文:ラリーズ編集部
今回は、チェコの国内選手権女王にしてダブルスで上位へ食い込むハナ・マテロワ(チェコ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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ハナ・マテロワとは?
ハナ・マテロワは、2019年のチェコ国内選手権を制し徐々に頭角を現し始めている選手です。国際大会では主にバラボラ・バラージョバー(スロバキア)と組む女子ダブルスで上位進出することが多いため、“ダブルスの名手”とも言えます。
プレーの範囲は広く、どこからでも打てるオールラウンダーです。日本の選手とも対戦した経歴があり、大接戦を繰り広げたこともあります。
プロフィール
ハナ・マテロワは、1990年6月8日生まれの29歳(2020年4月時点)です。チェコ出身で、2018/2019シーズンはフランスのクラブチーム・クレールフォンテーヌに所属し、ヨーロッパチャンピオンズリーグに参戦していました。そのシーズンではチームの準々決勝進出に貢献しました。
また、チェコ代表としても国際大会への出場経験は多く、特にバラボラ・バラージョバーと組んだ国際ペアのダブルスでは2019年のグランドファイナル準々決勝で、木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)/長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)とゲールオールまでもつれこむ大熱戦を繰り広げました。シングルスでも、東京五輪代表候補の平野美宇(日本生命)やTリーグでも活躍する加藤美優(日本ペイントホールディングス)と対戦した経歴もあるほか、リオ五輪にも出場しています。
プレースタイル
ハナ・マテロワの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、前中陣でのカウンタープレーが特徴です。また、手足の長さを活かして、後陣から両ハンドドライブを振ることもできます。
戦型と用具の相性はとても重要です。個人の感覚によって差はありますが、前陣でのカウンターやブロックを主体とし、相手の回転を利用する選手の多くは硬いラバーを好む傾向があります。軟らかいラバーは安定感とやりやすさがありますが、トップ選手の攻撃は重いため抑えきれないというデメリットがあります。
一方で、ラリーを主体とし自ら攻撃を仕掛ける選手や中後陣で戦う選手は、やや硬いラバーを使用する傾向があります。これは、相手の球威に負けない威力を生むのと弾みを効かせるためです。ハードヒッターになれば硬いラバーでも充分に使うことができるのですが、硬いラバーは相応のインパクトとスイングスピードが必要になるため、大半の選手はやや硬いラバーを使用しています。
ハナ・マテロワはやや硬いラバーを使用することで中後陣に下がっても反撃可能な威力を持つドライブを放つことができ、前陣でも積極的に攻撃を仕掛けることができます。
使用用具
ハナ・マテロワはラケット、ラバーともにBUTTERFLYのものを使用していて、ラケットが「メイスパフォーマンス」、ラバーは両面に「テナジー05-FX」を使用しているそうです。
攻撃型のトップ選手で5枚合板を使用する選手は珍しいです。木材のみで構成される合板ラケットを使用するのはカットマンや前陣の守備型の選手が多いです。これは、特殊素材を搭載したラケットより弾みが抑えられるため打球のコントロールがしやすくなるためです。
ハナ・マテロワはラケットを弾ませない代わりにラバーは軟らかい「テナジー05-FX」を使用して打球の安定感と威力を両立させています。
世界ランキング
ハナ・マテロワの世界ランキングは51位(2020年3月時点)です。2006年に一般の世界ランキングに登録されてから徐々にランクが上がっていき、2017年には2桁ランクへ落ち着きました。2018年には一気に上昇し、40位から60位の間でランキングが上下しています。最高ランクは2019年9月の44位です。ジュニアの最高ランクも2桁前半と若い頃から非凡な才能を評価されてきた選手です。
国際大会での主な成績
2017年 | カタールオープン | 女子ダブルスベスト4 |
2018年 | ポーランドオープン | 女子ダブルス準優勝 |
クロアチアオープン | 女子ダブルスベスト4 | |
ベラルーシオープン | 女子ダブルス準優勝 | |
2019年 | カナダオープン | 女子ダブルスベスト4 |
まとめ
どの位置からでも攻撃を仕掛けられるチェコのエースが国際大会で活躍なるか。今後の彼女の活躍に目が離せません。
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