北陸大から2ヶ月単身スペイン卓球武者修行 金光将希が感じた"感謝の思い"と"挑戦の大切さ" | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:金光将希(北陸大学)/撮影:ラリーズ編集部

卓球×インタビュー 北陸大から2ヶ月単身スペイン卓球武者修行 金光将希が感じた“感謝の思い”と“挑戦の大切さ”

2023.05.01

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

春休み期間、海外卓球リーグでの武者修行を経験し、一回りも二回りも大きくなって帰ってきた男がいる。

金光将希(北陸大学3年・関西高校出身)だ。


写真:金光将希(北陸大学)/撮影:ラリーズ編集部

金光は、2022年のインカレで単複2点起用され、初のベスト16入りに大きく貢献した北陸大学の中心選手だ。

高校時代から強豪校でプレーし、実力はお墨付きだったが、寡黙で大人しい性格からか飛躍のきっかけを掴み切れていない印象だった。そんな金光にとって、今回の海外リーグ参戦はどのような経験や学びとなったのだろうか。

2月1日から4月3日の約2ヶ月間、BORGES GENERAL DOLISの一員としてスペインリーグ2部に参戦した金光に、帰国後オンラインでインタビューした。


【金光将希(かなみつ まさき)】北陸大学卓球部3年。岡山県・関西高校出身の日本式ペンホルダー。1年生の頃から北陸大学卓球部の中心選手として戦い、2022年のインカレでは単複2点起用でチームの創部初のベスト16入りに大きく貢献した。

「挑戦してみたい」

――まずは今回のスペインリーグ参戦のきっかけからお伺いさせてください。
金光将希:北陸大学卓球部には、海外リーグに挑戦できる環境がありました。

というのも、私の母校の関西高校OBでもある株式会社ラボライブの雪本(修一)社長がスペインリーグとのコネクションを持っており、北陸大学の木村(信太)監督の尽力もあり、3年ほど前にOBの中陳(辰郎)さんがスペインリーグに参戦していました。

当時の戦績や勤勉さが評価され、今回コロナ禍が落ち着いたこともあり、再び北陸大学卓球部にお声がけいただいたことがきっかけです。

>>中陳辰郎インタビューはこちら “大学で伸びた男”の卓球スペインリーグ挑戦秘話


写真:金光将希(北陸大学)/撮影:ラリーズ編集部

――声をかけてもらった際、海外リーグ参戦について不安もあったと思いますが、どういう心境でしたか?
金光将希:行っても自分の力で勝てるのか、海外での長期間の生活ができるのか、という不安もあり、最初は悩みました。

木村監督が私を推薦するという形で背中を押してくれたこともあり、せっかくの機会なので挑戦してみたいという気持ちが強くなり、「行かせてください」と伝えさせてもらいました。

緊張感のある練習を体感しチームに還元

――現地ではどのような生活だったんですか?
金光将希:1日練習の日は、午前9時ぐらいから2時間半練習、午後4時ぐらいからまた2時間半練習という感じでした。
――練習相手や練習の雰囲気などはどういう感じでしたか?
金光将希:練習は、日本のナショナルトレーニングセンターのようなところでやらせてもらいました。

スペインのトップ選手が練習してる場所で、短時間で休憩なく練習をやるスタイルだったので、短くても緊張感があって充実した練習環境でした。


写真:練習拠点の様子/提供:金光将希

――練習面で得られたことは何かありますか?
金光将希:卓球で生活している人たちがいるところだったので、プロとして練習前のストレッチや体のケア、緊張感のある練習を肌で感じられました。

練習も何本かラリーが続いたらすぐにオール対オールになるなど、実戦をイメージした練習をしていました。

緊張感や実戦への意識など、そういうところを日本に帰ってからは北陸大学のチームメートには伝えています。


写真:金光将希(北陸大)/撮影:ラリーズ編集部

生活しているだけでメンタルトレーニング

――コミュニケーションについてはどうしていたんですか?
金光将希:スペインの方々も英語を話せるので基本英語でした。
――金光選手は結構英語を話せるんですか?
金光将希:最初は全然英語を聞き取れなかったんですが、滞在中に少しずつ理解できるようになりました。

あとは、チーム側の人も配慮してくれて、簡単な単語とジェスチャーでコミュニケーションを取ってくれていたので、なんとか…という感じです。

ただ、簡単な英単語だけだと自分の思っていることを伝えられなかったり、会話が続かなかったりすることが多く、語学を学べばより一層充実した日々を送れるのにな、と歯がゆさも感じました。

――言語や食事など日本と違う部分も多く、ストレスも溜まりそうですが、その辺はどうでしたか?
金光将希:2ヶ月間行っていたんですが、最初の1ヶ月は食事や言葉に毎日苦労していて、キツかった部分はありました。本当に生活しているだけでメンタルトレーニングって感じでしたね(笑)。

ただ、1ヶ月経ったぐらいで少しずつ慣れてきて、そこからはあまり苦労せず生活できました。


写真:現地での食事 困ったときはGoogle翻訳を使いながら注文したそうです/提供:金光将希

――どういう変化があったんですか?
金光将希:練習を一緒にやってる選手と1ヶ月ぐらいするとだんだん仲良くなってきて、こっちからも話しかけたり、あっちからも結構声をかけてくれたりして、どんどん環境にも慣れていけたと思います。


写真:現地で観光にも行ったそうです/提供:金光将希

試合の雰囲気に飲まれ、デビュー戦は日本人に苦杯も

――日本の学生の試合とは全く違う雰囲気だと思うんですが、どういう違いを感じましたか?
金光将希:日本との試合の環境面での違いは、1台進行であることと、試合をする台と観客席までの距離が近いことです。ホームでは観客が応援してくれてすごく心強いんですが、アウェイのときは逆にやりづらさを感じました。

また、プレー面だと、相手選手の体つきも日本人より大きく、ボールの威力や回転量も日本とは違うなという感じました。

――成績としてはどうだったんですか?
金光将希:シングルス11勝1敗、ダブルス0勝1敗でした。
――環境が違うところがありながらも、しっかり勝ち星を重ねたんですね。

印象的だった試合はありましたか?

金光将希:デビュー1試合目の相手がまさかの日本人選手でした。

アウェーだったので観客が相手選手を応援していて、それで雰囲気に飲まれてしまって、負けてしまったので印象に残っています。

また、帰る前の最終戦は、最初の試合に比べて強くなれたという成長を感じられたので、そちらも印象的でした。

――海外の試合と言えば、「移動が大変」といろんな選手から聞きますがどうでしたか?
金光将希:自分のクラブのホームがバルセロナから車で1時間くらいの場所にあって、練習拠点がマドリードにあったんですが、結構距離が離れているので、日本で言う新幹線で移動していました。


写真:スペインの電車AEV(日本で言う新幹線) 特に遅れることもなくスムーズに移動できたとのこと/提供:金光将希

金光将希:試合前日に移動するのですが、時間は約3時間かかって、費用は50ユーロ(日本円で約7000円)でした。

1人での移動だったので心細かった反面、日本では味わえない貴重な経験をさせてもらっていると周囲への感謝も感じることができました。

何事も挑戦してみることが大事

――2ヶ月間も海外に長期滞在するというのはなかなかない経験だと思うんですが、その苦労をしながらも成長できたと感じた点はありますか?
金光将希:何をするにも初めてだったので、環境に慣れていくところに苦労しましたが、何事も挑戦してみることが大事だなと感じました。

初めてやることには不安があると思うんですけど、挑戦することで初めて良し悪しが見えてくるんだなと思いました。


写真:金光将希(北陸大学)/撮影:ラリーズ編集部

――最初はやっていけるか不安だったという海外リーグですが、今回経験してみて、再び挑戦してみたいという気持ちもありますか?
金光将希:今回は2部で11勝1敗で全勝まであと少し届きませんでした。来年もし挑戦できるなら2部全勝もしくは1部リーグに挑戦したいと思いました。

また、今回行ってみて良い経験になったので、こういう経験を後輩含めてもっと多くの人にしてもらいたいという気持ちはあります。

――今回の経験の中で、今後に活きそうなことはありますか?
金光将希:スペインで生活をしていると、海外でプレーするチャンスすら与えていただいたことも含めて、改めて様々な人に支えられていることを実感しました。

今回ここで得た経験をチームメイトに伝えることで、北陸大学卓球部をもっと良いチームにしていけるとも感じました。

個人的にも大学3年生になり、就職活動も視野に入れていく年になったので、今回の経験を活かして、日頃から感謝の気持ちと挑戦する気持ちを忘れずに、今後も人間性を成長させていきたいと思います。


写真:金光将希(北陸大学)/撮影:ラリーズ編集部

スペインリーグでの数々の経験を通して、帰国後、オープン戦や練習試合でも自信を持ってプレーし、好成績を残しているという金光。今後、全国の舞台で輝きを放つ姿が見られるのが楽しみだ。

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