8人中5人が全国ランク経験者 一般入試の選手も所属する青山学院大学女子卓球部に潜入 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:青山学院大学女子卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー 8人中5人が全国ランク経験者 一般入試の選手も所属する青山学院大学女子卓球部に潜入

2022.01.14

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

年始の箱根駅伝で話題を呼んだ青山学院大学。実は女子卓球部も全国屈指の強豪校だ。

2019年には、石川佳純(全農)の妹である石川梨良を擁し、全日本大学総合卓球選手権大会・団体の部で3位、関東学生秋季リーグでは優勝、全日本大学総合卓球選手権大会のダブルスでは熊中理子(現・キヤノンメディカルシステムズ)/三條裕紀(現・昭和電工マテリアルズ)が優勝を果たしている。

現在もマネージャーを含め8人ながら、全国ランク経験者が半数以上を占めている。2021年4月から新たに就任した今西健太郎監督と新主将の宮﨑翔(青山学院大学3年・四天王寺高校出身)に青山学院大学卓球部について話を聞いた。


【青山学院大学女子卓球部】関東学生リーグ1部に所属する卓球強豪校。石川佳純の妹・石川梨良を擁した2019年秋の関東学生リーグでは19年ぶりの優勝を飾った。また、熊中理子/三條裕紀ペアが2019年全日学女子ダブルスで優勝している。各学年2~3人と少数精鋭で戦っている。

28歳の若き新監督が就任


写真:指導する今西健太郎監督(青山学院大学) 東山高校→同志社大学と関西の名門校出身の28歳/撮影:ラリーズ編集部

――いつから監督になられたんですか!?
今西健太郎監督:2021年の4月の終わりくらいですかね。

出身校である同志社大学の大先輩から突然連絡をいただき、「青学卓球部のOB会長さんが次期監督の適任はいないか探している。今西を推薦しているが、どうか。」といった内容でした。後日、改めてその先輩とOB会長と3人で諸々のお話をさせてもらい、監督就任をお受けした、という経緯になります。

――大学卓球部の監督専業というわけではないですよね?
今西健太郎監督:基本は会社員としてやっている中で半分趣味ですけど選手としてもやりつつ、今回の話をお受けした形になりますね。

まだまだ指導歴も浅いので、選手と年齢も離れていないところを活かしながら、同じ目線に立って一緒に悩みながらやっていけたらなと思っています。


写真:インカレでもベンチに入った今西健太郎監督(青山学院大学)/撮影:ラリーズ編集部

――指導する上で大事にしている点はありますか?
今西健太郎監督:卓球は基本的に一人でやることの方が多いスポーツなので、自分自身が自分自身の最大のコーチであるべきだ、ということを大事にしています。

また、私は東山高校出身なので、そこで受けた指導は結構根底にあって、理詰めで物事の背景とか意図を理解して、自分の中で腹落ちをさせてから練習をやり込むということに重きを置いています。


東山高校では大島祐哉(木下グループ)と同級生だった今西健太郎監督

今西健太郎監督:ただ一つの事象を見るだけではなく、その理由や背景、経緯も踏まえて伝えることで納得して取り組んでもらう。そうすることで、習得スピードが全く違います。

意図を持ってやってみて、ダメだったら変える、うまくいったらそのままやると、できるだけ短いサイクルでPDCAを回していけるような指導を目指しています。


写真:庄易(青山学院大学2年・富田高校出身)/撮影:ラリーズ編集部

一般生も混じった少数精鋭の青山学院大学卓球部


写真:主将を務めた秋山星(青山学院大学4年・愛み大瑞穂高校出身) インターハイシングルス3位/撮影:ラリーズ編集部

――部員はマネージャーを合わせて8人とかなり少数精鋭ですね。
今西健太郎監督:限られた人数で戦っているのは1つ特徴ですね。

スポーツ推薦の選手だけでなく、一般生も半分近く混じって一緒にやっているのも大きい特徴かなと思います。


写真:インターハイダブルス準優勝の実績を持つ杉本恵(青山学院大学4年・横浜隼人高校出身)/撮影:ラリーズ編集部

――一般入学の選手もいるんですね。
今西健太郎監督:青山学院大学はスポーツ推薦入試制度が厳しく、各年代に一人ないし二人で、基準は種目は問わずで全国ベスト8以上。加えて、評定もある程度必要となってきます。

なので、スポーツ推薦以外の選手も多く集まって欲しいなと思っています。一般生とスポーツ推薦の選手が入り混じって、主体的にやれる選手が集まってくれるチームになればと思っています。


写真:小林莉歩(青山学院大学1年・大成女子高校出身) インターハイダブルスベスト8の実績を持つ/撮影:ラリーズ編集部

インハイ優勝の新主将・宮﨑翔に聞く青学の特徴

ここで現主将の宮﨑翔(青山学院大学3年・四天王寺高校出身)にも話を聞いた。


写真:宮﨑翔(青山学院大学) 2018年のインターハイでは女子学校対抗優勝/撮影:ラリーズ編集部

――宮﨑選手が青学に入ろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?
宮﨑翔:人数が少ないので、リーグ戦などの団体戦でも試合に出やすいのが一つ大きな理由としてあります。また、私が小学校のときにクラブチームの恩師が青学出身というのも一つ大きな決め手になりました。
――入ってみてのイメージはどうでしたか?
宮﨑翔:シンプルに意外と練習するなと思いました(笑)。
――正直で良いすね(笑)。
宮﨑翔:人数も少なくてあまり練習していないのかと思っていたんですが、しっかりやっていますし、自由ながらもオンオフがはっきりしてると感じました。


集合写真のポーズ決めで盛り上がる部員一同

――自由な部分は青学の良いところの1つですよね。
宮﨑翔:大学生は一番時間が自由に使えます。そこで卓球だけに縛られるのではなく、社会に出る一歩手前の段階で勉強も含めて多く学べるのが青学の良さかなと思っています。

――宮﨑選手はスポーツ推薦での入学ですが、一般生も混じっての部活というのはどうですか?
宮﨑翔:一般生の選手は、すごいサポートに回ってくれます。試合前だと「練習時間全部使って良いよ」と時間を作ってくれたり、気遣いがすごいなと感じます。

団体戦でも、飲み物の準備や移動など、試合以外でサポートしてもらっていて、彼女たちのためにも頑張ろうと思えますし、メンタル的な面も含めて大きな存在です。

「自分で考えて動く」ことが大学卓球の真髄

再び今西監督に話を聞く。


写真:インカレでの今西健太郎監督(青山学院大学)/撮影:ラリーズ編集部

――今後の方針などはどうお考えですか?
今西健太郎監督:そもそもですが、大学生は社会に出る一歩目だと思うので、人としての立ち居振る舞いをすごく大事にしていきたいと思っています。

社会人になって2年3年、5年10年経って「青山学院で4年間過ごしてきてよかったな」と思える4年間を過ごしてほしいと思っています。私自身が同志社大学で4年間やって本当に良かったなという思いがあったので、結果的にそういう思いになってくれれば嬉しいです。


写真:今西健太郎監督(青山学院大学)/撮影:ラリーズ編集部

――ご自身の大学卓球生活も指導には活きていますか?
今西健太郎監督:自分の学生経験を踏まえても、「自分で考えて動く」ことが大学卓球の真髄だと痛感しています。

誰からも言われない年齢になってきているので、今の自分にとって何が必要なのか、周りから何を求められているのか、何をすべきなのかを、自分で気づいて考えて行動に移せる。それが大学卓球で伸びる選手だと思うので。

指導の中で、できるだけ気付かせられるような言動行動をしていきたいと思っているので、なかなか簡単にできることではないんですけど、何かのきっかけを作ってあげられればなと思っています。


写真:青山学院大学女子卓球部練習の様子/撮影:ラリーズ編集部

東山高校、同志社大学と関西の名門校で卓球をプレーし、今は一社会人の今西監督と、高校時代の実績を引っ提げてスポーツ推薦で入部する選手、高いレベルでやってみたいと門を叩く一般入部の選手たちがどう化学反応を起こすのか注目だ。

【動画】青山学院大学に潜入!

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