卓球場が増えている。
卓球経験者にとって“いつかは自分の卓球場を”というのは夢のひとつだろう。
草プレーヤーにとっても嬉しいことだが、一方で卓球場経営の難しさもよく耳にする。
東京の東中野と西日暮里で卓球場を経営するYOYO TAKKYUの川口陽陽さんに、卓球場を経営する上で知っておいたほうが良いことについて話を聞いた。
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部
卓球場3つのタイプ
卓球場経営自体は大きく3つに分けられると思います。
1つ目は、夫婦だけでやるような「家族経営型」。
メリットは、比較的リスクが少ないこと、卓球場を経営しながらも自分の時間が作りやすいことなどです。反面、事業規模を大きくするのは難しいことはデメリットだと思います。
法人組織として実績を積んでいくことで結果的に社会的信用も得られ、自治体からのお仕事を始め仕事の幅も広がりやすいです。反面、社員の皆さんの生活に対する責任や社会保険料、税金などの経費もかかってきます。
経営者にとっては、販管費や諸経費を押さえながら効率的な事業運営ができて、個人事業主側にとっても、コーチが人気の場合は短期間で収入は上がる可能性がありますよね。反面、会社としては長期的な人の育成がしづらい側面もあると思います。
もちろん、卓球場は商圏ビジネスなので、都市部と地方でも取り組みは大きく違うと思います。
僕は都市部での個人事業主集合型を経て、現在は「会社型」の卓球場を経営していますので、そのモデルについてお話しさせて頂きます。
写真:YOYO TAKKYU/撮影:ラリーズ編集部
会社のビジョンの下で、自身も社員の皆さんも一緒に成長できれば、ひとりでは到底できない仕事が可能になります。そのほうがワクワクするんです。
人間関係のマネジメント
プライベートと仕事はきちんと一線を引く。接客商売にはよくある話ですが、コーチの引き抜きなんかもやっぱりある世界なので。
実際の状況をオープンにすることで、みんなが自分ごととして考えてくれる“チーム意識”が生まれてきた気がしますね。
個人と会社のビジョンをすり合わせることで、長く働く自身の将来図とその広がりをイメージできればいいと思っています。
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部
社員の仕事の幅を広げる
“レッスンは苦手だけど事務作業が得意”というコーチがいたっていいと思っています。
あれ、不思議ですよね(笑)。
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部
卓球場経営は、事務作業もすごく多いんです。全体が10だとしたら、レッスンは3くらいです。
写真:みんなのおもいで.comに写真をアップする川口陽陽さん/撮影:ラリーズ編集部
会社型の卓球場だからこそ、いろんな仕事を用意することによって、それぞれが成長する機会を作りたいんです。
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部
卓球場を、楽しく
自分も卓球場を出して2年くらいは試合には出られませんでした。少し自分の練習時間を取れるようになったのはここ数年、YOYO TAKKYUとして実業団に挑戦するようになってからです。
卓球場にいても、自身が卓球をする時間は作れませんし、あと、何より気持ちの面で卓球に没頭するのは相当の切り替えがなければ難しくなります。
経営者と指導者目線の日々なんですが、ふっと子どもたちのオフショット写真を見ると、卓球場にいること、友だちといることを楽しんでるなあと思うんです。
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部
写真:YOYO TAKKYUのジュニアチームの子どもたち/撮影:ラリーズ編集部