埼玉栄高校卓球部はどこか気になるチームだ。Twitterでの発信も盛んで、県大会から全国大会まで結果を事細かにツイートしているし、イベントがあればブログが頻繁に更新される。
もちろん卓球の実力も全国レベルで、2022年3月末の全国高校選抜では7年ぶりにベスト16入りした。インターハイ学校対抗にも現時点(2022年5月)で22年連続出場している。
今回は埼玉栄高校卓球部の練習に潜入し取材した。高橋裕樹監督に話を聞くと、今の時代に合った“令和の部活動運営”の姿が見えてきた。
【埼玉栄高校卓球部】埼玉県の卓球強豪校。インターハイ学校対抗には22年連続出場(2022年5月時点)。関東大会、関東選抜ではともに学校対抗優勝4回を誇る。2022年の全国高校選抜では予選リーグを突破しベスト16に入った。最近では一般受験を通して大学進学する選手も出ており、慶應義塾大学、明治大学、高崎経済大学などに進学者を出している。
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若森前監督から引き継いだ高橋監督
写真:高橋裕樹監督(埼玉栄高校)/撮影:ラリーズ編集部
結果的に大学院1年目に県立高校の採用試験に合格をして採用され、上尾鷹の台高校というところで教員をさせてもらいました。
何とか工夫しながらそこにいる子どもたちと一緒に力をつけて、最後埼玉県で3位になって関東大会に出られるまでいきました。
写真:高橋裕樹監督(埼玉栄高校)/撮影:ラリーズ編集部
1年間はコーチとして卓球部に関わっていたんですけど、1年経ったところぐらいからだんだん監督に移行して、現在に至るというところですね。
若森先生は監督を勇退された今も教員として働いていて、顧問も一緒にやってるんですけど、監督が私に変わったという感じです。
取材時にも若森均前監督(埼玉栄高校)は練習場にいらっしゃいました
合わせて実は動画分析アプリも採用して試合の分析に使っています。あとトレーニングやストレッチは細かくメニューを決めて、必ず練習の最初と最後に入れていますね。
写真:埼玉栄高校卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
「コミュニケーションはどんなに取っても終わりがない」
それが上手くいかないというところで、どうしたら良いかなと考えたら、「コミュニケーションを取ること」という結論に至りました。
写真:取材中も頻繁に生徒とコミュニケーションを取っていた高橋裕樹監督(埼玉栄高校)/撮影:ラリーズ編集部
そうならないようにするため、こちらが何かをやった時に選手の反応を見て、違うなと思ったら聞くようにしています。
コミュニケーションはどんなに取っても終わりがないと思っているので。
生徒と練習メニューについて会話する高橋裕樹監督(埼玉栄高校)
その方向を追求していくのは難しいんですが、“コミュニケーションを取る”ということだったらどんなに突き詰めても限界がない。
写真:埼玉栄高校卓球部の練習風景/撮影:ラリーズ編集部
これには終わりがないし、やればやるほど面白い。どんどん良くなっていく可能性があるなと思っています。
そっちに走った方が、例えばこれから何十年間指導をして、継続的に活躍する選手が出てくる環境を作ることができるんじゃないかと考えていますね。
高橋監督にメンタル面を学び成長
ここで主将の杉山勝大にも話を聞いた。
写真:杉山勝大(埼玉栄高)/撮影:ラリーズ編集部
高橋監督の指導はどうですか?
写真:杉山勝大(埼玉栄高)/撮影:ラリーズ編集部
メンタル面を高橋先生から学んで、試合に活かせています。そのおかげか高校2年生のときはフルゲームの試合をほとんど勝つことができました。
後ほど聞くと高橋監督は、選手のメンタル強化のためにスポーツメンタルトレーナーの資格を取得したとのこと
インターハイはベスト8入れるように頑張っていこうかなと思ってます。
地域の卓球を盛り上げられる応援されるチームへ
最後に高橋監督に今後作っていきたいチーム像について伺った。
写真:高橋裕樹監督(埼玉栄高校)/撮影:ラリーズ編集部
なのでTwitterやブログで発信していて、地域の人に応援してもらったり、地域の卓球を活性化させたりできればなと。
いろんな人に知ってもらって、応援してもらって、それを受けて子どもたちが頑張れる。そういうイメージでチームを作っていきたいなと思っています。
実際彼ら彼女らはたぶんここに来るのが楽しいと思うんですよね。ずっとここにいて活動していたいと思ってもらえるような雰囲気にはなってるんじゃないかなと思います。
写真:埼玉栄高校卓球部の練習風景/撮影:ラリーズ編集部
そうすれば今の時代が求めてることや世の中が求めてることに合っていく。
“令和版の部活動”と言えるような、全国大会に出ていくようなチームでも厳しいことだけじゃなく、自分たちで創っていく部活動というのができるんじゃないかなという風には思ってます。
取材動画はこちら
動画では、高橋監督のより詳しい話や選手のプレー、モノマネなどもありますので、ぜひご覧ください!