倪夏蓮(ニーシャーリエン)の使用用具・大会成績・プロフィール | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)/提供:WTT

卓球選手紹介 倪夏蓮(ニーシャーリエン)の使用用具・大会成績・プロフィール

2023.07.31

文:ラリーズ編集部

今回は、60歳ながら現役選手として活躍する大ベテランの倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。

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倪夏蓮とは

倪夏蓮は、1983年に中国代表として世界選手権東京大会で女子団体と混合ダブルスの2種目で優勝、ルクセンブルクに移り2000年のシドニー五輪から5大会連続で五輪本戦に出場している卓球界のレジェンドの一人です。

60歳を超えた今でもヨーロッパを中心に国際大会にも出場し、2023年のWTTフィーダーハビージョフ女子シングルスでは中国選手を3連破して優勝を飾るなど、その実力は衰えること知りません。

倪夏蓮のプロフィール

倪夏蓮(ニーシャーリエン)は1963年7月4日生まれの60歳(2023年7月時点)で、中国の上海市出身でルクセンブルク国籍です。

10代のうちは中国で過ごし、14歳で上海代表チームに入ると、16歳のときには中国の国家チームに入りを果たしました。元々はペン表ソフト速攻スタイルでしたが、粒高ラバーに用具を変更してから、その才能が開花。世界選手権代表の座を掴み取り、1983年の世界選手権では混合ダブルスで金メダルを獲得しました。

1986年に中国を離れてルクセンブルクに移り住み、現在はルクセンブルク代表として五輪や世界選手権に出場しています。

ルクセンブルクに帰化後も、シドニー、北京、ロンドン、リオ、東京と、何度も五輪に出場し、2021年の東京五輪では、五輪卓球選手の最年長記録(58歳)を更新しました。また、同年の世界選手権では、デヌッテ・サラウ(ルクセンブルク)と組んだ女子ダブルスで銅メダルを獲得。自身38年ぶりとなる世界選手権のメダル獲得を成し遂げました。

2023年年には大台である60歳を迎えましたが、その実力は衰えることを知りません。6月のWTTスターコンテンダーリュブリャナでは女子ダブルスで準優勝を果たし、7月のWTTフィーダーハビージョフでは女子シングルスでなんと優勝を飾りました。

私生活では、自身のコーチをしている夫と二人の子供、そして自身の母親と共同生活をしています。卓球選手だけでなく様々な顔を持ち合わせています。

倪夏蓮のプレースタイル

倪夏蓮の戦型は左ペン裏粒の前陣攻守型で、粒高ラバーでの攻撃とブロックのコース取りの厳しさが特徴です。

ペンホルダーの世界ランキング上位者は少なく、男子では元中国代表の許昕(シュシン・中国)、黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)、女子では片面表ソフトでプレーするシャン・シャオナ(ドイツ)や同じくベテラン格のレイ・ジェンファン(オーストラリア)といったところです。

シェークハンドが普及したことで、ペンホルダーのトップ選手が少なくなっていますが、逆に言えばペンホルダーの選手が少なくなったことでペンホルダーの選手への対策が脆くなり勝ちやすくなっていると捉えることもできます。

ましてや倪夏蓮のようなペンの裏粒の戦型はトップ選手の中ではとても珍しく、対策の取りづらい戦型と言えます。倪夏蓮はその優位性をうまく利用しながら世界のトップを維持し続けています。

倪夏蓮の使う粒高ラバーは相手のレシーブの回転を逆にして返すことができるラバーで、上回転の強いドライブが来た時には鋭く切れた下回転にしてレシーブすることができます。

また、その変化量を自分でコントロールすることも可能で無回転にしたり強烈に回転をかけたりすることが可能です。この粒高ラバーは、カットマンに好まれます。また、粒高での攻撃は表面の粒が倒れることで回転量の予想がつかず相手からしてみればとても返しづらい球が飛んできます。

倪夏蓮はこの特性を熟知し、自らも粒高ラバーで攻撃をすることで相手を混乱させ自分の得意な展開に持っていく事に長けています。

倪夏蓮の使用用具

倪夏蓮はVICTASの契約選手で、ラケットはVICTASの『SWAT』、ラバーはフォア面がVICTASの『CURL P1 V』でバック面はVICTASの『VO>102』を使用しています。

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倪夏蓮の世界ランキング

倪夏蓮の世界ランキングは49位(2023年7月時点)で、最高ランキングは8位(2002年4月)です。

2001年にシニアで世界ランキング登録されてから20年近く経った今も尚、2桁ランク上位をキープし続けています。一旦2桁後半に落ち込むこともありましたが、ここ数年で再び上昇し2018年から現在の順位に落ち着いてきてます。また、2000年以前には世界ランキングが4位にもなったことがあります。

倪夏蓮の主な成績

1983年 世界選手権東京大会 女子ダブルス:銅メダル、混合ダブルス:金メダル、女子団体:金メダル
2018年 スペインオープン 女子ダブルス:準優勝
ベルギーオープン 女子ダブルス:準優勝
クロアチアオープン 女子シングル:スベスト4
ヨーロッパ選手権 女子ダブルス:銅メダル
2019年 ヨーロッパ競技大会 女子シングルス:ベスト4
2021年 WTTコンテンダーノヴォ・メスト 女子シングルス:準優勝
世界選手権ヒューストン大会 女子ダブルス:銅メダル
2022年 ヨーロッパTOP16 女子シングルス:ベスト8
WTTフィーダーオロモウツ 女子シングルス:ベスト4
2023年 ヨーロッパTOP16 女子シングルス:ベスト8
WTTスターコンテンダーリュブリャナ 女子ダブルス:準優勝
WTTフィーダーハビージョフ 女子シングルス:優勝

まとめ

“最強のペン粒”と称される大ベテランが国際大会で快挙を成し遂げていくのか。今後の彼女の活躍に目が離せません。

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