写真:浜野浩 ファースト代表取締役社長(中央)とファースト卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
卓球インタビュー それでも実業団日本一を目指す3つの理由 ファースト代表取締役社長・浜野浩
2022.06.24
卓球ファンなら“ファースト”という名前に聞き覚えがある人も多いだろう。
株式会社ファーストは、OA機器販売を中心としたオフィスサポート事業を手がける会社である。
浜野浩氏が1990年2月に東京の江戸川区で創業、現在では社員数130名超、大阪や名古屋、福岡などにも支店を広げる他、子会社も2社持つ。
写真:ファースト本社/撮影:ラリーズ編集部
そのファーストの持つ卓球部には、松平健太や岸川聖也らトップ選手たちが所属している。
6月30日に開幕する全日本実業団選手権大会に向けて、彼らの熱がかつてないほど高まっている。
浜野浩社長に話を聞いた。
写真:浜野浩(ファースト代表取締役社長)/撮影:ラリーズ編集部
このページの目次
ファーストがコロナ禍でも選手契約を続けた理由
試合だけのために選手を獲っているわけではなく、その後もずっと契約を続けて、選手と一緒に成長していきたいと思っています。
写真:松平健太(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
写真:ファースト卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
ほぼ全社員が応援に来た
一つ目は、試合中は選手のプレーもベンチからの応援も世界選手権並みに必死になってやる、あの熱狂。
二つ目は、優勝できなくても来年こそはと誓う打ち上げ(笑)。
三つ目は真面目な話、全日本実業団の大会期間は、会社全体で応援するんです。その1週間は“試合も頑張れ、俺たち営業も頑張る”ということで、全社一丸となってキャンペーンを組みます。
コロナ前の千葉大会のときは、社員ほぼ全員の100人弱が応援に来ましたから。
その一体感は企業スポーツの良いところですよね。
写真:ボール拾いも担当していた浜野浩 総監督/撮影:ラリーズ編集部
有観客の頃は、各地の子どもたちがうちの選手たちに次々とサインを求め、もらって喜んでいる姿を見て、その意義も感じました。
写真:ファースト卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
選手を選ぶ基準
試合のためだけに短期的に獲る気持ちはないので、一緒に成長していきたい、一緒にビジネスをし、一緒に卓球界を盛り上げていきたい、そんな思いが一致した選手とやりたいと思っています。
写真:浜野浩 総監督(左)と大矢英俊(右)/撮影:ラリーズ編集部
中堅世代の選手たち
選手のステージが変わっていくときに、そこからの生き方をサポートできればと思っています。
写真:岸川聖也(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
ベンチコーチも命懸け
私ができることといったら、一緒に戦うという意識、相手に対する闘争心を持つことくらい。選手も本当に命懸けなので、私も命懸けで戦います。大きな大会だと体重2、3キロ減ります。
でも、手前味噌ですが、自分がベンチコーチにつくと勝てる、という強い気持ちはあります。
写真:ベンチから選手を見つめる浜野浩 総監督/撮影:ラリーズ編集部
あれだけのプロ選手が、プロ意識を持って命懸けで戦っている姿を見ると、やっぱり私も闘争心が自然と湧いてきます。
写真:浜野浩/撮影:ラリーズ編集部
コロナでも卓球事業を辞めようとは思わなかった理由
写真:浜野浩 総監督/撮影:ラリーズ編集部
私の満足で終わらせてはいけない
取材終わりに、悲願の優勝を果たしたらどうしますか、と尋ねてみた。
「そこで終わらせてはいけないなと。私の満足で終わらせてはいけないんです。選手たちにとってもそこがピリオドではない。次は総合団体を狙ったり、連覇を狙ったり」
そう言った後、浜野社長は、ふと気づいたように笑った。
「ま、1回も優勝してないのに言うことじゃないんですけどね」
ファーストが悲願の優勝を目指す全日本実業団は、2年の中止を経て、徳島県鳴門市のアミノバリューホールで6月30日に開幕する。