引き際に迷う学生にかける言葉とは?学生思いの矢島監督の下で戦う中央大学女子卓球部 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:中央大学女子のメンバー/撮影:槌谷昭人

卓球インタビュー 引き際に迷う学生にかける言葉とは?学生思いの矢島監督の下で戦う中央大学女子卓球部

2022.02.16

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

大学卓球は、学生卓球最後のカテゴリーだ。次のステップでも卓球を続けられるのか、それとも卓球には一区切りをつけて新たな道へ進むのか、学生たちは否が応でも人生の岐路に立たされる。

そのとき、大学卓球の監督はどう声をかけるのだろうか?

中央大学から実業団へ進み、健勝苑のスーパーサーキットでもプレーした経験を持ち、現在は中央大学卓球部総監督兼女子監督を務める矢島淑雄監督に話を聞いた。


【中央大学女子卓球部】関東学生リーグ1部に所属する卓球強豪校。山本怜(十六銀行)、森田彩音(デンソー)、山本笙子(昭和電工マテリアルズ)ら日本卓球リーグの実業団に数多くの卒業生を輩出している。2019年の全日本大学卓球選手権(個人の部)では、森田が優勝、山本が準優勝と上位を占めた。

「過程の中で見つかることが後々自分の宝になっていく」


写真:指導する矢島淑雄監督(中央大学)/撮影:槌谷昭人

――全日本選手権ダブルスで準優勝や健勝苑のスーパーサーキットでもプレーされた矢島監督ですが、どういう経緯で母校の中大の監督になられたんでしょうか?
矢島淑雄監督:僕が現役時代、中央大学に入学したときは、リーグ戦も下から2番でした。

ただ、良い選手も入ってきてくれて、大学3年の時に15年ぶりにリーグ戦優勝できました。嬉しくて今でもその時の映像は頭の中に焼きついています。その次の年、インカレも25年ぶりに優勝できました。


写真:矢島淑雄監督(中央大学)/撮影:槌谷昭人

矢島淑雄監督:その2つの優勝は、自分の中で一番思い出に残っている試合なので、後輩達にもそういう試合をしてほしい。可能性があるならば目指してほしいし、勝てなかったとしても、目指した過程の中で見つかることが後々自分の宝になっていくと思います。

そういうことを多く経験して大学生活を過ごしてもらえたらなと思って、自分の仕事もいっぱいいっぱいだったんですけど、少しでも力になってあげられたらという気持ちで監督を引き受けました。


大正13年創業の老舗パン屋の4代目代表でもある矢島淑雄監督(中央大学) 詳しくは動画をご覧ください

――学生思いな矢島監督ですが、指導する上で大事にしている部分はどこですか?
矢島淑雄監督:選手の前に一人の人間として、人間性をしっかりと高めていってもらうことが一番だと思っています。

4年間で人としてどこまで成長させてあげられるかを一番気にして学生と関わり合っているつもりです。

――矢島監督を見ていると、選手との距離も結構近く感じますが、意識されているのでしょうか?
矢島淑雄監督:良いことも悪いことも本心をさらけ出しながら話ができないと、解決できないだろうし、困っている時などに、どれだけ周りの人間がサポートしてあげられるかが大事だと思っているので、コミュニケーションをしっかりとることを心がけています。

中には泣きながら電話をかけてくる学生もいます。ちょっとした仕草とか練習中の表情とかちょっとした変化を極力見逃さないで、大きくなる前に解決させるように気をつけて見ています。


「ただ、学生は監督と思っているかどうか分からないですけど(笑)」

卓球を続けるか迷う選手へのアドバイスは?


写真:トップおとめピンポンズ名古屋時代の矢島淑雄氏/撮影:ラリーズ編集部

――矢島監督はTリーグのトップおとめピンポンズ名古屋のコーチもされた経験をお持ちですが、大学卓球に求めるものはどう考えていますか?
矢島淑雄監督:大学は社会に出るひとつ前のカテゴリーです。ほとんどの学生が、この後卓球を続けるのかそれとも卓球を終わりにするのかという岐路に立ちます。

その時に実業団もTリーグもある、けれどもまだまだ間口自体が広くない。どうしても大学で卓球を辞めてしまう学生が多いことも事実なので、そこは寂しい気はします。


写真:2020年全日学選抜での矢島淑雄監督(中央大学)/撮影:ラリーズ編集部

――学生トップクラスの選手でも一般企業に進む選手も少なからずいますからね…。
矢島淑雄監督:実業団やプロ化がもっと進んでくれれば、学生が目標としてもう一花咲かせて次のカテゴリーに行こうとなるのではないかと思います。

ただ、そこが少し見えにくくなっていることも確かですし、そうなると学生のモチベーション自体は少し下がってしまいますね。

――もったいないですよね…。
矢島淑雄監督:学生たちには、少なくとも在学中は勉強と卓球を全うしてもらって、途中で諦めるではなくて、自分でもやりきったと思えるところまでやってもらいたいとは思いますね。

昔と比べて大学卓球のレベル自体は上がっていると思いますし、他の大学の選手も含めて、もっと頑張れば強くなれそうな選手もたくさんいます。そういう意味ではもっともっとレベルを上げていくことは可能じゃないかなと思います。

――学生の中には、卓球を続けるか続けないか引き際に迷う選手もいると思います。そういう時はどういうアドバイスをされてますか?
矢島淑雄監督:試合で勝てなかった後、やりきってないで負けているのであれば「やれるだけのことはやってどうだったかという結果を見てからでもそういう判断はいいんじゃないの?」という風に言うようにしています。


写真:矢島淑雄監督(中央大学)/撮影:槌谷昭人

矢島淑雄監督:4年間、毎試合毎試合良い成績なんて出せるわけはないですし、出せない学生の方が圧倒的に多い。

ただ、頑張ってやっていればどこかで花咲かせることは絶対にできると思っています。そういうチャンスが来たときに逃さないような準備をやっておいてもらいたいですね。

1つ2つ負けたからといってそこで区切りつけるんじゃなくて、まだまだ前に進まないとダメだよという風に背中押してあげることが大事なのかなと思っています。


写真:中央大学女子のメンバー/撮影:槌谷昭人

中央大学女子卓球部からは実業団へ進む選手もいるが、卓球には一区切りをつける選手もいる。しかし、皆が矢島監督の下で「大学卓球でやれるだけのことはやった」と言えるまでプレーし、清々しい表情で卒業していく。学生思いの監督の下で戦う中央大学女子卓球部の今後の躍進も楽しみだ。

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