文:ラリーズ編集部
今回は、2016年のリオデジャネイロ五輪銅メダリストのカットマン、キム・ソンイ(北朝鮮)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
国際大会への出場は少ないものの、リオ五輪の大舞台で番狂わせを起こしたキム・ソンイ。今回は、そんなキム・ソンイのプロフィールを見ていきましょう。
>>卓球五輪代表、最年長・最年少記録は?50代で出場の大ベテランも
>>名将の愛息・邱党「欲しいのは世界ランキングじゃない」見据えるのは2024年パリ五輪
キム・ソンイとは?
キム・ソンイは北朝鮮の代表選手として活躍している選手です。2016年のリオ五輪シングルスで3位、2019年のピョンヤンオープン優勝などの実績を残しています。また、北朝鮮代表として団体戦にも多く出場し、2018年の世界選手権ではチームの銅メダル獲得に貢献しました。
世界でもトップレベルのカットマンとして活躍しているキム・ソンイのプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
キム・ソンイは、1994年8月10日生まれの25歳(2020年3月現在)です。粘り強いカットと威力のあるフォアハンドが持ち味の選手です。
北朝鮮の選手はワールドツアーなどの国際大会の個人戦への出場は少ないですが、キム・ソンイは2018年の北朝鮮オープンで優勝、2019年のピョンヤンオープンで優勝など、少ない機会の中で着実に実績を残しています。
また、大舞台にも強く、リオ五輪のシングルスでは初戦で当時世界ランキング6位の石川佳純にフルゲームの接戦の末勝利すると、準決勝で中国の丁寧(ディンニン)にゲームカウント1-4で敗れたものの3位決定戦で福原愛に勝利し、3位に輝きました。
2018年の世界選手権では、北朝鮮と韓国と南北合同チーム「コリア」の代表として参加し、準決勝で日本代表チームに敗れたもののチームの銅メダル獲得に貢献しました。
プレースタイル
キム・ソンイの戦型は右シェークバック粒のカット型で、カットの粘り強さと威力のあるフォアドライブが特徴的です。キム・ソンイのカットは、積極的に変化をつけて相手のミスを誘うよりも、どんなボールに対しても低く深く入れることで相手の返球を甘くすることを重視しているようです。非常に粘り強く強打も拾うカットと甘いボールは一撃で打ち抜くような威力抜群のフォアハンドを使い分けることで相手にプレッシャーをかけ、ラリーを有利に進めます。
また、カットの守備力とフォアの攻撃力に加え、要所でバックの粒高ラバーを生かした打点の早いブロックやプッシュを使うなど、戦術の引き出しの多さや戦術転換の巧みさも特徴です。また、長いラリーや接戦の時でも精度を落とさない高い集中力やスタミナもキム・ソンイの強みとなっています。
使用用具
キム・ソンイの使用用具は、ラケットはバタフライの「ディフェンス・プロ」で、ラバーはフォア面にバタフライの「テナジー05」、バック面にバタフライの粒高ラバー「フェイント ソフト」を使用しているようです。
世界ランキング
キム・ソンイの世界ランキングは52位(2020年3月現在)です。最高ランキングは14位(2019年6月)です。ここ数年は常に2桁の順位をキープしています。国際大会への出場が少なく、ポイントが加算されにくい中でも高い順位を保っていることから、実力はより上位の選手にも匹敵するといえるでしょう。
国際大会での主な成績
2016年 | リオデジャネイロ五輪 | シングルス3位 |
2017年 | 北朝鮮オープン | シングルス優勝 |
2018年 | 北朝鮮オープン | シングルス優勝 |
世界選手権 | 団体3位 | |
2019年 | ピョンヤンオープン | シングルス優勝 |
まとめ
北朝鮮のエースとして活躍し、リオ五輪シングルス3位などの実績を残しているキム・ソンイ。国際大会への出場が少なく、情報が少ないため、対策の難しい選手です。開催を目前に控えた東京五輪などでも日本選手の強力なライバルとなるでしょう。彼女の今後の活躍に期待が高まります。