文:ラリーズ編集部
今回はエジプトで長きにわたって活躍しているベテラン選手、アフメド・サレを紹介します。プロフィール、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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アフメド・サレとは?
アフメド・サレは、1997年のITTFアフリカカップで初のメジャータイトルを獲得し、その後現在に至るまで、自国のみならずアフリカを代表する選手として活躍を続けているエジプトのベテラン選手です。
プロフィール
アフメド・サレは、1979年11月14日生まれの41歳(2021年3月時点)です。エジプト出身で、カイロのザマレククラブから卓球の修業を始めました。2008年の北京五輪と2012年のロンドン五輪の2回連続で五輪に出場した経験があり、長年にわたってエジプト卓球を牽引してきた人物であります。
2020年2月末にチュニジアで開催されたITTFアフリカトップ16カップでは、世界ランキング21位のクアドリ・アルナ(ナイジェリア)との決勝で、ゲームカウント4-3の激闘を制して優勝するなど、アフリカ内でも屈指の強さを誇っています。
最近では、2021年3月に開催されたWTTスターコンテンダードーハ大会で、2020年の男子シングルスで全日本チャンピオンとなった宇田幸矢(日本)をゲームカウント3-1で破るなど、新進気鋭の若手選手に対しても、持ち前の経験を活かした巧みな試合運びと洗練された戦術を用いて立ちはだかり、存在感を示しています。他にも、2020年WTTマカオの男子シングルスで、敗れはしたものの、世界ランキング20位の黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)相手にフルゲームの激戦を繰り広げるなど、世界ランキング上位の選手に対しても、互角にわたり合うことのできる選手です。
プレースタイル
アフメド・サレの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、両ハンドを駆使したコンパクトで安定感のあるプレーが特徴です。基本的に前中陣でプレーし、早い打点でのラリーに強いです。
台上技術が大変優れており、レシーブからの展開では、短いサービスに対するストップやツッツキはもちろん、バックドライブやフリックなど多彩な技術を駆使して相手にレシーブを絞らせず、自分のやりやすい展開へと進めていく力があります。台から出てくるサービスに対しても、しっかりと回転をかけてドライブする技術を持っており、相手から攻められる前に攻め切る展開へと持っていく強さがあります。
また、一番目につくのはブロック技術の高さです。一度ボールを浮かせてしまっても、辛抱強くブロックでしのぎ、相手のミスまで粘る忍耐強さに加え、逆に長めのツッツキから相手にわざと打たせる展開へと進め、ブロックのコース取りで相手を揺さぶる巧みなプレイングで得点するシーンが多々あります。
サービスはショートとロングともに絶妙なコース取り、回転で、相手から簡単に攻めへとつながるレシーブをさせないように工夫されています。具体的には、台から微妙に出たり出なかったりと判断の難しいハーフロングの下回転サービスが持ち味で、台から出ない場合は、相手のチキータを防いでストップ、ツッツキを打たざるを得ない状況におとしめ、自分から攻める展開へ、台から出る場合は、相手の強打を防ぎつつ、回転は強力だがやや高めのループドライブで返球されるのを待っており、相手のいないコースに叩きつけるブロックで得点する展開へと持っていきます。
ドライブは、両ハンドとも振りがコンパクトながら十分な威力を持っており、コースの打ち分けも巧みです。特にバックハンドのドライブは、相手の反応を上回るスピードと正確なコース取りを兼ね備えていて、ラケットに当てることさえままならず、ノータッチでの得点を量産しています。
写真:アフメド・サレ/提供:ittfworld
世界ランキング
アフメド・サレの世界ランキングは50位で、アフリカ勢の中では、21位のアルナ、42位のオマール・アサ―ル(エジプト)に次いで3位となっています。
2020年11月までは、71位から101位の間を行き来していましたが、2020年12月にランキングを一気に28位あげて50位をマーク、現在までその順位をキープし続けています。
国際大会での戦績
2020年 | ITTFアフリカ・トップ16カップ | 男子シングルス優勝 |
まとめ
卓球プレイヤーとしてベテランの域にあるアフメド・サレ。経験豊富で引き出しの多い彼の卓球は見ごたえがあります。彼が今後どのようにして若手選手と勝負していくのか注目です。