文:ラリーズ編集部
今回は、中国国内で行われた東京五輪模擬試合で大番狂わせを起こした実力派の選手、徐晨皓(シューチェンハオ・中国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
徐晨皓とは?
徐晨皓は、2012年の世界ジュニア選手権で2冠を達成、2013年のジャパンオープンでも準優勝と若くして実力を持つ選手です。特に各国のトップ選手に勝利することから、番狂わせを起こす選手として各国が警戒しています。
2020年の国際大会では、ライバルともいえるドイツや韓国の代表選手に勝利したことがあります。中国国内でも大物食いをする選手で、2020年8月に中国国内で行われた東京五輪模擬試合の男子シングルスでは、準々決勝で世界最強のペンドラ、許昕(シュシン・中国)に4-0のストレートで勝利するという快挙を達成し、ベスト4に輝いています。
徐晨皓のプロフィール
徐晨皓は1996年3月29日生まれの27歳(2023年8月時点)で、中国出身です。2009年の北京での国際招待試合の経験を機に急成長を遂げ、2012年から国家代表チームに入りました。
2012年に行われた世界ジュニア選手権では、林高遠(リンガオユエン・中国)と組んだ男子ダブルスで優勝、男子団体でも優勝と実績を残しています。2013年のジャパンオープンでは男子シングルスで準優勝と個人戦での強さも身につけました。その後は国際大会への出場は減り、中国国内のリーグ戦を重視するようになりました。
2016年に中国スーパーリーグの団体戦で優勝した後も国内の試合を重視していましたが、2019年から徐々に国際大会へ参加するようになり、2020年のカタールオープンでパトリック・フランチスカ(ドイツ)、ドイツオープンで張禹珍(チャンウジン・韓国)に勝利するなど、大物食いの一面を持っています。
2023年には、Tリーグの琉球アスティーダに加入することが発表され、Tリーグ史上初の現役の中国国家チーム一軍所属選手の加入となりました。
徐晨皓のプレースタイル
徐晨皓の戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、バックハンドのチキータと緩急をつけたラリーが得意です。元々はフォアハンドにやや難がある選手でしたが、近年はフォアハンドも改良されて両ハンドの強さが際立っています。
世界のトップ選手はラリーの中で緩急をつけることが上手です。同じテンポのラリーをしていては相手に慣れられてしまうため、自分の点につながりにくくなります。そこでトップ選手は、強打をする場面とつなぐ場面をうまく組み合わせて自分優位のラリーに持っていくことが多いです。
つなぎと強打の使い分けは、フォアとバックのどちらが得意か、どのコースに打てば相手が取りづらいか、など選手によって、そしてその時の状況によって異なります。徐晨皓は、フォアハンドでつなぎ、バックハンドで強打をして得点にするパターンが多いです。バックハンドには相手コートをノータッチで抜くスピードと威力があります。
また、台上でのバックハンドのチキータも強化され、相手にとっては先手を取りにくいプレースタイルになってきています。
徐晨皓の使用用具
徐晨皓の使用用具は、ラケットはBUTTERFLYの「ビスカリア」、ラバーはフォア面に中国製粘着ラバー、バックハンドにテンション系のラバーを使用しているそうです。
「ビスカリア」はBUTTERFLYの人気ラケットで、世界中の選手が使用しているラケットでもあります。一度廃番となりましたが、再び生産されるようになっています。ラバーについては情報が少ないですが、フォア面の粘着ラバーにはブルースポンジが搭載され、弾みが強化されています。
徐晨皓の世界ランキング
2023年8月時点で、徐晨皓は世界ランキングを持っていません。最高ランキングは80位(2013年10月)です。
徐晨皓の主な成績
2012年 | 中国卓球選手権 | 男子シングルス:ベスト8 |
世界ジュニア選手権 | 男子ダブルス:金メダル、男子団体:金メダル | |
2013年 | ジャパンオープン | 男子シングルス:準優勝 |
2016年 | 中国スーパーリーグ | 男子団体:優勝 |
2020年 | 東京五輪模擬大会 | 男子シングルス:ベスト4 |
まとめ
度々番狂わせを起こしてきた若き実力派が、国際大会で再び上位に進出することはあるのか。今後の彼の活躍に注目です。
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