「初心者が気軽に通える卓球場を」競技未経験の代表が開業したタクミ卓球クラブ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:タクミ卓球クラブ/提供:タクミ卓球クラブ

卓球×インタビュー 「初心者が気軽に通える卓球場を」競技未経験の代表が開業したタクミ卓球クラブ

2024.12.04

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

愛知県長久手市にあるタクミ卓球クラブは、“卓球初心者を受け入れる”ことを重視して運営している。

そのコンセプトには、卓球未経験ながら卓球場をオープンしたオーナーの花井康成(はないやすなり)さんの、卓球業界に対する思いが関係していた。

今回は花井さんに、タクミ卓球クラブ開業のきっかけから今後の展望まで、様々なお話を伺った。

“初心者のことを一番に考えた”卓球場を開業

花井さんは卓球未経験だとお伺いしました。なぜ卓球場を開業されたのでしょうか?
花井さん:きっかけは娘が中学校で卓球部に入部したことでした。「卓球場でレッスンを受けてみては?」とアドバイスされ、近くで卓球場を探してみたんです。でも見つかったのは、小さい頃から本格的に選手育成をしている強豪クラブばかりでした。

もちろん初心者も受け入れてくれるとは思うのですが、本気で卓球をしている子たちの中にいきなり初心者が入るのはハードルが高いと感じました。


写真:練習の様子/撮影:ラリーズ編集部

競技志向の強い卓球場が多かったのですね。
花井さん:誰でも最初は初心者なはずなのに、受け入れてくれる場所がないのはおかしいと感じ、卓球場経営について調べました。

すると、そもそも卓球場の数自体が少ないことを知り、「これはビジネスチャンスかも」と思ったのが、開業のきっかけです。

娘さんがきっかけでビジネスチャンスに気づいたのですね。
花井さん:この卓球場を始めた一番の理由は、娘のような初心者が気軽に通える卓球場がないという課題を解決したかったからです。

そのため、我々はあくまで初心者を中心に考え、楽しんで卓球ができる環境作りを第一に考えています。


写真:練習風景/提供:タクミ卓球クラブ

卓球未経験ならではの苦労も


写真:卓球場の様子/提供:タクミ卓球クラブ

卓球未経験で卓球場を開くのは、かなりの苦労もあったのではないでしょうか?
花井さん:本当に何もわからなかったので、最初は苦労しました。

卓球台を置けるスペースさえあれば大丈夫だと思っていたのですが、実際には後ろや横に相当なスペースが必要だと知るなど、初歩的なところから洗礼を浴びました(笑)。

もちろん自分では指導ができないので、コーチを探して雇うところも大変でした。

今はコーチ2名体制ですが、あと2人は増やしたいと思っています。


写真:練習風景/提供:タクミ卓球クラブ

どんどん生徒が増えているということですね。
花井さん:ありがたいことに生徒さんの数はこの2、3年で順調に増えてきています。

しかし、長く通っていると当然上手くなる子も出てきます。その場合、今の形式だと初心者の子たちの中に上手い子が混ざる形になるので、お互いの満足度が下がってしまうんです。


写真:タクミ卓球クラブの指導風景/撮影:ラリーズ編集部

花井さん:上手い子と初心者の子を分けて練習させたいのですが、そうするとそれぞれを見るコーチが必要になります。

こういった背景に加えて採用も難しく、今はコーチが不足しているという状況ですね。

コーチに必要なのは高いコミュニケーション能力

タクミ卓球クラブでは、どういうコーチを求めていますか?
花井さん:コーチに求める能力は大きく分けて2つあります。1つは高度なコミュニケーション能力、もう1つは動画やSNSなどの発信力です。

生徒の大半が小学生以下なので、その年代の初心者に楽しく卓球を教えられることが重要です。

基礎的な練習がメインということもあり、卓球のスキルよりも子どもたちと適切なコミュニケーションが取れるか、楽しませる工夫ができるか、これら2点を重視しています。

2つ目の発信力というのはどういうことでしょうか?
花井さん:YouTubeチャンネルを開設しているのですが、現状では動画編集まで手が回りきっていません。SNSの知識があり、情報発信のサポートができる方が理想です。

ただし、これは付加的な要素で、しっかりとコミュニケーションを取れることの方が優先度は高いです。働きやすい環境を整えているので、興味のある方はぜひご連絡ください。

働きやすい環境というのは、具体的にはどういうところでしょうか?
花井さん:基本的には8時間労働の週休2日で有給休暇はもちろん有り、残業や休日出勤はありませんがもしある場合はしっかり支給します。

これらは当たり前の環境なのですがスポーツ業界ではブラックな部分が多いので出来るだけ排除していきたいです。

なぜそのような環境を実現できているのでしょうか?
花井さん:この環境が実現できているのは、効率的な収益構造を作り上げているからなんです。

例えば我々のクラブでは、外部の予約システムを導入して、お客さん自身で予約の管理ができるようにしています。アナログ作業がなくなるためコーチの負担が大幅に減り、その分をレッスンの質向上や他の業務に充てることができています。

そういう他の事業では当たり前でもある細かな部分を卓球事業に応用しています。

タクミ卓球クラブを支える2人のコーチ


写真:河村安紀コーチ/提供:タクミ卓球クラブ

今、いらっしゃる2人のコーチは、コミュニケーション能力も含めて指導スキルが高いということですね。
花井さん:今いる河村安紀コーチと三枝晃記コーチは、スキルが非常に高いので安心してクラブを任せられます。

河村コーチは中国出身の元実業団選手、三枝コーチは関西の大学生でダブルスチャンピオンにも輝いており、実績も十分です。


写真:河村安紀コーチ/提供:タクミ卓球クラブ

花井さん:河村コーチは中国式で教え方が上手い。初心者の子にとっては少し運動量が多いので、上達し始めてから指導を受けることをオススメしています。指導を受けた選手はしっかり伸びていますね。

逆に、三枝コーチはそのあたりの感覚もわかっているので、お年寄りから小さい子どもまで幅広く指導してくれています。


写真:三枝晃記コーチ/提供:タクミ卓球クラブ

三枝コーチはラージボールで全国入賞するなど、プレーヤーとしても活動されていますよね。
花井さん:そこもタクミ卓球クラブで働く1つの特色です。選手として大会に出ながらコーチをできる環境があります。

時間内にきちんと業務をこなしてくれれば、終業後や休日に卓球場で練習することも可能です。

むしろプレーヤーとして最先端の卓球に触れていることで、現代的な指導へバージョンアップできると感じています。


写真:三枝晃記コーチ/提供:タクミ卓球クラブ

「初心者歓迎」という方針は変わらない

最後にタクミ卓球クラブとしての今後の展望をお聞かせください。
花井さん:現在、長久手市のスポーツ協会と組んで、不定期で無料の卓球教室を開催しています。まずは卓球に触れて、卓球の楽しさを知ってもらうことが目的です。

今後も「卓球に興味のある子が体験できる場所がない」「初心者の子がちゃんとした指導を受けられない」という課題を解決できる卓球場として続けていきたいですね。

「初心者のために」という気持ちは一貫していますね。
花井さん:「初心者歓迎」という方針は今後も変わりません。地域と連携しながら初心者の子たちに卓球を楽しんでもらえる環境づくりを進めていきます。

そこからステップアップして「もっと強くなりたい」という子たち向けのレッスンも提供予定です。

さらには、運営面をもっと仕組み化していければ、お客さんに「通いやすい」と思ってもらえる上に、働く側の負担も減らせます。そうすればいずれは2店舗目、3店舗目と卓球場を増やしていけますし、卓球をプレーする人も増やせると思うので、その実現に向けて精力的に取り組んでいきたいですね。

【動画】タクミ卓球スクールに潜入

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