今回は、インドからフランスへ渡り16歳にして五輪初出場を決めた若き実力派、プリティカ・パヴァデ(フランス)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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プリティカ・パヴァデとは?
プリティカ・パヴァデは、16歳にして五輪出場権を得たフランスの新星です。幼少期に父親に教わり、フランスの地で才能を開花させたサウスポーの新星は、ジュニアではトップクラス、一般の部でも指折りの実力を持っています。
男子選手に劣らないスピードと両ハンドドライブの威力で次々と各国のトップ選手を撃破してきている、プリティカ・パヴァデのプロフィールについて詳しく見ていきましょう。
プロフィール
プリティカ・パヴァデは、2004年8月2日生まれの16歳(2021年5月時点)です。インド出身で、長年インドで活躍していた父親の影響で卓球を始めました。
家族でフランスのルブルジェに引っ越すと、そのクラブで卓球に専念し始め、サウスポーとしての彼女の才能が開花しました。9歳の時に、国内のミニカデット(日本でいうホープス)選手権で初優勝を飾ると、その後は急成長を遂げフランスでも指折りの選手として注目を集めました。
国際大会でも優勝経験を持つほか、2021年の東京五輪シングルスヨーロッパ予選では各国の競合が集う中で本戦出場の切符を勝ち取りました。プリティカ・パヴァデにとっては初の五輪出場となります。
プレースタイル
プリティカ・パヴァデは左シェーク裏裏の攻撃型で、両ハンドでドライブを打ち込む男子選手のようなプレースタイルが特徴です。
台上でもツッツキとフリック、チキータをほぼ同じ割合で使いこなし、浮いてきた球はフォアやバック関係なくドライブで打ち抜きます。特にバックハンドのミスは極端に少なく、ドライブからミート打ちまで自在に打ち分けることができます。ドライブのコースもまた、クロスに打ったらサイドを切るかストレートに打てばエンドライン上という具合に鋭いです。
フットワークも軽く、ミドルから多少バック側に来た球でも回り込んでフォアドライブを打ちに来ます。中陣でもラリーすることができ、男子選手顔負けのアグレッシブなプレースタイルが彼女の持ち味です。
使用用具
プリティカ・パヴァデはBUTTERFLYがスポンサーについていて、ラケットは『アポロニア ZLC』、ラバーは両面に『テナジー05』を使用しています。
『アポロニア ZLC』は、ポルトガルのティアゴ・アポロニアの使用モデルラケットです。インナーファイバー仕様でボールをつかむ感覚を向上させたラケットです。
『テナジー05』は「ディグニクス」シリーズが出た今でも依然として人気を誇るBUTTERFLYのラバーです。
世界ランキング
プリティカ・パヴァデの世界ランキングは一般の部で390位、U21の部で14位(2021年5月時点)です。2019年初めのランキングは下降しましたが、後半から一気に上昇しました。自身最高ランクは一般の部では2017年2月の303位、U21の部では2020年12月の8位です。
国際大会での主な成績
2016年 | フランスジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス準優勝 |
2017年 | チェコジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス準優勝 |
スロベニアジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス準優勝 | |
2018年 | スウェーデンジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス優勝 |
ヨーロッパユーストップ10 | カデット女子シングルス優勝 | |
スペインジュニア&カデットオープン | ジュニア女子シングルス優勝、カデット女子シングルス準優勝 | |
クロアチアジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス準優勝 | |
2019年 | チェコオープン | カデット女子シングルス準優勝 |
フランスジュニア&カデットオープン | ジュニア女子シングルス優勝、カデット女子シングルス準優勝 | |
タイオープン | U21女子シングルス準優勝 | |
ヨーロッパユース選手権 | カデット女子シングルス3位 | |
2020年 | ヨーロッパU21選手権 | 女子シングルス優勝 |
ヨーロッパユーストップ10 | ジュニア女子シングルス優勝 | |
スウェーデンジュニア&カデットオープン | ジュニア女子シングルス優勝 |
まとめ
女子トップクラスのスピードとセンスのあるゲームメイクで国内や国際大会をものにしてきている新星が、五輪の舞台でそのアグレッシブなプレーを見せることができるのか。今後の彼女の活躍に目が離せません。