文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)

見どころ

毎年3月に東京体育館(千駄ヶ谷)で行われる卓球の全国大会「東京選手権」。

その2017年ジュニアの部準決勝で、優勝候補である世界ランク94位の木原美悠(JOCエリートアカデミー所属)が全国的には無名のカットマン中島彩希(さき)に敗れる波乱があり、会場がどよめいた。中島はその後の決勝でも勝利し、ノーシードから見事に優勝を果たした。

近年ではカット技術の低さをサーブ力や攻撃力でごまかすカットマンが多いが、中島はカット技術を極めた守備範囲の広い好選手である。

木原の前後左右への揺さぶりに対し、しっかり動いて拾う。そして低く変化のついたカットを相手コート深くに入れていく。

この一見単純なことを徹底して出来るようになるには、相当なトレーニングが必要であり、中島の積み重ねてきた努力が垣間見える。

中島はこの高いカット技術をベースとし、今後攻撃力が更についてくると世界でも戦える存在になれるだろう。

勝負を分けたこの1本

3分6秒〜3分49秒:2セット目1-1からカットマンの中島が3本連取し4-1とした場面。

※ページトップと同一の試合動画について、再生開始箇所を調整してお送りします。

注目ポイントは2つある。

1つめは中島のラケットの反転技術。

中島はフォアに回転のかかる赤い裏ソフト、バックに変化を生む黒い異質ラバー(アンチラバー)を使用。

赤でフォアカット、黒でバックカットをしていくのを基本スタイルとしているが、ラリー中にラケットを反転し、黒でナックルのフォアカットをしたり、赤で切れたバックツッツキを送るなど変化をつけるのが絶妙にうまい。これにより相手は中島が次にどんなボールを送ってくるのかが予測しづらく混乱をする。(この3本だけでも反転して打球している回数が10回近くある。)

2つめはネットインの多さである。

一般的にカットは低くて深いと相手に打たれにくいと言われる。
質の高いカットが出ているかどうかの指標の一つとしてネットインの回数を見ればよい。
中島の場合、カットが低いのでネットインが多い。(この3本でネットイン2本。)

そして4-1とした場面では木原が空振りをするほど、カットの台上での変化が大きい。
(従来カット自体はスピードが遅いため相手が空振りしにくいが、回転量が多いと弾み方が普通のカットと変わるため、空振りを誘える。)

この3-1,4-1と試合の前半にリードできたことは大きい。相手の攻撃選手が萎縮して思い切ったプレーがしにくくなるためだ。

この1-1からの3本でカットマンにとって理想的な展開を作れたと言える。

厳しい練習で磨かれたハイレベルなカット技術が全国の舞台で花開いた瞬間である。

試合情報

大会名:第69回 東京卓球選手権大会 女子ジュニア 準決勝
選手名:中島彩希(敦賀高/福井) 対 木原美悠(ALL STAR/兵庫)
大会種別:個人戦、シングルス、国内、ジュニア
試合結果:中島3-0木原
配信元のフルバージョン動画を見たい方はこちら

協力:LaboLive

【推奨】YouTubeの環境設定について

再生動画の画質は、原則としてインターネットの環境設定に左右されます。
通信が安定するまでの間、画質が粗いケースがございますが、通信が安定したタイミング(10秒〜数十秒後)に画質が改善されるケースがございますので、暫時お待ちいただくことをお勧めします。

通信が安定した状況化にて再生動画の画素が粗い場合には、動画再生ページの右下「設定」ボタンより、「1080p(HD)」を選択いただくと、画質が改善される可能性がございますので、お試し下さい。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう