文:ラリーズ編集部
イングランドの主力選手として欧州卓球界で活躍し、世界卓球では格上の丹羽孝希(スヴェンソン)をストーレートで破るなどの成果を残しているサムエル・ウォーカーについて紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても詳しく紹介します。
近年のイングランドの躍進を支え、世界卓球の舞台で何度も日本の前に立ちふさがったサムエル・ウォーカー。今回はそんなウォーカーのプロフィールを見ていきましょう。
>>英ピッチフォードに聞く「最強中国の倒し方」と「Tリーグ参戦のワケ」
>>ポール・ドリンコールの使用用具・大会成績・プロフィール
>>英ピッチフォード、“うつ”を乗り越えた過去を告白「同じ悩みを持つ人を助けたい」
サムエル・ウォーカーとは
サムエル・ウォーカーは、リアム・ピッチフォードやポール・ドリンコールとともに近年躍進を続けるイングランド卓球界を牽引するトップ選手です。世界卓球2016団体や、世界卓球2018団体ではともに格上の日本人選手を破るなどの活躍をした勢いのある選手です。
プロフィール
サムエル・ウォーカーは2020年2月現在24歳のイングランドの卓球選手です。
近年、成長が目覚ましいイングランド卓球界の主力選手の1人として活躍するウォーカーですが、ジュニアのころはそれほど目立った成績を残してきませんでした。
しかし、少しずつ世界ランキングを伸ばしていき、2015年ごろには100位台にまで成長し、そして2018年ごろには自身初のランキング2桁を記録し、世界のトップ選手の1人となりました。
2016年に出場した世界卓球団体2016マレーシア大会では、当時チームランキング3位の日本と対戦し、格上選手である大島祐哉(木下グループ)を3-1で破り、チームに貴重な一勝をもたらしました。
そして、ウォーカーに関して一番、印象深いのが2018年に出場した世界卓球団体2018スウェーデン大会での日本との一戦です。グループリーグで当たった日本対イングランド。当時チームランキング3位の日本に対して、イングランドはチームランキング13位。そんな中、1-1のイーブンで迎えた第三試合にウォーカーは出場し当時世界ランキング9位だった丹羽孝希(スヴェンソン)を3-0のストレートで破る大金星を挙げました。
このウォーカーの勝利によってチームは勢いづいて日本に勝利し、グループリーグ1位通過を決めました。
プレースタイル
サムエル・ウォーカーの戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。長身から繰り出される打ちおろすようなドライブと、前陣での両ハンドカウンターを軸に戦うプレースタイルをしています。
ウォーカーの最大の武器はその長身から繰り出される上から打ち下ろすようなドライブです。ウォーカーのフォアドライブは長い腕をしならせるようにスイングして、直線的で威力のある打球になっています。そのため甘い球は一発で打ち抜いてしまう場面も多く見られます。
そして、ウォーカーはフォアドライブだけでなくバックドライブもきれいな弧線を描く回転量のある打球をします。場面によって、フォア前のサーブをチキータしてからバック対バックのラリーに持ち込むこともあり、非常に丁寧でバランスの良い両ハンドプレーをします。
また、ウォーカーは前陣での両ハンドカウンターも得意としています。長身を活かして後陣で戦う選手も多い中、ウォーカーは下がらずに台に近い位置での前陣両ハンドカウンターを主軸に戦っています。早い打点で打ち出されるカウンターとラリーは相手を圧倒します。
使用用具
ウォーカーの使用用具は、フォア面、バック面ともにDONIC社の「ブルーファイア M1」を使用しているようです。
世界ランキング
ウォーカーの世界ランキングは2017年ごろまでは100位台に位置していましたが、2018年ごろになると2ケタ台を記録するようになりました。2018年の1月には自身最高位の世界ランク80位を獲得しました。2020年2月現在では世界ランキング81位に位置しています。
国際大会での主な戦績
2016年 | 世界卓球団体2016マレーシア | 団体戦銅メダル |
2018年 | チームワールドカップロンドン | 団体戦銅メダル |
まとめ
着々とランキングを上げ、イングランド卓球界を牽引する存在のサムエル・ウォーカー。リアム・ピッチフォードやポール・ドリンコールとともに世界卓球やワールドカップで幾度となく日本代表の前に立ちふさがってきたウォーカーはこれからも日本人選手の強力なライバルであり続けることは間違いないでしょう。まもなく開催される東京オリンピックやワールドツアー、世界卓球などでウォーカーがどんな活躍を見せてくれるのか。今後の彼の活躍に要注目です。