大学生活というのは、貴重な期間だ。取り組み次第で自らの可能性を広げることができる。
“北信越地方の雄”として、全国でも存在感が増している北陸大学卓球部は、大学生の期間を「社会に出るための準備期間」として卓球以外の活動にも精力的に取り組んでいる。
今回、北陸大学卓球部は9月6日~13日の8日間、中国研修を実施し、卓球を通して国際交流を図った。
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北京チームでの卓球交流 ヤンアンも練習に
北陸大学は、漢語教育と中国語文化の普及を目的とした孔子学院を設置しており、その繋がりもあり、卓球部が北京チームとの交流を行った。
写真:北京チームでの練習の様子/提供:北陸大学
小学生から高校生までの選手に加えて、Tリーグ・岡山リベッツでもプレーしている閻安(ヤンアン・中国)も練習に訪れており、高い集中力で練習に取り組めたという。
写真:ヤンアンと記念撮影する木村信太監督(北陸大学)/提供:北陸大学
信田旺介(北陸大学2年・北科大高出身)は「練習中ボールを使う数が少なく、その分ミスもできないので集中力を高く保てました。中国選手はミスがとても少なかったです。日本と比べ休憩が少なく、フットワークをする時間が多くあったのも印象的でした」と中国での練習を振り返った。
写真:ストレッチの様子 北京チームはアップ、ストレッチ、クールダウンに入念に時間をかけていたとのこと/提供:北陸大学
中国語と日本語という言語の壁はあったが、中国選手側から積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれたことや英語やジェスチャーを用いたこと、練習後にリレーやサッカーを共に行ったことで、仲を深めることができたとのことだ。
写真:リレーの様子/提供:北陸大学
中国研修の経験が日々の意識も変革
「今回の中国研修を通して学んだことは多い」と語るのは、今後北陸大学の中心選手としての活躍が期待される信田だ。
写真:信田旺介(北陸大2年・北科大高出身)/提供:北陸大学
「日本に帰国後は、中国で学んだ『自ら積極的にコミュニケーションを図る』ということを意識しています。また、日本は水が綺麗なため水道水も飲めますが中国では違いました。日本で当たり前なことも当たり前では無いということに気づけ、感謝するようになりました」と海外での経験を通して、日々の暮らしから意識が変わったと明かす。
卓球面に関しても「中国選手の強さは簡単なミスをしないこと」と肌で感じたことから、ミスへの意識を以前よりも高く練習に取り組めるようになったと語る。
写真:卓球だけでなく中国の歴史や文化にも触れた/提供:北陸大学
大学という“最後の教育機関”での取り組み
写真:万里の長城も観光/提供:北陸大学
北陸大学では木村信太監督の「卓球部での課外活動を通して社会人基礎力を身につけさせたい」という方針の下、“卓球の競技だけではなく、練習場を出て活躍しよう”とボランティア活動を学生自身が企画・立案するなど、様々な“卓球外の活動”が実施されている。
そういう日々の意識づけから、学生たちもただ卓球をして過ごすだけではなく、卓球外の活動からも貪欲に学ぶ姿勢を見せている。
写真:北京チームのご飯で食文化も体験/提供:北陸大学
「誰とでもコミュニケーションを図ろうとすることは当たり前のことではありますが、それを再確認できました。中国に行くことにより何か吸収したいと考えていたので、当たり前のことに気づけたのかなと感じます。この先も初心を忘れずに再確認できた物を活かしていきたいと思います」(信田)。
写真:街でのショッピングなど、卓球だけではなく生活圏にも繰り出し、海外文化を肌で感じた/提供:北陸大学
大学は、社会に出る前の“最後の教育機関”だ。学業や部活動を通して、教養や社会人基礎力を身に着けることが求められている。
3年生の金光将希(北陸大学3年・関西高出身)がスペインリーグに参戦して一皮剥けたように、今回の中国研修でも多くの選手が刺激を受けたことだろう。
海外の経験も通して成長した北陸大学卓球部の今後の活躍が楽しみだ。
写真:北京チームでの練習の様子/提供:北陸大学
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