文:ラリーズ編集部
今回は、ワールドカップで2度優勝、シドニー五輪銀メダリストのゾラン・プリモラッツ(クロアチア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
ゾラン・プリモラッツとは?
ゾラン・プリモラッツは、シドニー五輪で男子ダブルス銀メダリスト、ワールドカップでも2度優勝経験を持つ、クロアチアを代表する選手の1人です。五輪にも7大会連続出場したり、2016年の世界選手権にもクロアチア代表として出場したりと選手歴も長い選手です。
ゾラン・プリモラッツのプロフィール
ゾラン・プリモラッツ(Zoran Primorac)は1969年5月10日生まれの54歳(2023年12月時点)で、クロアチア(旧:ユーゴスラビア)のザダル出身です。
10代後半ながら1987年の世界選手権では2種目で入賞を果たすようになると、翌1988年のシドニー五輪では19歳で男子ダブルス準優勝を飾り、卓球界で当時最年少のメダリストの記録を打ち立てました。その後もダブルスや団体で上位入賞に貢献する中、1993年にはワールドカップにてシングルスの優勝をつかみ取りました。
世界選手権やワールドカップをはじめ、ヨーロッパ圏内の大会で表彰台に度々登ることが多いプリモラッツでしたが、2012年にはクロアチアの五輪委員会の副会長に選任され、大会の運営等にも携わるようになりました。2018年には、ITTFアスリート委員長に選ばれ、2022年まで務めました。
ワールドカップで2度優勝、五輪に7大会連続出場、五輪銀メダリストの称号を手にしたプリモラッツは、近年ではロシアの卓球クラブ「UMMC」でコーチングを行っています。
ゾラン・プリモラッツのプレースタイル
ゾラン・プリモラッツの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、前中陣のカウンター攻撃と、バックハンドの威力のある攻撃が特徴の選手です。
バックハンドでドライブを仕掛けることはもちろんのこと、相手からの攻撃に対しても前中陣でバックハンドのカウンターを決定打とする場面が多く、攻守ともに優れた技術力を持っています。バックハンドの威力は、カット主戦型でも抑えるのに一苦労するほどです。
一方でフォアハンドは、肩甲骨打法を駆使したコースの読みにくい打法で安定感があります。フットワークは飛びぬけて速いわけではありませんが、両ハンドの威力とバランスは高いレベルにあります。
ゾラン・プリモラッツの使用用具
ゾラン・プリモラッツはバタフライの契約選手で、ラケットはアリレートカーボンを搭載した特注で、ラバーは両面に『テナジー05』を使用していたそうです。また、かつてはバタフライから契約選手モデルのラケットとして、『プリモラッツ カーボン』が発売されていました。
>>【卓球】テナジー05の性能を徹底レビュー 抜群の安定感を誇る最強ラバーの魅力とは
ゾラン・プリモラッツの世界ランキング
2023年12月時点で、ゾラン・プリモラッツは世界ランキングを持っていません。2018年以降、世界ランキングには登録されていません。最高ランキングは2位(1998年2月)です。
ゾラン・プリモラッツの主な成績
1987年 | 世界選手権 | 男子ダブルス:銀メダル、男子団体:銅メダル |
1988年 | シドニー五輪 | 男子ダブルス:銀メダル |
1990年 | ヨーロッパ選手権 | 男子ダブルス:金メダル、混合ダブルス:金メダル |
1991年 | 世界選手権 | 男子団体:銀メダル |
1992年 | ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 |
ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル、混合ダブルス:銅メダル | |
1993年 | ワールドカップ | 男子シングルス:優勝 |
世界選手権 | 男子シングルス:銅メダル | |
1994年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス:金メダル |
ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 | |
1995年 | 世界選手権 | 男子ダブルス:銀メダル |
1997年 | ワールドカップ | 男子シングルス:優勝 |
ヨーロッパトップ12 | 男子シングルス:第3位 | |
1998年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銀メダル |
1999年 | 世界選手権 | 男子ダブルス:銅メダル |
カタールオープン | 男子シングルス:優勝 | |
2000年 | ユーゴスラビアオープン | 男子シングルス:優勝 |
カタールオープン | 男子シングルス:優勝 | |
2001年 | カタールオープン | 男子シングルス:優勝 |
2002年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル |
2005年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銅メダル |
2006年 | ロシアオープン | 男子シングルス:準優勝 |
2007年 | 韓国オープン | 男子シングルス:準優勝 |
2013年 | USオープン | 男子シングルス:第3位 |
まとめ
五輪メダリスト、ワールドカップ王者等名だたるタイトルを獲得してきたレジェンドが、現役世代にどのような刺激を与えるか。今後の彼の動向に注目です。