ギネス認定のAI卓球ロボ「フォルフェウス」第5世代に、卓球歴17年の経験者が挑んでみた | 卓球専門WEBメディア「Rallys(ラリーズ)」
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2019.04.15

ギネス認定のAI卓球ロボ「フォルフェウス」第5世代に、卓球歴17年の経験者が挑んでみた

写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん(左)とラリーズ編集部員/撮影:ラリーズ編集部

“人と機械の融和”、そんな未来を目指して開発が進められている、卓球ロボットがある。

オムロン株式会社のフォルフェウスだ。2013年の開発当初は「空振りばかり」だったという卓球ロボットも、5年以上が経過し、今や第5世代まで進化。一体どのような性能になっているのか。

開発担当者に話を伺うべく、ラリーズ編集部は同社の開発拠点・京阪奈イノベーションセンタへ飛んだ。

フォルフェウスの開発経緯について

「卓球ロボットのセンシングやビジョンシステムの開発に携わっております」と話すのは、オムロン株式会社技術・知財本部センシング研究開発センタ画像センシング研究室の中山雅宗さん。入社2年目ながら、センシング技術開発リーダーを任されているホープだ。
写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部
写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部

そもそも、産業向け制御機器やヘルスケア製品等を製造する企業であるオムロンが、なぜ卓球ロボットの開発をしているのだろうか。

「2013年に中国でプライベート展示会を開いた時に、オムロンが目指す“人と機械の融和”のアピール材料になればという思いで開発されました。中国ということもあり、卓球ロボットが題材として選ばれたという流れです」と、卓球ロボットの開発は実はシンプルな理由で始まったことが明かされた。

第5世代フォルフェウスの機能について

「第3世代あたりから卓球がある程度できるようになっていましたが、第4世代ではAIを活用して人のラリーレベルを判別できるようになりました。そしてこの第5世代では、人の動きと上級者の動きを比較し、卓球上達に向けたコーチングができる機能を備えました」。

第3世代のときに「最初の卓球コーチロボット」としてギネス認定を受けたフォルフェウス。第4世代でAIを搭載した後は、さらに“人と機械の融和”の実現に向け、ロボット自身の技術向上のみならず、人の技術向上を支援する機能に注力している。

コーチング機能の他にも、第5世代になって進化した部分がある。人間でいう“肘の上下の動き”だ。これにより、ドライブやカットといった回転を用いる技術が可能になり、これまでは木べらで跳ね返すだけだったフォルフェウスのラケットに初めてラバーが貼られ、多様なラリーに対応できるようになった。

さらに、「合計5台のカメラを用いることで、人の動きに加え、ラケットの動きとボールの軌道から、事前にコースを予測することできるようになりました」というのだから、ますます人間のプレーに近づいている。

フォルフェウスが今後目指すところ

写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部
写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部

ここまで目覚ましい進化を遂げたフォルフェウスは、今後どのような進化を目指しているのだろうか。

「卓球ロボットとして目指すところは、ロボットが人に追いつくことはもちろん、ロボットがいることによって人も一緒に上達するような世界を実現することです。また、卓球ロボットで培った技術を、様々な分野に横展開していければと思っています」。中山さん一同、フォルフェウス開発チームは“人と機会の融和”の実現に向けて、今日も研究開発に取り組んでいる。

実際に打っていただいた

フォルフェウスの進化の過程や今後の目標について理解できたところで、早速その実力を確認することに。

「入社後に卓球を始めました(笑)」と、笑顔で語る中山さん。入社後の2年間で、展示会での実演を任されるレベルにまで上達したという、その腕前を披露していただいた。

写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部
写真:オムロン株式会社・中山雅宗さん/撮影:ラリーズ編集部

フォルフェウスが起動すると、一呼吸ついて中山さんは悠々とラリーをスタート。20往復ほどピン♪ポン♪とラリーは続き、ついには中山さんがフォルフェウス相手に得点をあげた。

なぜ2年で上達できたのか

まず、入社後2年間でこれほど上達したという事実が驚きである。

その秘密を聞くと、「コーチング機能では、関西大学卓球部(関西地方の名門)のトップ選手のデータを用いているんです」と教えてくれた。2019年に実装された最新機能である“トップ選手のスイングとの比較”が、上達に一役買っているようだ。

実際にフォルフェウスとのラリー終了後には、トップ選手のスイングと比較したデータが画面に映し出される。今回の中山さんの場合は、55%の類似度があり、「バックハンドを打つ際には、肘を固定しましょう」というアドバイスがフォルフェウスから送られた。確かに、このようなアドバイスを毎回確認しながら練習に励めば、すぐに上達するのも頷ける。

写真:第5世代フォルフェウスによるコーチング画面/撮影:ラリーズ編集部
写真:第5世代フォルフェウスによるコーチング画面/撮影:ラリーズ編集部

人と機械の融和の実現へ

「2年練習するうちに、フォルフェウスが得意なところ、苦手なところがわかってきました。最近は得意なところを狙ってラリーを続けたり、苦手なところを狙って性能向上のためのデータを蓄積したりしています」。

入社後に始めて2年という短期間で、コースを的確にコントロールできるほど上達するのだから、“人と機械の融和”により人がロボットと共に成長する未来も、もうすぐそこまで来ているだろう。

経験者の編集部員も挑戦してみた

せっかくなので、卓球歴17年のラリーズ編集部員もフォルフェウスのコーチングを受けてみた。

写真:コーチングを受ける編集部員/撮影:ラリーズ編集部
写真:コーチングを受ける編集部員/撮影:ラリーズ編集部

最初はゆっくりとラリーを続けていたが、ある程度ラリーが続くとエキスパートモードに突入。人間との対戦では想像できないタイミングで前後に揺さぶられるなど、なかなかハードに動かされる。ときにはスマッシュを打ち込まれ、経験者も存分にラリーを楽しめるレベルになっていることが確認できた。

いい汗をかいたあとは、「上級者のスイングとの類似度63%。フォアハンドの打球の際に肘が体から離れないようにしましょう」と、フォルフェウスからのアドバイスもいただき、貴重な練習となった。

コーチングまでもできるようになった第5世代・フォルフェウスであるが、第6世代ではどのような進化を見せるのか、いまからお披露目が待ち遠しい。

文:中川正博(ラリーズ編集部)

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