文:ラリーズ編集部
今回は、ブラジルで長年にわたって活躍を続けているティアゴ・モンテイロを紹介します。プロフィール、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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ティアゴ・モンテイロとは?
ティアゴ・モンテイロは、主にラテンアメリカの大会で数多くの実績をあげ、ブラジル代表として活躍しているベテラン選手です。
プロフィール
ティアゴ・モンテイロは、1981年6月15日生まれの39歳(2021年4月時点)です。ブラジル出身で、1998年からブラジル代表に加わり今日に至るまで活躍しています。2004年のアテネ五輪、2008年の北京五輪、さらに2012年のロンドン五輪と、五輪に3回連続で出場するなどブラジル卓球の中心的な存在であり続け、年を重ねてベテランの域に達した今なお世界ランキングでは2桁順位に位置しています。
2019年のパラグアイオープンでは、2015年の全日本選手権男子ダブルスや、2018年から2020年の混合ダブルスで、伊藤美誠とペアを組んで3年連続優勝した経験をもつダブルスの名手森薗政崇(日本)に対し、ゲームカウント1-4で敗れはしたものの、内容は2回のデュースを含む競り合いで、どちらがゲームを取ってもおかしくない試合でした。
また、チャンピオンズリーグでは、イングランドのリアム・ピッチフォードともフルゲームの熱戦を繰り広げるなど、世界ランキング上位の選手相手にも果敢に立ち向かう力をもった選手です。
プレースタイル
ティアゴ・モンテイロのプレースタイルは、右シェークの裏裏の攻撃型で、コンパクトながら威力の高いフォアハンドと、安定したブロックと高速のドライブを兼ね備えたバックハンドをフルに活用した両ハンドのプレーが特徴的です。
両ハンドの役割がはっきりしていて、フォアハンドが強打、バックハンドはフォアハンドへつなげるまでの展開を作るという役割を担っているように見えます。攻守の切り替えを行うタイミングの見極めに秀でていて、チャンスボールにはすかさずフォアハンドで決めていく力を持っています。
基本的にはあまり後ろに下がらない前中陣でのプレーを得意としていますが、後ろに下げられてしまった展開からも粘り強くロビングやループドライブでチャンスをうかがう忍耐強い一面も備えています。
サービスは、台から出るかどうかの判断が非常に難しい長さであり、対戦相手のレシーブへの入りを遅らせて攻撃的なレシーブを防ぎ、あまいレシーブが返ってきたところを自ら積極的にフォアハンドで攻めていく展開を作り出すことに長けたサービスです。
写真:ティアゴ・モンテイロ/提供:ittfworld
レシーブからは、基本的に無理矢理攻めるようなことはせずにツッツキや流しで相手のループドライブを誘い、得意のバックブロックで空いているコースに返球して相手を左右に揺さぶり、体勢を崩して打ってきた甘いドライブを逆コースに厳しいフォアドライブで決め切るという展開が、得点パターンとしては多く見られます。
ドライブは、攻めるときにはフォアハンドが多く、バックドライブは相手のドライブからの展開で使われることが多く、カウンターとして使用することが多いように見えます。バックドライブは使用頻度こそ少ないもののその威力は一級品で、彼がバックドライブを使用した時は多くが得点につながっています。バックハンドもさることながらフォアのドライブも強力です。特にコース取りが非常に巧みで、先述した通りラリーの中で相手の逆コースに打つのがうまく、ノータッチで決める程の速さとコース取りが絶品です。
彼のプレーで最も多く見られるのがバックブロックです。安定感があり、コース取りの技術が非常に高いです。彼のバックブロックは、ブロックで積極的に得点しようとするものというよりは、最終的に持ち前の強力なフォアドライブへとつなげるため、相手を崩して甘い返球をせざるをえなくなるまで揺さぶることに使うものであるように見えます。
世界ランキング
ティアゴ・モンテイロの世界ランキングは84位で、ブラジル選手の中では、7位のヒューゴ・カルデラノ、37位のグスターボ・ツボイに次いで3番目となっています。
国際大会での戦績
2004年 | ラテンアメリカ選手権 | 男子シングルス優勝 |
2008年 | ラテンアメリカ選手権 | 男子シングルス優勝 |
まとめ
ティアゴ・モンテイロのプレーは非常にテンポが良く軽快です。ベテランになっても時代の潮流にしっかりと合わせてプレースタイルを調整して戦うことができる彼ならこれからもブラジルを支える柱としてその存在感を示していくことでしょう。