スウェーデン卓球復活を背負うマティアス・ファルク「まっすぐ卓球に向き合うために必要なコト」【前編】 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:マティアス・ファルク/提供:ラリーズ編集部

卓球インタビュー スウェーデン卓球復活を背負うマティアス・ファルク「まっすぐ卓球に向き合うために必要なコト」【前編】

2021.05.26 取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)

スウェーデンの絶対的エース、マティアス・ファルクの独占インタビューだ。

2018年世界選手権の団体戦ではベスト4に進出し、スウェーデンに17年ぶりのメダル獲得をもたらし、2019年の世界選手権シングルスでは、スウェーデン選手として22年ぶりに決勝進出を果たした。2020年11月WTTマカオでは、許昕(シュシン・中国)を破るなど、その実力は確かだ。

フォア側に表ソフトラバーを貼ってスマッシュを多様する異質のスタイルで、世界の卓球シーンに旋風を巻き起こすファルク。

スウェーデン復活をその右腕に賭けた29歳に、現在の心境や意気込みをオンラインで聞いた。


写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

フォアハンドに表ソフトラバーを貼る理由

――お忙しいところ、ありがとうございます。
ファルク:こちらこそ、よろしくお願いします。
――いきなりですが、フォア側を表ソフトにしたきっかけは何なのでしょう?
ファルク:13歳以下のスウェーデンユース選手権の後でした。私は準決勝で当時のスウェーデンNo.1選手に接戦の末敗れたのですが、その直後にコーチが私のところに来て「君のフォアハンドは表ソフトのほうが良いと思う」と言われました。

コーチが決断しました。


写真:フォア側に表ソフトラバーを使うマティアス・ファルク/提供:ittfworld

――最初から自分に合ってるなと思いました?
ファルク:もちろん最初は、たくさん表ソフトについて学んで練習しました。

ただ、若いときはみんな、他と違うスタイルの選手と戦って勝つのは難しいこと。

私自身は良い指導を受けられたこともあって、表ソフトで良いプレーを続けることができました。

――お父さんの影響で卓球を始めたんですよね?
ファルク:そうです。父は、スウェーデンのトップリーグでプレーしていましたが、代表にはほとんど入らない選手でした。小さい頃からその父の練習についていって、父の真似をして始めた感じです。

14歳くらいまでは卓球とサッカーの両方をやっていて、その後卓球を選びました。

マティアス・ファルク
写真:マティアス・ファルク(スウェーデン)/提供:ittfworld

飛躍のきっかけは2017年T2APAC(T2アジア太平洋卓球リーグ)

――2019年の世界選手権で準優勝、それ以降もワールドツアー、WTTでも活躍を続けて、世界ランクも7位まで上がりました。自身では、要因をどう考えていますか。


写真:スウェーデン代表選手団公式ウエアを着たマティアス・ファルク/提供:SOC

ファルク:緊張する質問ですね(笑)。

もちろん厳しい練習を続けてきたからなんだけど、きっかけは、2017年にマレーシアで開催されたT2APACだと思います。若い張本も参加していたね。

この大会に参戦したことで、とても多くの良い試合を経験できたことと、素晴らしい選手たちと練習することができました。

そして、パーソン監督がナショナルチームの監督になったこと。彼がいつも近くで教えてくれることは私にとって大きなことです。


写真:ヨルゲン・パーソン監督(写真中央)とマティアス・ファルク(写真左)/提供:ittfworld

――パーソン監督ってどんな人ですか?
ファルク:とっても優しくて、親切で、よく話を聞いてくれますね。僕ら選手はいつでも彼と話をすることができるので、よく監督と会話します。

彼はすべての選手に対して、それぞれのベストな方法を探そうとしてくれるので、本当に助かっています。

――僕らの監督へのインタビューも、とてもフランクに話してくれて、楽しかったです。

ちなみにファルク選手は2018年にご結婚されましたが、それも好調の要因でしょうか?

ファルク:そうですね。

私はよく言うのですが、卓球台の前で良いパフォーマンスをするためには、卓球台の外で自分の人生を幸せで、良い環境にする必要があります

私は、妻と娘の一緒の暮らしがとても幸せで、だからこそ、まっすぐ卓球に向き合い、高い集中力を維持することができています。

――そうですよね…(姿勢を正す)


写真:マティアス・ファルク/提供:ラリーズ編集部

――世界選手権で銀メダルを獲ってから、何かご自身は変わりましたか?


写真:2019年世界選手権で、スウェーデン選手として22年ぶりに決勝戦進出を果たしたマティアス・ファルク/提供:ittfworld

ファルク:そうでもないですね。より「自分は卓球選手なんだ」ということを強く思うようになったくらいでしょうか。

なるべく、銀メダルを獲る前と同じ気持ちでいたいと思っています。もっと多くの栄誉を勝ち取りたいので、地に足をつけ、厳しい練習を続けることを心がけています

――なるほど…(再び姿勢を正す)。


写真:マティアス・ファルク(写真右)とクリスチャン・カールソン/提供:ittfwrold

スウェーデン代表であることの誇りと喜び

――レジェンドの多いスウェーデンの代表選手として戦うってどんな気持ちですか?
ファルク:言う通り、ここスウェーデンには多くのレジェンドがいて、そのうちの一人がパーソン監督です。僕らのナショナルチームには素晴らしい伝統があります。

もう一度世界一になることも可能なチームだと信じています。

そのスウェーデンの代表選手であることに、いつも喜びと誇りを感じています。


写真:17年ぶりのメダルを獲得したスウェーデン男子2018年世界選手権ハルムスタッド大会/提供:ittfworld

>>“スウェーデンのエース”ファルク、代表落ちから世界卓球銀メダルまで返り咲けたワケ【後編】 に続く)

スウェーデン代表監督ヨルゲン・パーソン氏インタビュー

>>“元世界王者”パーソン氏が語る「強くなるために一番大切なこと」【前編】

>>“欧州のレジェンド”パーソン監督 節目の50年で語るスウェーデン卓球の現在地【後編】

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