今回は、元中国代表でフランス女子代表を引っ張る中心的存在の袁佳楠(ユアンジャナン・フランス)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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袁佳楠とは?
袁佳楠(ユアンジャナン)は、元中国代表でフランスに帰化した選手です。2006年にフランス国内の大会で優勝を成し遂げると、2012年からは国内選手権で優勝を積み重ねてきています。国際大会でも各国の強者に勝利した経験があり、大会入賞を狙える位置にいます。2021年の五輪シングルスヨーロッパ予選では東京五輪の本戦出場権を得ることができました。
フォア表という特異な戦型で相手を翻弄するプレーを見せる、袁佳楠のプロフィールについて詳しく見ていきましょう。
プロフィール
袁佳楠は、1985年5月11日生まれの36歳(2021年5月時点)です。中国の鄭州市出身で、2000年から2002年までは中国のナショナルチームの一員として活躍していました。フランスに帰化してしばらくは国内の試合のみ参加していましたが、2019年からは世界ランキングに登録され、国際大会にも出場するようになりました。
国際大会では入賞歴こそ少ないものの、各国の実力者たちに勝利したことがあります。2019年にはドイツオープンで于梦雨(ユモンユ・シンガポール)に勝利すると、オーストリアオープンでブリット・エーラント(オランダ)に4-0で勝利しました。2020年のオマーンオープンではベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)とフルゲームに及ぶ熱戦を繰り広げ、最後は11-6で勝利しています。
フランス国内では2012年からほぼ毎年シングルスかダブルスのいずれかで優勝しているなど、フランスを代表する選手となってきています。
プレースタイル
袁佳楠は右シェーク表裏の前陣速攻型で、フォアハンドの表ソフトを活かしたスマッシュやフリック、回転量の多いバックハンドドライブが特徴です。
フォア表の選手の得意技はフォア前のフリックと、相手のドライブを利用したカウンター、そして低い打点でのスマッシュです。これらは表ソフトが裏ソフトよりも回転に対して鈍感であることからやりやすい技術となります。相手はその特性を理解し、バック側にボールを集めますが、袁佳楠はバックハンドのドライブに威力があるため相手はなかなか打ち抜くことはできません。
また、袁佳楠はハイトスサービスの使い手でサービスも回転がかかっているのでサービスエースを取ることもよくあります。そのほか、バックハンドのチキータやラリーにも安定感があるため相手からしてみれば対策の取りづらい選手です。
使用用具
袁佳楠の使用用具は、ラケットがBUTTERFLYのアウターカーボンラケット『ビスカリア』で、ラバーはフォア面にVICTASの表ソフト「スペクトル」シリーズを、バック面にBUTTERFLYの裏ソフト「ディグニクス」シリーズを使用しているそうです。
「スペクトル」シリーズは、かつてTSPで発売されていた『スペクトル』をベースにプラボールに合うように改良されたシリーズです。TSP時代の面影を残す『スペクトル S1』に対して、『スペクトル S2』『スペクトル S3』はハイテンション技術を導入し、よりスピードと変化を追求したラバーです。
「ディグニクス」シリーズは言わずと知れたBUTTERFLYの人気ラバーシリーズで、『ビスカリア』のようなアウターのALCラケットとの相性は良いです。
世界ランキング
袁佳楠の世界ランキングは95位(2021年5月時点)で自身最高ランクを更新しています。2019年には700位台でしたが、1年で一気に上昇し2020年には100位台前半にまで上ってきました。
フランス国内・国際大会での主な成績
2006年 | フランスTOP24 | 女子シングルス優勝 |
2012年 | フランス国内選手権 | 女子シングルス優勝 |
2013年 | フランス国内選手権 | 女子ダブルス優勝 |
2015年 | フランス国内選手権 | 女子シングルス優勝 |
2016年 | フランス国内選手権 | 女子ダブルス優勝 |
2017年 | フランス国内選手権 | 女子シングルス優勝 |
2018年 | フランス国内選手権 | 女子シングルス優勝、女子ダブルス優勝 |
2019年 | フランス国内選手権 | 女子シングルス優勝、女子ダブルス優勝 |
スペインオープン | 女子ダブルス優勝 |
まとめ
フランス女子代表を牽引する実力の持ち主が、五輪本戦で表彰台に上がることができるのか。今後の彼女の活躍に期待です。