JOCエリートアカデミーに所属し、昨年開幕した国内リーグであるTリーグでは、石川佳純と同じ木下アビエル神奈川で活躍しました。
同世代の大会ではタイトルを総なめしてきた15歳、木原美悠を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用器具などの基本的な情報から、最年少で全日本選手権決勝まで進出するなどの国内外の戦績についても触れていきます。
木原美悠とは?
木原美悠は、小学生の頃から各世代で優勝を重ね、テレビ番組にも多数出演しています。
2019年の全日本選手権5回戦で平野美宇を破り、その後も格上相手に順調に勝ち進み14歳ながら決勝まで進みました。2019年5月に行われたクロアチアオープンで優勝し、2020年3月の世界ランキングは49位、今若手で注目されている選手の1人です。
プロフィール
木原美悠は2004年8月3日生まれの15歳(2020年3月現在)。兵庫県明石市出身。
父親が元卓球選手である卓球一家の家庭で生まれ、卓球選手でもある姉と兄の影響もあり4歳で卓球を始めました。父親が運営している卓球教室で練習を重ね、小学生の頃は毎日4時間以上の練習をし、時には深夜まで練習をする日もあったそうです。
小学生の頃には頭角を現し、2011年のバンビの部で全国初優勝したことをきっかけに各世代で優勝をしていきました。
2015年2月のジャパントップ12に史上最年少である10歳と8ヶ月で出場を果たしました。そしてこの年の9月に、ITTFジュニアサーキット・チャイニーズタイペイジュニア&カデットオープン ジュニア女子シングルスを優勝しました。
2019年1月の全日本選手権で平野美宇を5回戦で下し、その後世界ランキングでも木原より上位でもある格上相手に順調に勝ち進み、決勝に進出しました。決勝では伊藤美誠に敗れ、準優勝という結果に終わりましたが最年少で決勝進出し注目を集めました。
2019年世界ジュニア卓球選手権大会において、混合ダブルスと女子ダブルスで優勝しました。
同年、ITTF ワールドツアーグランドファイナル女子ダブルスで優勝しており、ダブルスにおいては世界レベルの実績を出しています。
プレースタイル
裏ソフトラバーをフォア面に、表ソフトラバーをバック面に貼った右シェーク裏表前陣速攻型で、卓球台により近い位置でプレーすることを得意とするプレースタイルです。
木原美悠の優れている部分は、コース取りのうまさとコントロールです。ラリーでもほとんど下がることなく前でプレーをし、強烈なカウンターを武器としています。
もう1つの武器はサーブです。巻き込みサーブ、しゃがみこみサーブなどの豊富な種類のサーブを使いこなして、ベテラン選手でもレシーブに苦戦するほど切れたサーブで圧倒しています。
また身長も164cmと女子選手の中では大きいほうなので、パワーのあるスマッシュも魅力の1つといえます。
使用器具
ラケットはファイヤーフォールVCを使用しており、フォア面のラバーには丹羽孝希も使用しているV>15Extra。特徴としては、ラバーは硬めで、パワーがなくてもスピードがでるので、威力のあるボールが打てます。攻守ともにバランスをとることのできるラバーです。
バック面のラバーに使用しているのはVO>102。このラバーは攻撃力を優先し、打球感も心地良さに加え、球離れの良さが魅力です。
世界ランキング
木原美悠の世界ランキングは、11歳の時に164位、12歳と11ヶ月で100位以内である92位にランクインし、13歳である2018年4月の発表では79位となりました。2019年6月発表で5月に開催されたクロアチアオープンの優勝の影響もあり、80位から60位へと20人抜きを果たしました。そして現在は日本人9番目の49位です。100位以内になった年齢を見ると伊藤美誠や平野美宇とほとんど変わりがないので、これらの選手と同等以上の結果を残していくことに十分期待できます。
国内での主な戦績
2011年
全日本卓球選手権大会 バンビの部(小学2年生以下):優勝
2012年
全日本卓球選手権大会 バンビの部:優勝
2014年
全日本卓球選手権大会 カブの部(小学4年生以下):優勝
2015年
全日本卓球選手権大会 カデットの部(13歳以下):優勝
2016年
全国ホープス選抜卓球大会:優勝
全日本卓球選手権大会 ホープスの部(小学6年以下):優勝
2017年
全国ホープス選抜卓球大会:準優勝
全国中学校卓球大会 シングルス:優勝
2019年
全日本卓球選手権大会 シングルス:準優勝
国際大会での主な戦績
2014年
ジュニアサーキット・チャイニーズタイペイジュニア&カデットオープン カデット女子団体:優勝
2015年
ジュニアサーキット・イタリアジュニア&カデットオープン
ジュニア女子団体:優勝
カデット女子シングルス:準優勝
ジュニア女子ダブルス:準優勝(長﨑美柚ペア)
2016年
ジュニアサーキット・イタリアジュニア&カデットオープン
カデット女子シングルス:優勝
ジュニア女子団体:準優勝
ジュニア女子シングルス:準優勝
ジュニアサーキット・香港ジュニア&カデットオープン
カデット女子シングルス:優勝
ワールドカデットチャレンジ シングルス:優勝
2017年
ジャパンオープン萩村杯(U-21):準優勝
アジアジュニア卓球選手権大会 ジュニア女子団体:準優勝
ジュニアサーキット・香港ジュニア&カデットオープン
ジュニア女子ダブルス:優勝(長﨑美柚ペア)、ジュニア女子団体:準優勝
世界ジュニア選手権 女子団体:準優勝、ダブルス:ベスト4(木村光歩ペア)
2018年
スロベニアオープン ダブルス:準優勝(長﨑美柚ペア)
2019年
スロベニアオープン ダブルス:優勝(長﨑美柚ペア)
クロアチアオープン シングルス:優勝、ダブルス:優勝(長﨑美柚ペア)
ドイツオープン・女子ダブルス準優勝(長﨑美柚ペア)
オーストリアオープン・女子ダブルス優勝(長﨑美柚ペア)
世界ジュニア卓球選手権大会・混合ダブルス(宇田幸矢ペア)/女子ダブルス優勝(長﨑美柚ペア)
ワールドツアーグランドファイナル・女子ダブルス優勝(長﨑美柚ペア)
まとめ
小学生の頃から今後注目の若手選手として注目されていましたが、全日本選手権で平野美宇を倒し、決勝まで上がったことで一気に注目を浴びました。オリンピックで2大会連続メダルを獲得する実力のある日本卓球女子ですが、彼女が出てきたことでより一層日本のレベルも上がりそうです。
またワールドツアーへ積極的に参加していき、2024年のパリオリンピックのメンバーに名乗りを上げ、代表争いに入ってくることが期待されています。そしてまだ15歳なので、これからどのように成長して日本のトップで活躍してくれるか楽しみです。