文:ラリーズ編集部
今回は、2009年のヨーロッパ選手権の王者で、アテネ五輪銅メダリストのマイケル・メイスを紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
マイケル・メイスとは?
マイケル・メイスは、2004年のアテネ五輪男子ダブルス銅メダル、2005年の世界選手権男子シングルス銅メダルと、世界のトップとして活躍してきた、世界屈指のロビングの名手です。
マイケル・メイスのプロフィール
写真:マイケル・メイス(デンマーク)/提供:ittfworld
マイケル・メイスは1981年9月1日生まれの42歳(2023年10月時点)で、デンマークのファクセ出身です。
1997年の世界選手権マンチェスター大会に15歳の若さで出場し、その後はドイツブンデスリーガの名門クラブであるボルシア・デュッセルドルフで腕を磨きます。なお、若いころのメイスは気性の荒い選手としても有名で、試合で上手くいかないことがあると、ラケットや物に八つ当たりすることもあったそうです。
そんなメイスは、2002年ごろからワールドツアーで活躍するようになり、2004年のアテネ五輪で男子ダブルスで銅メダルを獲得し、世界のトッププレーヤーとして名を馳せるようになりました。
翌2005年の世界選手権の男子シングルス準々決勝では、郝帥(ハオシュアイ・中国)相手にゲームカウント0-3の7-10と窮地に追い込まれるも、得意のロビングを駆使してデュースに突入し逆転すると、YGサービスを軸に連続でゲームを奪取。そして、最終ゲームを11-6で勝ち切って大逆転での準決勝進出を果たし、自身初となる世界選手権の銅メダルを獲得しました。
その後も国際大会で活躍し、2009年にはヨーロッパ選手権の男子シングルスで優勝をつかみ取ることができました。2014年でもヨーロッパカップで準優勝するなど勢いは健在でしたが、2016年に現役引退を発表しました。しかし、翌年の2017年にデンマークのクラブチームに復帰すると、2018年には正式に現役復帰を表明しました。
2018年、2019年の世界選手権にも出場するなど、40歳近くになってなお、世界の第一戦でプレーしてきましたが、国際大会では2020年に行われた東京五輪の団体予選会を最後に出場がありません。直近では主にデンマークのクラブチームであるロスキレでの試合が主軸となっています。
マイケル・メイスのプレースタイル
マイケル・メイスの戦型は左シェーク裏裏の攻撃型で、ロビングやカットブロックを多用する、センスあるプレーが持ち味の選手です。
メイスのプレースタイルで特筆されるのは、ロビング技術です。日本でも水谷隼氏がロビング使いの名手として挙げられますが、メイスもまた縦横無尽にコートを駆け回りながら、ロビングや反撃で相手コートにボールを送り続ける戦術を多用します。
そのロビングの中でも、メイスは単純にボールを上にあげるだけでなく、横回転や上回転等をかけて返し相手のミスを誘う攻撃的なロビングを使用します。これによってラリーの主導権を自分のものにすることができます。
また、メイスはカットブロックを多用する選手でもあります。バックハンドはもちろんのこと、フォアハンドでもカットブロックを使用し、ラリーの流れを変えることがよくあります。このように、メイスは前陣では攻撃やカットブロック、中陣や後陣ではロビングをしながら反撃の好機をうかがう生粋のオールラウンドプレーヤーです。
マイケル・メイスの使用用具
マイケル・メイスはバタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの『ティモボルALC』、ラバーは両面にバタフライの『ディグニクス05』を使用しています。また、バタフライからはメイスのプレーをイメージして作られた『メイスアドバンス』というラケットも製品化されています。
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マイケル・メイスの世界ランキング
2023年10月時点で、マイケル・メイスは世界ランキングを持っていません。2020年の五輪予選を最後に国際大会には参加していません。最高ランキングは8位(2010年1月)です。
マイケル・メイスの主な成績
2002年 | ブラジルオープン | 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:ベスト4 |
デンマークオープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
2004年 | デンマークオープン | 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:準優勝 |
アテネ五輪 | 男子ダブルス:銅メダル | |
ヨーロッパTOP12 | 男子シングルス:優勝 | |
グランドファイナル | 男子ダブルス:ベスト4 | |
ドイツオープン | 男子ダブルス:ベスト4 | |
2005年 | 世界選手権上海大会 | 男子シングルス:銅メダル |
ヨーロッパ選手権 | 男子団体:金メダル | |
2006年 | ロシアオープン | 男子ダブルス:ベスト4 |
2007年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル |
2008年 | ポーランドオープン | 男子シングルス:準優勝 |
2009年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:金メダル |
世界選手権横浜大会 | 男子シングルス:ベスト8 | |
2010年 | フォルクスワーゲンカップ | 男子シングルス:ベスト4 |
2014年 | ヨーロッパカップ | 男子シングルス:準優勝 |
まとめ
守備技術を極限まで高め、自分の戦術にまで盛り込んだロビングの名手が、クラブチームを中心に生涯現役を貫くか。今後の彼の活躍に目が離せません。