勉強と卓球の両立を目指し、性格も明るい選手が集う 同志社大学卓球部女子に潜入 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:同志社大学卓球部女子のメンバー/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー 勉強と卓球の両立を目指し、性格も明るい選手が集う 同志社大学卓球部女子に潜入

2022.01.18

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

大学卓球界では関東勢の強さが目立つ。しかし、同志社大学卓球部の女子は、全国でも上位に入る強豪校だ。

2015年の全日本大学総合選手権大会(団体の部)では準優勝、2016年の全日本大学総合選手権大会(個人の部)では成本綾海(現・中国電力)が女子シングルス優勝と、全国の表彰台にも登っている。

玉石美幸(現・エクセディ)、成本綾海(現・中国電力)、塩見紗季(現・愛媛銀行)ら、実業団選手も輩出している同志社大学卓球部女子の練習にお邪魔し、久保陽監督と主将の山本真由(同志社大学3年・就実高校出身)に話を聞いた。


【同志社大学女子卓球部】関西学生リーグ1部に所属する卓球強豪校。2015年の全日本大学総合選手権大会(団体の部)では準優勝。2016年の全日本大学総合選手権大会(個人の部)では成本綾海(現・中国電力)が優勝。2012年から18年までの7年間で関西学生リーグ8回優勝。

7年間で8回、関西学生リーグ優勝

――関西だけでなく全国でもトップクラスの実績を持つ同志社大学卓球部の女子ですが、いつから強くなったのでしょうか?
久保陽監督:1985年くらいから関西で有力な選手がスポーツ推薦で入ってくるようになってからですね。最初は関西学生リーグ4部でしたが、1988年に1部に上がりました。


写真:本井明梨(同志社大学1年・四天王寺高校出身) インターハイダブルス優勝の実績を持つ/撮影:ラリーズ編集部

――久保監督はその頃から指揮を?
久保陽監督:私自身は1977年に同志社大学を卒業しまして、1980年頃から大学のコーチをやるようになりました。ただ、就職してすぐだったので、試合の時だけ行く感じでした。

それでは強くならなかったので、専念しようということで2007年に会社を辞めまして、その後時間もできて全国でも活躍できる選手をスカウトして上手く入ってくれて、2012年の秋の関西学生リーグ戦で初優勝しました。嬉しかったですね。


写真:久保陽監督(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部

――2012年、私は大学1年生でした。そこから関西学生リーグで同志社大学がよく優勝しているのを見てましたので、2012年が初優勝だったとは意外でした…。
久保陽監督:2012年から18年までの7年間で関西リーグでは8回優勝していますからね。一番強かったときかなと。
――全国でも活躍してましたね。
久保陽監督:2013年、14年は2年連続インカレベスト8にも入りました。

ただ、ベスト8とベスト4は大きな違いがあって、ベスト8は表彰式ではキャプテン一人が隅の方に座っているだけですが、3位以上になると全選手メダルをかけてもらえます。これはメダルを取らないと面白くないなと。

そして、2015年インカレでついに準優勝できました。この時高橋真梨子(元・十六銀行)、浜畑保菜美、成本綾海(現・中国電力)、政本ひかりの4人で決勝まで行きましたね。


成本綾海(中国電力) 現在も実業団の第一線でプレーする

――そうそうたるメンバーが揃ってましたね…!

「お金を集めるのは監督の責任」


写真:練習前のアップの様子/撮影:ラリーズ編集部

――同志社大学卓球部の特徴はどういうものでしょうか?
久保陽監督:卓球面では、中学・高校と良いところで指導を受けて自らやる癖も付いているので、できるだけ自由にやってもらって、その中でルールとマナーだけはちゃんと守ってもらう感じです。

学業については厳しい大学なので、単位取得状況なども大学にチェックされます。あまりにも悪いと勧告を受けますが、今のところほとんどありません。総じて真面目に卓球をしっかり取り組む学生ばかりと思います。


原田夏鈴(同志社大学1年・横浜隼人高校出身)

――監督として大事にしているのはどういう部分でしょうか?
久保陽監督:大切にしていることは学生の意見です。こういう風にしたいという学生の意見からスタートしていきます。

昔は私がごちゃごちゃ言ってたんですが、あまり効き目もなく、キャプテンからみんなに言うと反応が早いので、最近はキャプテンとのコミュニケーションを密にしています。

最後に資金集めですね。やっぱりお金がないと動けないので、大学やOB会の方からも援助いただき、上手く学生の負担が少ないようにお金を集めるのは、監督の責任かなと思っています。


主将を務める山本真由(同志社大学3年・就実高校出身)

同志社大学卓球部に入るためには?


写真:三浦千緋呂(同志社大学2年・四天王寺高校出身)/撮影:ラリーズ編集部

――高校生で同志社大学卓球部に入りたいという選手もいると思います。どういう選手が合うのかやどういう選手が来てほしいかなどを教えてください。
久保陽監督:「何としても同志社に入りたい」と思って来てくれる選手が多いんですよ。同志社に行きたい理由がはっきりしている人は良いですよね。

「卒業後にこういう仕事がしたいのでこんな勉強がしたい」と堂々と言ってくる高校生がいるんですけど、そういう人はほとんど受かってますね。


松島由佳(同志社大学2年・御影高校出身) メディア系の仕事を志望し、メディア学科に入学したという

久保陽監督:逆に受からないパターンは「先生に行けと言われました」などです。

また、同志社の特徴は、大学のマークにもあるように「知・徳・体」のバランス。勉強もできて性格も良くて卓球もきちんとやるというバランスの取れた選手が良いです。

――具体的に入るにはどういう制度があるのでしょうか?
久保陽監督:100%入れる枠はなくて、ほとんどが自己推薦や公募制に自分で応募して受けてきます。

4つほど学部があって、その中で卓球の成績が良い人が少し有利な学部や、全国に出ただけだけど勉強ができる人が入りやすい学部など特徴があるので、その辺を本人の希望を聞きながら進めてやっています。


写真:前田絢香(同志社大学3年・高田高校出身)/撮影:ラリーズ編集部

――現役の学生からサポートもあると伺いました。
久保陽監督:うちの場合は、入学前に学生に勉強や面接の仕方など色々指導を受けています。

入学後はまた自分が下に教えるということが引き継げているので、結構高い確率で志望した選手は受かっていますね。

「関東のレベルで練習しないといけない」

最後に主将の山本真由(同志社大学3年・就実高校出身)にも話を聞いた。


写真:山本真由(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部

――同志社大学卓球部に入ってみて、想像よりも良かったなと思う点があれば教えてください。
山本真由:入学前は、男女の壁があって練習もお願いしにくいのかなと思っていたんですけど、入学してみると強いボールを受けたいときは男子選手にお願いしたら快く受けてくれたので本当に感謝しかないと思っています。


取材時にも津田菜穂(同志社大学)と久世雄登(写真右)がミックスダブルスの練習をしていた

――全日学選抜はその成果が出た感じですか?
山本真由:私はカットマンなので、トップになればなるほど威力のあるボールを打たれます。

そこに対応しないといけないので男子に練習をお願いしていて、選抜直前にもやってもらって、練習していてよかったなと思いました。


全日学選抜では準優勝を飾った山本真由

――大学卓球界では関東勢の強さが目立ちますが、関西勢としてはどのように捉えていますか?
山本真由:関東の大学生のチームに勝たないといけないと思って練習してるので、関東を視野に入れて、関東のレベルで練習しないといけないと心掛けています。


全日学ではカラーラバーでもプレーした山本真由(同志社大)

――今後のチームの目標は?
山本真由:関西学生リーグ優勝インカレベスト4以上を掲げています。

リーグ戦は本当にあと1歩あと1点で優勝を逃しているので、どこの大学に比べても優勝したい気持ちはは負けてないと思っています。

インカレでは全国の舞台でチーム一丸となって切磋琢磨しながら目標に対して挑戦していきたいです。


写真:同志社大学卓球部女子のメンバー/撮影:ラリーズ編集部

【動画】同志社大学女子に潜入!

【動画】山本真由出身の就実高校卓球部に潜入!

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