文:ラリーズ編集部
2019年のワールドツアー、チェコオープンの混合ダブルス決勝で日本の水谷隼(木下グループ)・伊藤美誠(スターツ)ペアを破り、15歳50日でワールドツアー優勝を果たした申裕斌(シンユビン)。韓国卓球界の未来を担う天才少女、申裕斌のプロフィール、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても詳しく紹介します。
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申裕斌とは
申裕斌は、韓国女子卓球界の未来を担うといわれる天才卓球少女です。2018年の世界ジュニア選手権団体では銅メダルを獲得し、2019年ワールドツアーチェコオープン混合ダブルスでは当時15歳にして優勝するなど、今後世界のトップ選手としての活躍が期待されている注目の若手選手です。
プロフィール
申裕斌は2004年7月5日生まれ15歳(2020年3月現在)の韓国の卓球選手です。2018年に出場したワールドツアーチャレンジ・ベルギーオープンで14歳にしてベスト4に輝き世界にその才能を知らしめました。
幼いころから、世界ジュニア選手権やワールドツアーU21で活躍してきた申裕斌ですが、ここ数年でさらに実績を積み日本人選手の前にも立ちはだかるほどの存在になりつつあります。
申裕斌は2019年のアジアカップでは世界ランキング8位(2020年3月現在)の鄭怡静(チャイニーズタイペイ)を破ってベスト16に入りました。さらに2019年ワールドツアー・チェコオープンでは趙大成(韓国)と組んで、決勝で日本の水谷隼(木下グループ)・伊藤美誠(スターツ)ペアを破り15歳50日でワールドツアー優勝という偉業を成し遂げました。
そしてなんといっても申裕斌の名を日本で広めたのは2019年ワールドカップ東京大会団体戦の準決勝、日本対韓国戦での活躍です。当時申裕斌の世界ランキングは3桁台で韓国代表の中ではまだまだ低い方でしたが、日本の意表を突く形でのシングルス、ダブルスの2点起用で出場してきました。
特に団体戦1番のダブルスでは、田志希(韓国)と組んで出場し日本の平野美宇(日本生命)・石川佳純(全農)ペアと対戦しました。申裕斌は長身を活かした威力のある両ハンド攻撃とセンスを感じさせるプレーで日本ペアを翻弄し、ゲームカウント3-1で勝利を手にしました。
その後、ダブルスでの勝利で勢いに乗った申裕斌は4番シングルスに出場し世界ランキング3位(2020年3月現在)の伊藤美誠と対戦し1ゲーム目を先取。そのあと3ゲームを連取されて逆転負けを許したものの格上の伊藤美誠相手に大接戦を演じ、その存在を強く印象付けることになりました。
プレースタイル
申裕斌の戦型は右シェーク裏裏ドライブ型です。まだ15歳ながらその長身を活かした威力のある両ハンドドライブを得意としており、彼女のセンスあるプレーには目を見張るものがあります。
申裕斌の一番の武器はその長身から繰り出される威力のある両ハンドドライブです。上から打ち下ろすようにして放たれる彼女のドライブは、腕のしなりも利用していて、一発で相手を打ち抜く場面も多く見られます。それでいて、申裕斌はまだ15歳と若くこれからの成長も期待され、ゆくゆくは中国選手並みのスケールの大きな卓球を見られるかもしれません。
また、申裕斌のバックドライブは威力があるだけではなく非常に打点が早く、広角に打ち分けられることも特徴です。そのため申裕斌のプレーは女子選手としては珍しく長いラリーになることが少なく、一発で決まることが多いです。
上記のように申裕斌は非常に一発に威力のあるプレーをしていますが、その反面まだミスをする場面も多く見られます。しかし、節々に見られるセンスあるプレーは見る者を驚かせます。申裕斌はまだ15歳ということを考えると今後の成長次第では世界のトップ選手となる日もそう遠くはないと思われます。
世界ランキング
申裕斌の世界ランキングは2018年ごろには300位台でしたがそこから順調に成績を残し、2019年の9月には自身初の2桁台を記録しました。そして最高の世界ランキングは2019年10月の79位で、2020年3月現在のランキングは96位に位置しています。
国際大会の主な戦績
2018年 | ベルギーオープン | 女子シングルスベスト4 |
2019年 | アジア選手権 | 女子シングルスベスト16 |
チェコオープン | 混合ダブルス優勝 |
まとめ
韓国女子卓球界の未来を担う存在として今後に大きな期待のかかる申裕斌。これからの成長次第では日本人選手の強力なライバルになっていくかもしれません。申裕斌のこれからに要注目です。