング
アントン・ケルベリの世界ランキングは53位(2021年3月時点)で最高ランクを更新しています。
2019年11月から2020年3月までは70位代をキープしていましたが、2020年4月に57位まで一気に駆け上がり、2021年3月に53位となりました。
国際大会での戦績
2015年 | ヨーロッパジュニア選手権 | 男子シングルス優勝 |
2017年 | スウェーデンチャンピオンシップ | 男子シングルス優勝 |
2019年 | クロアチアオープン | 男子シングルス優勝 |
まとめ
ランキング上位の選手にも臆することなく力強いプレーを見せてくれるアントン・ケルベリ。今後スウェーデンを引っ張る選手へと成長し、日本にとっても大きな壁として立ちはだかってくることは間違いないでしょう。彼の今後の活躍に注目です。