日本女子卓球のエース・伊藤美誠(スターツ)が練習拠点としているのが関西卓球アカデミーだ。中国人トレーナーや日本卓球リーグ2部新人賞の坂根翔大ら実業団選手が伊藤の練習相手を務める。
写真:関西卓球アカデミーの壁面に貼られた垂れ幕/撮影:槌谷昭人
また、坂根らは実業団として日本卓球リーグに参戦する傍ら、関西卓球アカデミーに通う小学生も指導するコーチとしても働いている。6月には全国ホープス卓球大会大阪府予選会で男子優勝、全日本クラブ卓球選手権大会大阪府予選の小・中学生の部で女子優勝と、ジュニア指導も着実に成果を出している。
関西卓球アカデミーとはいったいどのような場所なのだろうか。代表の伊藤弘美さんに話を聞いた。
身近で見ていたから感じる伊藤美誠のスゴさ
「関西卓球アカデミー」という名前は私がつけて、最初は村上さんと一緒にやっていました。
写真:関西卓球アカデミー/撮影:槌谷昭人
こんなことはしたくてもできないじゃないですか。私こそ幸せですね。
あとは賢いです。卓球でも感じますが、話も上手ですし、急に話を振られても怖じ怖じしません。小さいときからずっとそうですね。
「見ていたら私がワクワクするんです」伊藤代表の卓球愛
以前は強い子しか行けないというイメージで敷居が高かったみたいでしたが、初心者からも気軽に来れるようにHPを作り変えたり、少し月謝も安くしたりして、小学生だけではなくて、今は幼稚園の子も来ています。
写真:コーチも務めながら日本リーグにも出ている坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:ラリーズ編集部
介護施設や保育園も持っているので、そこで働いてもらいながら、卓球のコーチの仕事もするし、自分の選手としての練習もできるし、試合も出られる。そういう風にしてあげられたら良いなと思ってのことです。
でもコーチ達は、一生懸命働いて、卓球の試合も一生懸命プレーしています。見ていたら私がワクワクするんですよ。
「なんで負けるのだろう。原因はひょっとして私にあるのかな?もっと練習量がいるな」とか「もっと仕事を時短して卓球の時間作ってあげないといけないな」とか、勝つために色々思うんです。
人から教えられるより自分の目で見て感じるタイプなので、卓球界で最初は色々苦労しましたが、好きなことだから苦労も面白いですよ。
だから、卓球だけして終わりではなくて、アカデミーを運営できるように仕事も教えていこうと思ってます。一般常識的な基本から、ビジネスのやり方なども全部教えています。
卓球経験者が経営者としてチームや選手をサポートする例は多いが、伊藤さんのように、まったく競技歴がないにも関わらず、ここまで卓球事業と、選手のセカンドキャリア支援に力を入れる経営者も珍しい。
柔らかな関西弁に流れる“卓球愛”を感じた。
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