写真:ShibaTakuで全国大会出場した際の写真/提供:ShibataT.Tスタジオ
卓球×インタビュー 「指導者として愛媛県卓球界に恩返しを」夫婦二人三脚でコロナ禍に開業 ShibataT.Tスタジオ
2025.02.08
愛媛県松山市にあるShibataT.Tスタジオは、“指導者として愛媛県卓球界を盛り上げていく”ことを重視して運営している。
そのコンセプトには、愛工大名電中高や愛知工業大学など、学生卓球のエリート街道を歩んできた柴田直人(しばた・なおと)さんが、最後にプレーヤーとして戦った愛媛県卓球界に対する強い思いが込められていた。
今回は柴田直人さん、夕華さん夫妻に、卓球経歴、ShibataT.Tスタジオ開業のきっかけ、運営するチームShibaTakuについて、今後の展望など様々なお話を伺った。
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大学の1学年後輩にリオ銀・吉村真晴 トップ選手から学び成長
中学2年生までは地元の公立中学で卓球をしていたのですが、3年生のときに愛工大名電中学に転校し、愛工大名電高校、愛知工業大学と進学しました。
それまでは「誰かのために何かをする」という考えがあまりなかったのですが、少しずつ考えが変わっていきました。
仕事をしている今でもその言葉を思い出し、励まされることが多いです。
トップ選手と一緒に練習できたことで、自分の卓球の幅が広がったと思います。上級生にも素晴らしい選手が多く、先輩、後輩、同期からたくさんのことを学びました。
元実業団選手の夫婦で指導
その後、地元の福山市に帰ろうと思い、愛媛で卓球を教えながら公務員試験の勉強をしていたのですが、気づけば指導の道に進んでいました(笑)。
選手引退後、すぐに卓球場を開かれたのでしょうか?
そうするうちに、自分のクラブチームや卓球場が欲しいなという思いが強くなっていきました。
コロナ禍ということもあり、テナントがたくさん空いていたのです。場所もすぐ決まり、コーチ業でのお客さんとの繋がりもあり、集客も順調に進みました。また、地元の方々が卓球場に多く通ってくれたおかげで、問題なくスタートできました。
もちろん妻の支えも大きかったです。
写真:練習風景/提供:ShibataT.Tスタジオ
ところが、当時付き合っていた主人との結婚が決まったので、ShibataT.Tスタジオで夫婦そろってコーチをすることになりました。
写真:ShibataT.Tスタジオの外観/提供:ShibataT.Tスタジオ
もちろんコロナ禍でリスクもあったのですが、夫と一緒に頑張ろうと決めていました。
また、静かだった子が自分から話すようになったり、挨拶ができるようになったりするなど、人間的な成長も見守ることができるのがやりがいですね。
指導方針は「自分が成長する道を選択するように」
写真:練習風景/提供:ShibataT.Tスタジオ
楽しんで卓球をしている子もいれば、試合で勝ちたいと思って一生懸命練習している子もいるので、クラス分けをして選手一人ひとりに合わせた指導を心掛けています。
私は「こうしなさい」と強制することが得意ではないので、選手に選択肢を提案して考えさせながら進めるようにしています。
選手時代の後悔を胸に 指導者として「愛媛の卓球を盛り上げたい」
写真:ShibaTakuで全国大会出場した際の写真/提供:ShibataT.Tスタジオ
卓球を始めて2年程度の子どもたちで挑んだのですが、全国大会に見事出場できました。
まずは自分のところのチームの選手を強くしたいですね。
ゆくゆくは愛媛県卓球界に貢献できるようなチームになっていきたいと考えています。
そのために、定期的に松山市内の公共スポーツ施設でキッズ卓球教室も行っています。教室に参加してくれた方には、卓球を続けてもらえるように市内の卓球場(6店舗)を紹介しています。気に入った卓球場で卓球を続けてくれていたらとても嬉しいです。
最終的には、「愛媛の卓球めちゃくちゃ盛り上がってるね」と思われるようにするのが1つ、自分の中の軸としてありますね。
愛媛県でプレーしたのはたった3年ですが、いろいろな方に協力してもらったり、助けてもらったり、 応援してもらったりして、温かい人が多いなという印象があります。
でも、選手としては恩返しができなかったという後悔があるので、今は指導者として愛媛県卓球界に貢献できたらという思いで日々取り組んでいます。