文:ラリーズ編集部
今回は、2018年の世界ジュニア選手権で優勝を果たした中国の若手選手、銭天一(チェンティエンイ)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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このページの目次
銭天一とは?
銭天一は、2018年の世界ジュニア選手権でシングルスと団体の2種目で優勝などの実績を持ち、選手層の厚い強豪国の中国でジュニア時代から活躍している選手です。最近でも、2019年のオーストリアオープンでシングルスベスト4などの活躍を見せ、世界ランキングも急上昇しており、勢いに乗っている選手です。
銭天一のプロフィール
銭天一(チェンティエンイ/Qian Tianyi)は2000年1月23日生まれの24歳(2024年6月時点)で、中国の江蘇省丹陽市出身です。2014年に全国少年大会で3冠を達成すると、その活躍が認められて中国国家チーム2軍入りを果たします。
2018年にはアジアジュニア&カデット選手権で優勝を飾ると、世界ジュニア選手権でもシングルスと団体の2種目で優勝するなど、輝かしい実績を残しました。そして、2019年には国家チームの一軍入りを果たします。
シニアの大会でも2019年のオーストリアオープンで、劉詩雯(リュウスーウェン・中国)、早田ひならの実力者に勝利してベスト4進出を果たして注目を浴びました。
その後は目立った成績を残せずにいた銭天一ですが、2022年にはWTTフィーダードーハ、WTTフィーダーオロモウツで優勝を果たし、再び注目されるようになります。
そして、2023年にはWTTコンテンダーダーバンで優勝を飾ると、世界のトップ選手が集結したWTTシンガポールスマッシュでは並みいる強敵を撃破して見事準優勝に輝きました。これらの活躍によって世界ランキングも大幅にアップし、2023年4月には自己最高となる5位まで上昇しました。
同年8月に開催されたワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)では、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス、女子団体の全4種目で金メダルを獲得する偉業を成し遂げ、世界ランキング1桁台の実力を見せつけました。
銭天一のプレースタイル
銭天一の戦型は、左シェーク裏裏のドライブ型です。切れのあるサーブと前陣でのカウンタープレーを得意としている選手です。
サーブは、回転やコースの分かりにくいハイトスサーブをメインに組み立てます。レシーブは、チキータやフォアハンドのフリックなどの攻撃的なレシーブを多用します。サーブ、レシーブともに自分から積極的に攻撃をしかけるプレーが特徴的です。
ラリーでは、現代卓球らしい打点の早い両ハンドが得点源です。また、相手に攻撃されたときでも守りに入ることが少なく、果敢なカウンタープレーで主導権を取り返す場面が多く見られます。常に攻撃的で強気なプレースタイルが近年の活躍の一因となっているようです。
銭天一の使用用具
銭天一の使用用具については現在調査中です。
銭天一の世界ランキング
銭天一の世界ランキングは16位(2024年6月時点)で、最高ランキングは5位(2023年4月時点)です。
2018年までは国際大会への出場機会が少なく、2019年7月時点での世界ランキングは295位でした。しかし、2020年の2月には当時自己最高の24位となり、わずか半年ほどの期間で250位以上もランキングを上げました。
銭天一の主な成績
2015年 | アジアジュニア&カデット選手権 | カデット女子シングルス:優勝 |
2016年 | アジアジュニア&カデット選手権 | ジュニア女子シングルス:優勝 |
2017年 | アジアジュニア&カデット選手権 | ジュニア女子シングルス:準優勝、ジュニア女子ダブルス:優勝 |
世界ジュニア選手権 | 女子シングルス:銅メダル、女子ダブルス:銀メダル | |
2018年 | アジアジュニア&カデット選手権 | ジュニア女子シングルス:優勝 |
世界ジュニア選手権 | 女子シングルス:金メダル、女子ダブルス:銅メダル、女子団体:金メダル | |
2019年 | オーストリアオープン | 女子シングルス:ベスト4 |
2021年 | 世界選手権ヒューストン大会 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:陳夢) |
2022年 | WTTフィーダードーハ | 女子シングルス:優勝 |
WTTフィーダーオロモウツ | 女子シングルス:優勝 | |
2023年 | WTTコンテンダーダーバン | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:準優勝(ペア:石洵瑶)、混合ダブルス:準優勝(薛飛) |
WTTフィーダードーハ | 女子ダブルス:優勝(ペア:石洵瑶)、混合ダブルス:準優勝(ペア:向鵬) | |
WTTシンガポールスマッシュ | 女子シングルス:準優勝 | |
WTTコンテンダーザグレブ | 女子ダブルス:準優勝(ペア:劉煒珊) | |
FISUワールドユニバーシティゲームズ | 女子シングルス:金メダル、女子ダブルス:金メダル、混合ダブルス:金メダル、女子団体:金メダル | |
アジア選手権 | 混合ダブルス:銀メダル(ペア:梁靖崑)、女子団体:金メダル | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 混合ダブルス:準優勝(ペア:梁靖崑) | |
WTTコンテンダー太原 | 女子ダブルス:優勝(ペア:陳幸同)、混合ダブルス:ベスト4(ペア:梁靖崑) | |
2024年 | WTTスターコンテンダードーハ | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:優勝(陳幸同) |
まとめ
強豪国中国の期待の若手選手としてジュニア時代から多くの実績を残している銭天一。ジュニアでは輝かしい成績を残してきた彼女は、選手層が厚く、同世代のライバルも多い中国で今後代表として定着することができるのか。彼女が今後のワールドツアーなどでどのような活躍を見せるのかにも期待が高まります。