文:ラリーズ編集部
今回は、2016年のリオ五輪でシングルスベスト8、団体ベスト4という実績を持つシンガポールの于梦雨(ユモンユ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
Tリーグにも参戦しており、今シーズンは日本生命レッドエルフでプレーした于梦雨。今回は、そんな于梦雨のプロフィールを見ていきましょう。
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于梦雨とは?
于梦雨は、以前紹介した馮天薇(フォンティエンウェイ)とともにシンガポールの代表選手として活躍している選手です。2016年のリオデジャネイロ五輪にも出場しており、団体では3位決定戦で銅メダルをかけて日本代表と対戦しました。2019年にはTリーグにも参戦し、今シーズンのシングルスでは6勝2敗という高い勝率を記録しています。
シンガポールのトッププレーヤーとして活躍している于梦雨のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
于梦雨は、1989年8月18日生まれの30歳(2020年3月現在)です。前陣でのピッチの速い両ハンドが得意な選手です。
于梦雨は、ワールドツアーのU21で2016年にシンガポールオープン優勝、2009年のジャパンオープン優勝などの実績を残し、若手時代から多くの大会で活躍しました。シニアでも2014年のアジアカップで3位、2015年のポーランドオープンで準優勝など、着実に実績を重ねました。また、馮天薇とペアを組んだダブルスでも2015年のポーランドオープンで優勝、2017年の世界選手権でベスト4などの実績を持っています。
2016年のリオ五輪では、シングルスベスト8、団体ベスト4という素晴らしい成績を残しました。団体戦では、3位決定戦で日本代表と対戦し、ゲームオールの激戦の末、福原愛に勝利するなどの活躍を見せました。
また、2019年の2ndシーズンからはTリーグにも参戦し、日本生命レッドエルフでプレーしました。今シーズンのシングルスの成績は6勝2敗と高い勝率を残し、チームのリーグ1位でのプレーオフファイナル進出に大きく貢献しました。
プレースタイル
于梦雨の戦型は右シェーク裏裏ドライブ型で、前陣での打点の早い両ハンドのラリーを中心に試合を組み立てます。特に、精度が高くコースの打ち分けが自在なバックハンドを得点源としています。
サーブはシンプルな下回転やナックルのショートサーブを中心に組み立てます。レシーブはチキータなどの攻撃的なレシーブよりもツッツキやストップといった単純なレシーブを多用します。サーブ、レシーブともにそれ自体で得点することよりも細かいミスを減らして得意のラリーにつなげることを重視しているようです。
ラリーでは、打点の早さに加え、精度の高い両ハンドでコースをついて得点するパターンが多く見られます。フォア、バックともにコースの打ち分けが巧みで、広角にボールを散らし、相手を左右に動かして体勢を崩すプレーを得意としています。また、威力のあるフォアハンドも得点源となっています。コース取りの上手さと決定力を併せ持つことがラリー戦に強い要因となっているようです。
使用用具
于梦雨は、バタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの特殊素材を使用した特注ラケット(ZLカーボンシェーク)で、ラバーはフォア面、バック面ともにバタフライの「テナジー05ハード」を使用しているようです。
世界ランキング
于梦雨は2006年9月に88位で初めてランキング上に登場しました。そこから徐々にランキングを上げ、2010年3月には自己最高の9位に輝きました。その後、現在までほぼ常に50位以内の順位をキープしています。2020年3月時点での世界ランキングは55位となっています。
国際大会での主な成績
2015年 | ポーランドオープン | ダブルス準優勝(馮天薇ペア) |
2016年 | ポーランドオープン | シングルス準優勝 |
リオデジャネイロ五輪 | 団体ベスト4 | |
2017年 | 世界選手権 | ダブルスベスト4(馮天薇ペア) |
2018年 | アジア競技大会 | シングルス3位 |
まとめ
シンガポールの代表選手として、リオ五輪では団体ベスト4進出に大きく貢献し、現在はTリーグでも活躍している于梦雨。開催を目前に控えた東京五輪や今後のワールドツアーにおいても日本選手の前に強力なライバルとして立ちはだかるでしょう。彼女の今後の活躍に要注目です。