今回は、2021年の東京五輪の予選で優勝し、2大会連続の出場を決めたルボミル・ヤンカリク(チェコ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
>>プレイしている時間は2割。残りの8割は「掛け声」「表情」を見るべし
>>【初心者必見】卓球の「ツッツキ」とは?打ち方と練習法|卓球基本技術レッスン
>>【頭で勝つ!卓球戦術】“練習のための練習”ではなく、“試合のための練習”を
ルボミル・ヤンカリクとは?
ルボミル・ヤンカリクは、リオ五輪出場、東京五輪の参加枠も獲得している、ヨーロッパでもトップクラスの選手です。YGサービスと強力なバックハンドを武器に、近年ヨーロッパのトップ選手に勝利しています。
チェコ代表として、またドイツ・ブンデスリーガでもクラブに所属して多くの試合をこなしています。ダブルスでも韓国やドイツの強豪ペアに勝利した実績も持っています。
2021年の東京五輪シングルス世界予選で世界ランク格上の選手に勝利したことで、今後勢いに乗る選手の1人として注目を浴びています。それでは、ルボミル・ヤンカリクのプロフィールや戦型などについて詳しく見ていきましょう。
プロフィール
ルボミル・ヤンカリクは、1987年8月17日生まれの33歳(2021年3月時点)です。チェコ出身で、現在はドイツのクラブチーム、ミュールハウゼンの一員として、ダニエル・ハーベソン(オーストリア)やオビディウ・イオネスク(ルーマニア)らとともにブンデスリーガやヨーロッパチャンピオンズリーグに参戦しています。
またチェコ代表として、パベル・シルセック(チェコ)やPOLANSKY Tomas(チェコ)らとともに国際大会で活躍しています。2018年の国際試合ではトミスラブ・プツァル(クロアチア)やジョン・パーソン(スウェーデン)といった欧州の実力者に勝利したこともあります。
2021年の東京五輪シングルス世界予選では、準々決勝でコウ・レイ(ウクライナ)に4-1で勝利すると、決勝では世界ランク格上、欧州の中でもトップクラスの実力を持つリアム・ピッチフォード(イングランド)に4-1で勝利し、シングルスの出場権を獲得しました。
プレースタイル
ルボミル・ヤンカリクは右シェーク裏裏の攻撃型で、YGサービスと強力なバックハンドが特徴の選手です。また、身長が193cmと大柄の選手ですが、スタンスを広くすることで前陣でも安定した攻撃を仕掛けることができます。
身長が高い選手になるほど、中後陣では手足の長さを活かして強力なボールを打つことができますが、前陣では身体近くを狙われることが多くやや不利となります。しかし、身長が高い選手でも足のスタンスを広くとることで前陣でも素早く動けるようになっています。特にヨーロッパの選手によく見られる傾向です。
ルボミル・ヤンカリクも例にもれず、前陣でも強力なドライブを打つことができます。特に手の長さを活かしたバックハンドドライブは強烈で、相手のブロックがオーバーミスしたり、相手を中後陣に下げさせてしまったりするほどの威力です。
ラリーに強い選手でもあるので、台上技術ではツッツキを使用し、相手にドライブを打たせてから強打を打つ展開が多いです。
使用用具
ルボミル・ヤンカリクはBUTTERFLYの用具を使用していて、ラケットは『水谷隼zlc』、ラバーは両面に『テナジー05』を使用しているそうです。
『水谷隼zlc』は、オールラウンダーである水谷隼(木下グループ)のプレーを最大限に引き出すことができるラケットとして監修され、本人だけでなく多くの卓球選手に愛用されています。ルボミル・ヤンカリクのプレースタイルにも適しています。
『テナジー05』は言わずと知れた人気ラバーで、「ディグニクス」シリーズが出た後もその独特の打球感を好んで使用する選手は多いです。
世界ランキング
ルボミル・ヤンカリクの世界ランキングは94位(2021年3月時点)です。2014年から100位台前半をキープし、2016年以降は2桁後半と100位台と行き来していました。2018年9月からは80-90位で安定しています。自身最高ランクは2016年6月の66位です。
国際大会での主な成績
2008年 | クウェートオープン | U21男子シングルス準優勝 |
ポーランドオープン | U21男子シングルスベスト4 | |
2016年 | リオ五輪 | 男子シングルス出場 |
2021年 | 東京五輪シングルス世界予選 | 男子シングルストーナメント1優勝 |
まとめ
リオ五輪に続き、2大会連続出場となったチェコの努力家が、大舞台で番狂わせを起こせるか。今後の彼の活躍に注目です。