卓球×SNS 【異論反論大歓迎】「卓球を知らない人に伝えたい!スゴ技」で打線組んだ ver.2
2018.12.30
文:ラリーズ編集部
皆様は覚えているだろうか。昨年末、ラリーズ編集部内で大議論になった、この企画を。
「誰のどのプレーが一番すごいのか」である。卓球ファンを一人でも多く増やすべく、日夜卓球メディアの運営に奮闘する中、しばしばモメるのがこのテーマである。
そう、やってきたのだ。この季節が。2018年の主要大会も終わり、今年もたくさん素晴らしいプレーを見せてもらった。その最前線にいた我々編集部が全力を挙げて、数々の卓球動画から選んできたとっておきの打線が完成した。もちろん、昨年同様、異論反論は大歓迎だ。皆さんの思う「最強の打線」について、ぜひご意見頂戴したい。
Rallys編集部が選ぶ「『卓球を知らない人に伝えたいスゴ技』で打線組んでみた」 ver.2
1(左)刮目せよ!中国の新星・王楚欽の高速サーブ
写真:トルルス・モアガド(スウェーデン)/撮影:ittfworld
概要:ユース五輪2018 男子シングルス準々決勝 王楚欽 vs トルルス・モアガド
ユースナンバーワン決定戦、ユース五輪の男子シングルス準々決勝、中国の次世代エース、王楚欽と、ワルドナー2世との呼び声高いトルルス・モアガドの一戦。モアガドは昨年の世界ジュニア準優勝の実力者とだけあって、接戦となる。緊迫した状況で、王楚欽が繰り出したのは超高速のロングサーブ!そのサーブはモアガドのフォアサイドをあっさりと抜き去った。待って、見えない。そんな表情のモアガド。昨年1番を担当した酒井明日翔もびっくりなのではないだろうか。(こちらの動画は是非ご自身で探してみてほしい。)
2(中)絶対取れない!?ゴジの爆速横入れチキータ
写真:ゴジ(フランス)/撮影:ittfworld
概要:ITTF男子ワールドカップ ゴジ vs イサンス
男子の上位選手が集い、しのぎを削る男子ワールドカップ。ゴジvsイサンスという玄人好みの対決でスーパーチキータが繰り出された。マッチポイントを握ったイサンスはゴジのチキータを警戒し、バックサイドに大きく切れていく横回転サービスを放つ。これに対して、ゴジはしっかりと足を動かし、待ってましたと言わんばかりにフルスイングのチキータ。この爆速チキータが、ネットサポーターの横を通り抜けてコートに突き刺さり、誰もが納得のスーパープレーとなった。
3(捕)両利きですか?鮮やかなスイッチハンド
概要:2017地表最強12人 丁寧 vs 馮亞蘭
一昔前までは、女子卓球といえば、前陣速攻で決める、繊細な卓球が多かったが、近年は「男性化」が進んでいると言われている。その顕著な例がこれだ。最強・中国のさらにトップを決める「地表最強12人」、現世界女王の丁寧と、馮亞蘭の対戦。丁寧はロングサーブから馮亞蘭を後陣まで下げさせ、ガラリと空いた馮亞蘭のバックサイドに強烈なドライブを叩き込み、これは勝負あったと思われた。しかし、馮亞蘭は何を思ったかラケットを左に持ち替え、思い切り飛びつきフォアハンド(左)。そのボールは丁寧のフォアサイドを見事に切り、そのコースに決まるか…というような鮮やかなショット、丁寧も“困惑”の表情。女子卓球も見どころたっぷりだ。
4(三)競技が違う…!カルデラノの両手バックハンド
写真:カルデラノ(ブラジル)/撮影:ittfworld
概要:ITTFワールドツアープラチナ・グランドファイナル準決勝 張本智和 vs ヒューゴ・カルデラノ
今年のワールドツアー王者を決める一戦、グランドファイナルで世界ランキング1位を破り準決勝に進出してきたブラジルのエース、カルデラノ。張本に2ゲームを連取され、流れを失いかけた第3ゲームのファーストポイント、張本のフォアストレートの攻撃に対してロビングを上げることしかできなかったカルデラノ。このポイントも張本か、、そう思った瞬間、後陣からカルデラノがテニスを彷彿とさせるような両手バックハンド(⁉)で反撃、まさかのボールに張本は反応できなかった。いや、両手でバックハンドを打つなんて習ってないぞ…テニスですか…予想外のボールに試合の流れが傾きかけた一球であった。
5(一)ピンチから一転、アポロニアのおしゃれカウンター
写真:アポロニア(ポルトガル)/撮影:伊藤圭
概要:10/26Tリーグ T.T彩たまー岡山戦 2番 アポロニアvs?田雅己
いよいよ開幕したTリーグでも数多くの名ラリーが生まれた。中でも開幕後すぐに注目を浴びたのがアポロニアのワンプレーだ。大きいラリー展開になり、ラリーの主導権を握ったのは?田だったが、アポロニアが高く高くロビングを上げて時間を作る。?田がそのボールをバックにスマッシュすると、アポロニアがなんとそのボールをバックハンドで華麗にカウンターしたのだ。スマッシュがバックに来ると予測したアポロニアの予測能力の高さが光ったプレーになった。
6(遊)これぞ欧州卓球、エンターテイナー、ステファンの多彩な技をご覧あれ
写真:マルコス・フレイタス(ポルトガル)/撮影:ittfworld
概要:フランスリーグ ステファン・ウォシュ vs マルコス・フレイタス
ここで、ラリーズ編集部らしく、マニアックなラリーをお見せしよう。フランスリーグの一戦から、T.T彩たまのアポロニアと共にポルトガルを牽引してきたエースであるフレイタスと、フランスのステファンの一戦からだ。このラリーはまさに欧州卓球の魅力を凝縮したといえるだろう。欧州卓球は日本や中国などのアジア各国に代表されるような前陣での高速卓球とは正反対で、台から離れて粘ったり、変化をつけたり、独創的な卓球をする選手が多い。このラリーでも、フレイタスが決めたかと思われたボールを何球も何球もステファンが後陣で粘る。最後は攻撃型のステファンがまさかのカット。強烈なバックスピンのかかったボールにたまらずフレイタスはボールを入れるだけの甘い球になってしまう。そこを予測したステファンは台に向かって猛ダッシュ。美しいバックハンドで甘いボールを撃ち抜いた。これぞ欧州卓球。魅せる卓球なのだ。
7(右)マティアス・ファルクの神ボールタッチ
写真:マティアス・ファルク(スウェーデン)/撮影:ittfworld
概要:ITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープン マティアス・ファルク vs ヒューゴ・カルデラノ
今回の打線も4番、サードにランクインしたカルデラノ。敵なしと思われたカルデラノに一矢報いたのはスウェーデンのエース、マティアス・ファルク。カルデラノがファルクのフォアサイドを切るような厳しいコースに3球目攻撃。これは繋ぐことしかできないか、と思われたボールを柔らかなボールタッチで強烈な回転を見事に押さえ込み、カルデラノのコートにノーバウンドで運び込んだ。マティアスの巨体からは想像できない繊細なボールタッチが伺えた一球であった。
8(ニ)守りの神・サムソノフが見せた超絶ブロック
写真:サムソノフ(ベラルーシ)/撮影:picture alliance(アフロ)
概要:ITTF男子ワールドカップ サムソノフ vs 樊振東
男子ワールドカップでは、世界ランク1位の樊振東とベテランのサムソノフが相見えた。圧倒的な攻撃力で世界トップを走る樊と、神ブロックを幾度となく見せてきたサムソノフの対戦、スーパープレーが生まれないはずがない。案の定、3ゲーム目のゲームポイントを握った場面でスーパープレーが生まれた。サムソノフが樊をフォアに大きく動かすと、樊はサムソノフの空いたバックへ高速ドライブを放つ。サムソノフはなんとか手を伸ばしボールに触れると、ボールは樊から逃げていくように曲がりながら見事にコートに着弾。守りの神がまたひとつ伝説のブロックを生み出した。
9(投)必殺、みまパンチ
写真:伊藤美誠(スターツSC)/撮影:千葉格(アフロ)
概要:世界卓球2018女子団体決勝 1番 伊藤美誠 vs 劉詩雯
今年のスーパープレーで国内卓球ファンの目を釘付けにしたのが、伊藤美誠が世界卓球決勝で放ったみまパンチだろう。流れを作る団体戦の1番で出場した伊藤は、劉相手に2-2のフルゲームに持ち込んだ。最終ゲームの出だしは思うようにいかず、1-5とリードを許してチェンジコートをすることに。この場面でも不運なことに、劉のドライブがネットにかかり入ってしまう。なんとか伊藤が返球したが、かなり高い球になってしまい、劉のチャンスボールになった。「万事休す」誰もがそう思うこの瞬間だったが、伊藤はすばやく動き、必殺・みまパンチで見事にカウンターをしてみせた。そしてこのプレーで流れをつかみ、劉を下したこの試合は多くのファンの記憶に残ったことだろう。