パラ卓球界に新星が現れた。高校3年生の舟山真弘(早稲田大学高等学院)だ。
2021年9月には健常者の大会である全日本卓球選手権大会(ジュニア男子の部)東京都予選を通過し、2021年11月には第13回国際クラス別パラ卓球選手権大会で東京パラ五輪代表の岩渕幸洋(協和キリン)を決勝で破り、シングルス優勝を果たした。
2024年パリパラ五輪出場を目指す若武者に、障がいと向き合いながらプレーする卓球について尋ねた。
【舟山真弘(ふなやままひろ)】パラ卓球日本代表の次世代育成枠の高校3年生。4歳で右上腕骨の骨肉腫にかかり、手術では右肩関節と上腕骨を切除し、右足の腓骨を移植した。2021年9月には全日本卓球選手権大会(ジュニア男子の部)東京都予選通過、2021年11月には第13回国際クラス別パラ卓球選手権大会でシングルス優勝、ダブルス準優勝。2024年パリパラ五輪出場を目指す。
このページの目次
健常者に交じり全日本ジュニア東京都予選通過
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
※全日本ジュニア本戦は新型コロナウイルスの関係で棄権
すごく緊張はしたのですが、通った時は相当嬉しかったですね。
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
骨肉腫で右肩関節などを切除
肩関節がないので、腕を回せなかったり、押さえていないと腕の位置を保てなかったり、自分のコントロールがあまり効かない障がいになります。ただ、前腕の部分は問題がないのでサービスのトスを投げるなどはできます。
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
トスも普通に行い多彩なサービスを繰り出す
大きく右側に動いたときに普通の人よりもブレやすかったり、バランスを崩しやすいというのがあります。
東京パラ五輪代表を下し日本一に
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
自分も伸びている自信はありましたが、周りがどれくらい強くなっているのかわからない状況でした。でも、自分の中で成長している実感を信じて、良い勝負にはなるかなと思って臨み、優勝できました。
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
次の目標は世界へ
ここで舟山の練習拠点の1つで、指導にあたる村上祥コーチにも話を聞いた。
写真:舟山真弘と村上祥コーチ/撮影:槌谷昭人
ただ、入ってきたレベルから実力が上がっていく率で考えると、高校卒業までには絶対日本一にできるという自信はありました。もちろん本人がよく頑張って勝ち上がったと思います。
写真:村上祥コーチ/撮影:槌谷昭人
その時に高校卒業するまでに岩渕選手に勝てるようにという目標も話していて、僕の目標としていた期間よりは少し早めに達成できたという感じです。現状、この立ち位置に来たので、次は世界で優勝するという目標に切り替わりました。
大学進学後も、自分が帯同して一緒にサポートしていけるような体制作りを模索しながらやっている段階なので、まず安定してチームとしての行動を確立できるようになれればなと思います。
写真:村上祥コーチ/撮影:槌谷昭人
パリパラ五輪を目指して
最後に舟山に今後の目指すものを聞いた。
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
ただ、まずは強くならないと全然パラ五輪に立って勝てるレベルではないので、純粋に強くならなきゃいけないなと思っています。
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
写真:舟山真弘(早稲田大学高等学院)/撮影:槌谷昭人
障がいと向き合いながらプレーし、健常者相手にも遜色ないプレーで立ち向かう舟山。高校3年生となり、インターハイ予選通過も狙う。
今後の日本パラ卓球界を背負うであろう舟山の戦いから目が離せない。
豪快なフォアドライブやカウンターも披露してくれた動画もぜひご覧ください。