卓球発祥の歴史や起源を探る 発祥の地はエジプト、インド、フランス、イギリスと諸説あり | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:「テニスの原型」 ジュ・ド・ポーム/提供:ALBUM/アフロ

卓球プレーヤー向け 卓球発祥の歴史や起源を探る 発祥の地はエジプト、インド、フランス、イギリスと諸説あり

2021.07.09 文:若槻軸足(卓球ライター)

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」

今回は戦術の話題からは少し離れて、卓球の発祥の歴史というテーマでお話ししていく。

卓球の発祥の歴史

卓球の発祥の歴史を深堀りするにあたり、改めて色々と調べてみたが、「この地が卓球の発祥である」と断定することはどうも難しそうだ。どの時点で「発祥」と呼ぶのかの解釈によって、変わってくるからだ。

現代行われているような卓球の形になる遥か昔へと遡ると、そのルーツは紀元前のエジプトにたどり着いた。

紀元前 エジプトにて宗教行事としての球技

エジプトというと卓球のイメージは薄いかもしれないが、卓球のルーツとなったテニスは紀元前の頃からエジプトで行われていたという記述を見つけることができた。それは競技としてでも遊戯としてでもなく、宗教行事の一環で複数の人が一つのボールを打ち合うといった球技が行われていたというのだ。

紀元前15世紀の壁画にはこの様子が描かれている。今から3,400年も前から、卓球の起源となるものが行われていたというなんて、なんと壮大な話だろうか。

13世紀 フランスのジュ・ド・ポーム

13世紀のフランスでは、貴族が娯楽としてはじめた「ジュ・ド・ポーム」というものがある。フランス語で「手のひらのゲーム」を意味しており、ボールを手のひらで直接ボールをたたいて打ち合う競技である。

のちにラケット状の道具を使うようになり、やがてイギリスへと伝来され、その頃から「テニス」と呼ばれるようになったという。1908年のロンドン五輪でのみ公式競技として採用され、そこではアメリカの選手が優勝している。


写真:「テニスの原型」 ジュ・ド・ポーム/提供:ALBUM/アフロ

卓球の起源であるテニス、その起源はフランスの「ジュ・ド・ポーム」というものであった。このことからフランスが卓球の発祥の地だとする説が有力なのもうなずける。

ちなみにジュ・ド・ポームは屋内で行われていた競技である。卓球のルーツである屋外競技のテニス、そのルーツは屋内競技だというのだから、非常に興味深い。

インドの「ゴッシマテニス」

卓球の発祥の地はインドだという説も現時点で有力な説のようだが、その所以となるのが「ゴッシマテニス」の存在だ。これは屋内で行われていた遊戯で、テーブルの中央をネットで仕切り、セルロイド製ボールをラケットで打ち合って得点を競い合うものである。

このゴッシマテニスはいつの頃から行われていて、どういう経緯で生まれたのか、といった詳細な記述を見つけることはできなかった。ただ、1880年代にイギリスに伝わった、というのは有力な情報のようである。当初は貴族の遊びとして行われていたが、次第に現在の卓球に近い形へ変わっていくことなったようだ。

イギリスでテニスから卓球へと派生

19世紀後半、イギリスでは国民的競技として、テニスが盛んに行われていた。にわか雨の降る日が多い気候のイギリスでは、しばしばその度に小休止するということになる。その雨が上がるまでの暇つぶしとして、屋内で卓上でテニスのボールを葉巻の箱の蓋で打ち合っていたという。


写真:テニスを楽しむ人々(1902年)/提供:Mary Evans Picture Library/アフロ

これがまさしく「テーブルテニス」と呼ばれるようになり、しだいにテーブルテニス用のボールやラケットが作られるようになっていったという。

イギリスでは、インドのゴッシマテニスの伝来が起源だとする説と、テニスのプレイヤーが雨の間にやむを得ず屋内の卓上でテニスをしたものが卓球へと派生したという説の2つが混在している。

どちらも時期的には近いので、おそらくどちらかが正しいというものではなく、どちらも正しいと考えておくのがいいのだろう。

1902年 日本へ伝来

卓球が日本へ伝わったのは、1902年に東京高等師範学校教授の坪井玄道(かねみち)によって、イギリス留学から日本へ帰ってくる際に、ルールブックとラケット、ボールを10セット持ち帰ったのがきっかけだとされている。

1899年には岡山で、1900年には横浜ですでに行われていたという記録も残っているが、全国に急速に普及していったのは、坪井玄道の功績と考えて間違いないだろう。

その後1938年に初めて日本で国際大会が開催された。1952年の第19回世界選手権大会では、初めて日本選手が国際舞台に登場し、男子シングルス・男子ダブルス・女子団体・女子ダブルスの計4種目に優勝するという鮮烈なデビューとなった。

1954年の世界選手権大会では、男女共に団体優勝、さらに男子シングルスでも優勝を飾り、その後10年間は「卓球王国日本」として華々しい活躍を見せた。その後1961年大会のころから中国勢が登場し、現在も卓球王国の覇権を中国が握っているというは、皆さんご存知の通りだ。

1988年 ソウル五輪にて初めて卓球競技が登場

これだけ歴史の深い卓球という競技だが、五輪種目として採用されたのは意外と最近なのである。そこでは男子シングルスで韓国の現代表監督である劉南奎氏が優勝を飾る。


写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

2021年の東京大会では、日本選手の活躍で中国の牙城を崩すことができるのか、はたまた他の国が頂点に立つのか、注目が高まるばかりである。

まとめ

いかがだっただろうか。今回は卓球の発祥の歴史についてお話してみた。諸説あるので断定したことは言えないのが心苦しいが、まとめると、

エジプト… 紀元前から球技全般の元となる宗教行事
フランス… 13世紀からあるジュ・ド・ポーム
インド…  遊戯として行われていたゴッシマテニス
イギリス … 雨天時の暇つぶしとして行われた卓上でのテニス

これらのいずれかが卓球発祥の起源だと言えるだろう。今回の内容には不確かな情報や曖昧な記述もあるので、情報の信憑性はある程度までしか保てないし、今後の研究によって新たな事実が判明することも十分に考えられる。

いずれにせよ、私達が日頃楽しんでいる卓球というものが、遥か昔から行われてきた非常に歴史の深い競技であるということは紛れもない事実である。そしてこれからの歴史を作っていくのは、私達プレイヤーである。過去に思いを馳せながらも、未来に向かって着実に歩んでいこう。

若槻軸足インタビュー記事

>>『頭で勝つ卓球戦術』シリーズ著者・若槻軸足が社会人で全国5回でられたワケ

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