星野リゾート誘致の仕掛け人 「大塚を卓球の聖地に」<卓球応援企業特集・山口不動産> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:山口不動産株式会社 代表取締役CEO・武藤浩司氏/撮影:ラリーズ編集部

卓球×ビジネス 星野リゾート誘致の仕掛け人 「大塚を卓球の聖地に」<卓球応援企業特集・山口不動産>

2019.11.13

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

今夏、人気ホテル「星野リゾート」が運営する「OMO5」が入るビル『ba01』の地下1階に都内最大級の卓球コミュニティスペース「ping-pong ba」がオープンした。その地は繁華街である新宿でも渋谷でもない。JR山手線沿線に位置しながらも、少子化や人口流出が止まらない街に称される「消滅可能性都市」に名を連ねたこともある豊島区大塚だ。

なぜ大塚という街に卓球コミュニティスペースが誕生したのか?

仕掛け人、山口不動産株式会社 代表取締役CEOの武藤浩司氏にプロジェクトの裏側にある壮大な計画を聞いた。(取材日:2019年9月3日)

>>リオ銀・丹羽孝希、小池都知事と対戦「ping-pong ba」でセレモニー

大塚を卓球の聖地に

武藤さん
写真:山口不動産株式会社 代表取締役CEO・武藤浩司氏/撮影:ラリーズ編集部

――まずはping-pong baも含む『ba project』について教えてください。
武藤浩司氏(以下、武藤):
山口不動産を立ち上げた山口家は元々大塚周辺の地主でした。かつては賑わいのある街でしたが、今やほとんどの人が大塚という街に具体的なイメージを持っていないと思います。 私も昔から「家どこ?」と聞かれたとき、「大塚」と言ってもわかってもらえないので「池袋の方」と答える。そんな切なさを抱えていました。

『ba project』は、そんな大塚を「大塚って、面白い街になったね」と言われる起点を創ろうと立ち上げたプロジェクトです。“場=ba”を提供するというアイデアで、bは“being”で“いること”、aは“association”で“つながること”、being&associationで“ba”と意味づけています。2018年5月に「泊まる場」(ba01)として『星野リゾート OMO5 東京大塚』を開業しました。


写真:星野リゾート OMO5 東京大塚(ba01)/提供:山口不動産株式会社

――その『ba project』の一環として、なぜ卓球のコミュニティラウンジを作ったのでしょうか?
武藤:
誰も星野リゾートが大塚にくるなんて思っていませんでしたが、街変えたいという強い思いで誘致したので、『ba01』に入れる店舗はこだわりがありました。“わざわざ行きたくなるような店”を地下1階にも入れたいと探していたところ、「卓球はどうか?」とお話をいただきました。

過去は地味なイメージがありましたが(福原)愛ちゃんや水谷選手の活躍で伸びてきている『卓球』。山手線沿線なのに埋もれていたところに星野リゾートが来て盛り上がり始めた『大塚』。マイナーから成り上がろうとしている姿が似ているなと感じ、この2つだったらリンクさせて一緒に発展していけるんじゃないかと話に乗りました。


写真:ping-pong baオープニングイベントの様子/提供:山口不動産株式会社

――オープニングイベントは、豪華なスペシャルゲストで大盛況でした。
武藤:
スペシャルゲストのラインナップにはかなり力を入れましたね。今後、大塚を卓球の聖地にしたいと考えている中の第1歩なので。

大塚を五輪後も卓球好きな人がたくさん訪れる街にしていきたい。それならば本気で卓球と向き合ってみようと。日曜日の午後は街中に卓球台出して青空卓球をやろう、というような未来を描いて今動き始めてます。

――卓球ファンとしてはとてもワクワクします。武藤さん自身、卓球はプレーされるのですか?
武藤:
僕は卓球ではなくて、中高大テニスをやっていました。凝り性だからハマったものは究めたくなって、就職してからもテニスの実業団リーグに出ていましたね。卓球も少しはできますが、ガチの人に下回転やドライブ打たれると勝てないです(笑)。


写真:笑顔でドライブを打ち込む武藤氏。切れ味鋭いカウンターを披露する場面も。/撮影:ラリーズ編集部

――卓球とは無縁だった中でのping-pong baだったんですね。
武藤:
卓球にはコンテンツとしての可能性を感じているので本気で関わっています。

逆にテニスは好きすぎて、就活を早く終わらせてしまってテニスに打ち込みたいという邪心にとらわれていました(笑)。そこで初めは内定が早くもらえる銀行に、次に監査法人を経て、2008年に当社に入りました。その後「大塚は住む人が誇りを持てる街であるか」ということに真剣に向き合い、『ba project』を立ち上げました。

――今後の『ba project』の展望を教えてください。
武藤:
去年の5月に『ba01』に「星野リゾート」をオープン、『ba02』に「東京大塚のれん街」を誘致して、ニュースにも取り上げられました。そして今、大塚を卓球の街にすべく動いている。良いことしか見えてないですね。

ちょうど今40歳。30歳のときにまさかこんな40歳になれるとは思わなかった。こんな立場でこんな仕事ができて、こんな会社にできているなんて夢にも思ってなかった。次は50歳になった時に「こんな感じになれると思わなかったな」って思えるように頑張りたいです。

住民の方たちが胸を張って「大塚に住んでいます」と言えるような、誇りある街にしたい。地縁がない人も大塚にわざわざ来る理由を創る仕事をしたい。そういう思いですね。

会社概要

会社名
 山口不動産株式会社
所在地
 〒170-0004 東京都豊島区北大塚2-13-1
設立日
 1947年9月1日
代表
 武藤浩司

『ping-pong ba』 店舗概要

住所
 東京都豊島区北大塚2-26-1 ba01 B1F
 JR大塚駅より徒歩1分
営業時間
 11:30~23:30 / L.O23:00
 ※営業時間は変更になる場合あり
定休日
 火曜日(年末年始を除く)

卓球応援企業特集はこちら

>>ロート製薬・ラジュ副社長に聞く “国内初のCHO”が進める健康経営<卓球応援企業特集>

>>ヘルスケア業界の雄・EPS、Tリーグ協賛で目指す「コミュニティ強化」

>>シスコ・生田氏に聞く、卓球W杯テクノロジー支援「アイドルのライブを応用します」

>>全農・安田常務に聞く 卓球スポンサーシップの狙いと効果

>>“東京ばな奈”はなぜTリーグにスポンサーしたのか?