文:ラリーズ編集部
今回は、元世界ランキング1位、世界選手権王者の肩書を持つヴェルナー・シュラガー(オーストリア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
ヴェルナー・シュラガーとは?
ヴェルナー・シュラガーは、2003年の世界選手権パリ大会の優勝者で、同年には世界ランキング1位にもなった選手です。強力なバックハンドとともに、コース取りも厳しく相手を左右に揺さぶる能力に長けていました。
ヴェルナー・シュラガーのプロフィール
ヴェルナー・シュラガー(Werner Schlager)は1972年9月28日生まれの51歳(2023年12月時点)で、オーストリアのウィーナー・ノイシュタッド出身です。5歳のときに卓球好きだった父の影響で、地元の卓球クラブで卓球を始めました。
その後は父親に指導を仰ぎながら卓球を続けていたシュラガーでしたが、プロを目指すという意識はありませんでした。しかし、19歳で兵役のために軍隊に入ったタイミングで意識が変わり、本格的に卓球を練習するようになりました。
1997年に男子ダブルスでポーランドオープンを初制覇すると、翌1998年にもクロアチアオープンの同種目で優勝し、世界トップ選手としての頭角を現し始めました。シュラガーが一躍有名になったのは2003年の世界選手権です。
準々決勝で王励勤(ワンリキン・中国)にフルゲームの末勝利すると、続く準決勝では孔令輝(コンリンホイ・中国)との2度のデュースを含む大接戦を潜り抜け、決勝に進出。当時、世界最強のカットマンとして勢いに乗っていた朱世赫(チュセヒュク・韓国)相手に2度のデュースを含む熱戦を繰り広げ、4-2で初優勝をつかみ取りました。また、2023年時点で世界選手権のシングルスで最後に中国勢以外が優勝した時がこの2003年のシュラガーとなっています。
その後もヨーロッパを中心に、男子シングルスとダブルスの両方で国際大会を制覇してきています。2008年の北京五輪ではオーストリア代表として男子シングルスと男子団体に出場し、男子団体ではベスト4入りに貢献しました。
近年では、自身が運営する「Werner Schlager Academy」にてコーチ業や運営を行っています。
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ヴェルナー・シュラガーのプレースタイル
ヴェルナー・シュラガーの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、鋭いコースへの攻撃が特徴の選手です。
戦術の中でフォアサイド、バックサイドを切る攻撃は、自分を有利にするために非常に有効な技術の1つです。シュラガーは特にコースの打ち分けで相手を翻弄させることができる選手でもあります。
フォアハンドではシュートドライブやカーブドライブを駆使して相手をコートの端に寄せながら、隙を見てストレート攻撃を仕掛けることが得意です。2003年の世界選手権の決勝では朱世赫(チュセヒュク・韓国)のバックカットに対して、さらに厳しいバックサイドの攻撃を仕掛けて自分の得点に繋げていました。
バックハンドでも、ブロックで相手をクロス側に寄せてから隙を見てプッシュ気味のボールをストレート方向へ打つ場面も多くみられます。基本的な技術のレベルや身体能力も高く、中後陣に下がっても引き合いやロビング、さらにはカットを駆使して自分の展開に持ち込むことができます。それに加えて体幹も強く、シェークハンドの弱点である手元にボールが来ても、うまく身体を傾けてフォアハンドのブロックやカウンターへとつなげることができます。
ヴェルナー・シュラガーの使用用具
ヴェルナー・シュラガーはBUTTERFLYの契約選手で、ラケットは「スーパーZLカーボン」を使用した特注で、ラバーは両面に『テナジー05』を使用しているそうです。
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ヴェルナー・シュラガーの世界ランキング
2023年12月時点で、ヴェルナー・シュラガーは世界ランキングを持っていません。2018年以降は国際大会に参加していません。最高ランキングは1位(2003年6月)です。
ヴェルナー・シュラガーの主な成績
1997年 | ポーランドオープン | 男子ダブルス:優勝 |
1998年 | クロアチアオープン | 男子ダブルス:優勝 |
2003年 | 世界選手権 | 男子シングルス:金メダル |
2004年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:準優勝 |
2005年 | サンクトペテルブルクオープン | 男子ダブルス:優勝 |
ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:金メダル | |
2006年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:準優勝 |
ドイツオープン | 男子ダブルス:優勝 | |
2007年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:銅メダル |
2008年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:優勝 |
北京五輪 | 男子団体:4位 | |
ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル、男子ダブルス:銀メダル | |
スーパーカップ | 男子シングルス:準優勝 | |
2009年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銀メダル |
まとめ
世界のNo.1まで上り詰めたレジェンドが、現代の卓球をどう捉え、どのように卓球界に貢献していくのか。今後の彼の動向にも注目したい。