大槻愛花(福知山成美高校)の用具紹介|俺の卓球ギア#70 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:大槻愛花の卓球ギア/提供:大槻愛花

卓球用具紹介 大槻愛花(福知山成美高校)の用具紹介|俺の卓球ギア#70

2020.09.02

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

卓球人のこだわりグッズを紹介する「俺の卓球ギア」。

第70回となる今回は、2020年8月に行われた京都府高等学校卓球選手権大会(夏期大会)女子シングルスで優勝した前陣異質攻守型の大槻愛花(福知山成美高校3年)の卓球ギアを紹介する。

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大槻愛花の卓球ギア

戦型
 右シェーク裏粒前陣攻守型
ラケット
 DYNA SEVEN(FL・VICTAS)
ラバー
 フォア:キョウヒョウプロ3ターボオレンジ(特厚・Nittaku)
 バック:カールp-1Rソフト(特薄・TSP)
ウェア
 福知山成美高校のユニフォーム
こだわりのもの
 卓球ノート、お守り
※ギアは2020年8月時点のもの

最後のインターハイが中止も 代替大会で見事優勝

2020年、夏、史上初のインターハイ中止が決まった。インターハイに懸けて努力を重ねてきた高校生たちは、やりきれない思いを抱えていたことだろう。福知山成美高校3年の大槻もその一人だ。

「私はインターハイに一度も出場したことがなかったので、高校3年生最後のインターハイで出場権を獲得し、良い成績を残すことを最大の目標として頑張ってきました。しかし新型コロナウイルスの影響でインターハイがなくなり、目標を失ってしまいました」。


写真:大槻愛花(福知山成美高校)/撮影:ラリーズ編集部

そんな中、「少なくとも3年生を救済する試合をできないか」とインターハイ常連の東山高校卓球部・宮木操監督が中心となり、8月に高校総体の代替大会の京都府卓球選手権大会(夏期大会)が行われることとなった。

失意の中にいた大槻は「代替試合が開催されると聞き、この試合で優勝するという目標を持って日々練習に励みました」と最後の大会に向け再び立ち上がった。女子シングルス第1シードとして臨んだ大槻は、準決勝でフルゲームの激戦を制すなどし優勝を飾った。


写真:大槻愛花(福知山成美高校)/撮影:ラリーズ編集部

「プレッシャーもありましたが、試合ができる喜びを感じながら、家族や指導者の方に感謝をもって楽しくプレーすることができました。優勝したことで自信を持つことができ、今までお世話になってきた方々に恩返しをできました」。しみじみと振り返る大槻は、夏季大会が今までの卓球人生の中で一番印象に残る大会になったと振り返る。

「卓球を続けようか迷った」高校での挫折

大槻は、京都府福知山市の福卓クラブで卓球を始め、中学からは地元を離れ腕を磨いていた。だが、高校途中で地元の福知山成美高校に転校した。


写真:大槻愛花(福知山成美高校)/撮影:ラリーズ編集部

「卓球で辛いことが起こり、卓球さえ辞めてしまえばその辛さから解放されると思いました。卓球から3ヵ月ほど離れてもいました。福知山成美高校で卓球を続けようか迷っていましたが、今までお世話になってきた指導者や家族に恩返しができていないと思い、もう一度卓球に真剣に取り組んでみようと決心しました」。


写真:ガッツポーズを見せる大槻愛花。背中でチームを引っ張る/撮影:ラリーズ編集部

そこから大槻は、近畿高等学校卓球選手権大会でチームをベスト8に導き、京都府の秋季大会ではシングルス優勝、2020年の全日本ジュニアに出場と輝かしい成績を残した。

前陣異質型・大槻のこだわり

大槻が使用する用具は、DYNA SEVEN(FL)にフォア:キョウヒョウプロ3ターボオレンジ(特厚)、バック:カールp-1Rソフト(特薄)だ。前陣異質攻守型の大槻は、変化の差でチャンスつくり決定打を放つプレースタイルで、ラケットもラバーも比較的弾みを抑え、安定を重視した用具を選択している。


写真:バックの異質ラバーで変化をつける大槻愛花(福知山成美・3年)/撮影:ラリーズ編集部

「中学からずっとファスタークG-1を使用していました。ただ、私は打ち抜くスタイルではないので、弧線を作れ安定感があることと球質の変化で得点できることからキョウヒョウを使うことにしました」とフォアラバーの使用理由を明かした。


写真:多彩なサーブを持つ大槻愛花/撮影:ラリーズ編集部

転校前は一時期カットマンをしており、転校後、表ソフトを使用した攻撃的なプレースタイルに変更したが、プレーの安定性が欠けることが悩みだったという。

「調子の波が激しく、安定したプレーができませんでした。粒高を使ってみると安定感が増したので粒高に戻しました。表や半粒、スポンジの厚い粒高を使用していたこともありますが、自分が攻めるときや相手の威力のあるボールに対してコントロールが効かなかった。そこでスポンジを薄くすると、木で打つ感覚が私に合い、攻守ともに安定しました」。試行錯誤の末、今の戦型に落ち着いたと明かす。

名言が記されたこだわりの卓球ノート

大槻が愛用品としてあげたのは、卓球ノートとお守りだ。

卓球ノートには、日々の練習記録や対戦相手の対策はもちろん、心に残る名言も記されている。大槻は2つ印象的な名言があると教えてくれた。


写真:大槻愛花(福知山成美・3年)/撮影:ラリーズ編集部

「1つ目は『努力は必ず報われるわけじゃない。でも努力をせずに天才にはなれない』。努力をすれば必ず勝てるわけではないけど、諦めずに努力し続ければいつか必ず勝つことができると思い、辛いときも頑張れました。2つ目は『今できることを笑顔で楽しくすること』。試合本番では緊張してしまうけど、今自分ができることでしか戦うことができない。試合できることを楽しんで戦おうと思えました」。


写真:決勝戦を戦う大槻愛花(福知山成美・3年)/撮影:ラリーズ編集部

「私の知らない間に作ってくれていました」というお守りは後輩たちからのプレゼントだ。「お守りのお陰で高校最後の大会を優勝することができたと思います。高校3年のときには1人でしたが、苦労したことはそれほどありません。一人一人集中して練習に取り組んでくれて、お互いレベルアップすることができました」と感謝を述べる。


写真:大槻愛花(福知山成美・3年)/撮影:ラリーズ編集部

福知山成美高校卓球部ただ1人の高校3年生として戦った大槻を支えたのは、後輩たちだった。大槻は最後にその後輩たちにメッセージを贈った。

「コロナや暑い日が続く中、よく頑張ってきました。今大会でも内容や結果を見て全員の成長を感じる試合だったと思います。これからもチーム一丸となって良い結果が出せるように頑張って下さい。一緒に頑張ってくれてありがとうございました!

大槻愛花
写真:表彰式では笑顔を見せた大槻愛花/撮影:ラリーズ編集部

夏季大会の決勝戦後、「大学でも卓球をするつもりなので、優勝したことを自信に変えてこれからも楽しんでいこうと思います」と清々しい笑顔で語った大槻。挫折を乗り越え、後輩たちの想いを胸に勝ち取った優勝が大槻のこれからの卓球人生を支えていく。

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