文:ラリーズ編集部
今回は、オランダの中核を担い、五輪や世界選手権の経験も豊富なリー・ジエ(オランダ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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リー・ジエとは?
リー・ジエは、2017年のヨーロッパカップ女子シングルスで優勝、翌年のヨーロッパトップ16でも準優勝と、欧州を代表するトッププレーヤーの1人です。オランダ代表として、またクロアチアのクラブチームのメンバーとしてともに好成績を残す実力派のカットマンです。
プロフィール
リー・ジエは、1984年3月6日生まれの36歳(2020年4月時点)です。中国の成都出身で、現在はオランダに籍を移しオランダ代表として大会に出場しています。また、クロアチアのクラブチーム、Dr.チャッスルに所属し、倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)やユ・フ(ポルトガル)らとともにヨーロッパチャンピオンズリーグに参戦し、2018/2019シーズンはチームの準優勝に貢献しました。
オランダ代表としても、2008年の北京五輪から3度連続で五輪に出場、世界選手権にも10度以上の出場を誇るなど、世界トップの実力を持っている選手です。国際大会でも王藝迪(ワンイーディ・中国)や長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)に勝利した経歴があります。
プレースタイル
リー・ジエの戦型は右シェーク裏表のカット主戦型で、長い手足を活かした広い範囲をカバーするカットが特徴です。特にバックハンドの表ソフトのカットは回転の変化が激しく、無回転で相手のツッツキのオーバーミスを誘ったり、強烈な下回転で相手のドライブのミスを誘ったりしています。
時折、隙があれば自ら攻撃に転じることもありますが、基本的にカットを主体とし回転の変化で相手を翻弄するのがリー・ジエのカットです。また、カットマンのウィークポイントであるミドルの処理はバックハンドでしのぎます。
カットマンにもフォアハンド主体の選手とバックハンド主体の選手がいます。前者は攻撃的なプレーも行うことが多いため、フォアハンドに重きを置いたフォームになっていることが多く、ミドル処理もフォアハンドで行うことが多いです。それに対し後者は守備的なプレーが多く、バックハンドに重きを置くフォームになっていて、ミドル処理もバックハンドで行うことが多いです。リー・ジエは後者に当てはまると言えます。
使用用具
リー・ジエの使用用具は、ラケットがBUTTERFLYの「ハッドロウシールド」、ラバーはフォア面にBUTTERFLYの「テナジー64」、バック面に海夫の表ソフト「海豚 Dolphin」を使用しているそうです。
海夫は中国の卓球メーカーで、粘着性裏ソフトの「藍鯨」シリーズに力を注いでいます。中国のメーカーが販売するラバーの中には「己打底」と「未打底」の2種類の文字のどちらかが表記されています。これは、グルー加工されているかどうかを表すものです。「己打底」が加工してあるものに対し、「未打底」は未加工のものになります。これは、製造段階で加工するため、後加工禁止には該当せず問題ないです。「藍鯨」シリーズにも両方存在し、個々に合ったラバー選択ができるようになってます。
世界ランキング
リー・ジエの世界ランキングは58位(2020年4月時点)です。2008年から一度も60位以下に落ちたことがなく、10年以上世界のトップを走り続けています。最高ランクは2018年2月の10位です。
国際大会での主な成績
2008年 | 北京五輪 | 女子シングルスベスト16 |
チリオープン | 女子シングルスベスト8 | |
オーストリアオープン | 女子シングルスベスト4 | |
2010年 | クウェートオープン | 女子シングルスベスト8 |
インドオープン | 女子シングルスベスト8 | |
ジャパンオープン | 女子シングルスベスト8 | |
韓国オープン | 女子シングルスベスト8 | |
グランドファイナル | 女子シングルスベスト8 | |
2011年 | オーストリアオープン | 女子シングルスベスト8 |
2012年 | ロンドン五輪 | 女子シングルスベスト16 |
2016年 | ヨーロッパ選手権 | 女子シングルスベスト4 |
世界選手権 | 女子団体5位 | |
2017年 | ヨーロッパカップ | 女子シングルス優勝 |
2018年 | ヨーロッパトップ16 | 女子シングルス準優勝 |
まとめ
オランダ女子代表を支えるベテランカットマンが、国際大会でどのような活躍を見せるのか。今後の彼女の活躍に期待です。
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