クラウドファンディングで開業した卓球広場Link「卓球を楽しむことが最優先」の指導方針 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)
クラウドファンディングで開業した卓球広場Link「卓球を楽しむことが最優先」の指導方針

写真:全国ラージボール卓球大会の記念撮影/提供:卓球広場Link

卓球×インタビュー クラウドファンディングで開業した卓球広場Link「卓球を楽しむことが最優先」の指導方針

2025.02.27

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Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

東京都新宿区にある卓球広場Linkは、クラウドファンディングを利用して2019年に開業した卓球場だ。

2020年のコロナ禍以前の当時、クラウドファンディングで卓球場の開業資金を集めることは珍しく、成功例として卓球界でも大きな話題を呼んだ。

開業から6年目を迎え、生徒数は100人を超えた。ジュニアの中には個人戦で全国大会出場を掴み取った選手もおり、現在、チームとしても全国大会を目指して日々活動中だ。

今回は、卓球広場Linkの店長を務める関口裕太さんに開業のきっかけや指導に対する思いを伺った。

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クラウドファンディングで卓球場を開業

写真:卓球広場linkの練習風景/提供:卓球広場link
写真:卓球広場Linkの練習風景/提供:卓球広場Link

山下
卓球広場Linkを開いたきっかけを教えてください。
関口裕太さん
就職を機に山形から東京に出てきた際、SNSやインターネットの募集を通じて、街の体育館やスポーツ施設で練習を行っていました。ところが、2016年のリオ五輪を契機に卓球人気が高まり、公共施設が混み合うようになったんです。

そんな中、練習会に参加していて、今は共同代表をしている宇佐美さんが「卓球場を作った方がいいんじゃないか」と話を持ち出し、私はそれに乗っかったという感じです。

当時は「とんでもないことを言ってるな」とも思いましたが(笑)。とりあえず挑戦してみようと始めたのがきっかけです。

開業資金は、当時まだ一般的でなかった「クラウドファンディング」の活用を考えました。

山下
2020年のコロナ禍以降はスポーツ業界でもクラウドファンディングが浸透しましたが、その2019年当時では、かなり珍しいことでしたよね。
関口裕太さん
はい。みなさんに理解していただくため、クラウドファンディングの募集サイトになるべく細かく背景や私たちの思いを掲載して。

結果、80名の方に約170万円を支援いただき、そこに私と宇佐美さんが仕事を掛け持ちして貯めたお金を足して、開業することができました。

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都内最安値クラスで台貸しを続ける理由

山下
卓球広場Linkの特徴はどういったところでしょうか?
関口裕太さん
クラウドファンディングでみなさんからご支援いただいて開いた卓球場なので、みなさんにとって、安価で手軽に卓球ができる場所でありたい、と思っています。

なので、台貸しの料金は、オープン時から都内最安値クラスで提供しています。

また、ジュニアから大人まで合わせて100人ぐらい生徒がいるのですが、和気あいあいとした雰囲気や賑やかにレッスンをしているところも大きな特徴です。

山下
指導する際に意識していることを教えてください。
関口裕太さん
まずは、生徒さんひとりひとりが卓球を楽しめることを大事にしています。

これは私の過去の経験が原体験にあります。当時、クラブチームで指導のお手伝いをしていたのですが、「卓球がつまらない」と辞めていく子を何人も見てきました。

卓球は楽しくなくなったら上達もしないし、長続きもしない。まずは生徒さんが楽しめることを最優先に指導しています。

写真:卓球広場linkの練習風景/提供:卓球広場link
写真:卓球広場Linkで練習するジュニア選手/提供:卓球広場Link

山下
具体的には、どのような工夫をしていますか?
関口裕太さん
同じ練習メニューばかりだと飽きてしまうので、大体1週間で内容を変えていますね。

1週ごとにテーマを決めて重点的に練習すると、上達を実感しやすいからです。小さな“成功体験”を積み重ねることで、自分の成長を楽しんでもらいたいと思っています。

特に始めたばかりの選手には、できるだけ練習であることを忘れるようなゲーム感覚のメニューを多く取り入れています。

山下
ゲーム感覚のメニューとは、具体的にどのような練習でしょうか?
関口裕太さん
例えば、箱を置いてボールを当てる「的当て」の練習です。
弧線を意識させるときには「箱の上部を狙おう」、直線的なボールやスピードを意識させるときには「箱の前面に当ててみよう」と、わかりやすいゲームのような内容です。

箱の的をどんどん小さくしていくことで、自然とコントロール感覚を身につけてもらうようにもしています。

写真:卓球広場Linkの練習風景/提供:卓球広場Link
写真:卓球広場Linkの練習風景/提供:卓球広場Link

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一生忘れない勝利 敗者復活から代表権を手にした生徒

山下
開業以降で、特に嬉しかったことはなんですか?
関口裕太さん
2024年の全日本選手権ホカバの部の東京都予選です。

小学4年生の生徒が代表権を獲得したのですが、その試合がとても印象的でした。

写真:生徒が代表権を獲得/提供:卓球広場link
写真:代表権を獲得した生徒と関口さん(写真左)/提供:卓球広場Link

関口裕太さん
その子は小学年2年生のときからこの東京都予選に挑戦していますが、東京はレベルが高く、常に強い選手とあたって負けてきました。

今回も、代表決定戦で強豪クラブの選手に負け、敗者復活戦に回りました。敗者復活は、準々決勝で敗れた4人で総当たりをして、一番上のひとりだけが代表に入れます。

3人との試合のうち、1試合目に今まで負けたことのない相手に負けてしまい、正直もう代表獲得は厳しいかなと思いました。もちろん「残り2試合、諦めずにがんばろう」と声をかけましたが、残った2人は初対戦で、勝てるかどうかわからない相手だったからです。

でも、その2試合どちらも接戦を制し、その子が代表権を獲得したとき、私のほうが泣き崩れました。

その子は、諦めてなかった。

あの喜びは一生忘れないと思います。今話していても泣けてくる、嬉しい思い出ですね。

山下
逆に苦しかったことはありますか?
関口裕太さん
やはりコロナ禍です。開業から半年ほどで、新型コロナウイルスの影響によりお客さんの数が激減。また、事業を始めてすぐだったので助成金も貰えず、一時は廃業寸前まで追い込まれました。

資金繰りが厳しく、卓球場を維持するために寝る間も惜しんで副業でいろんな仕事をして踏ん張った、あの時期はとても苦しかったですね。

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卓球を始める入口になりたい

山下
コロナ禍で廃業する決断をした卓球場も少なからずありました。なぜ関口さんは、そこまでして卓球場経営を続けようと思ったんですか?
関口裕太さん
クラウドファンディングを活用し、皆さんのおかげでできた卓球場だからです。簡単になくすわけにはいかないと自分に言い聞かせて、どうにか乗り切ることができました。
山下
今後はどんな卓球場を目指していきますか?
関口裕太さん
これから卓球を始めてもらう方々のための入り口として、必要とされる場所にしたいと思っています。卓球広場Linkが「安さ」にこだわる理由です。

卓球はしっかりやると「ハードだ」「お金がかかる」というイメージを持つ人もいます。

気軽に卓球を始められて、誰でも卓球を楽しめて、ここならずっと卓球を続けられそうと思ってもらえる、そんな卓球場を目指していきます。

そして、通っていただく生徒さんたちには、ジュニア・大人関わらず、昨年よりも良い成績を残してもらえるように指導していきたいと思っています。

いつか2号店を出したいですね。

チームナビ 卓球広場Linkチーム紹介ページ

>>卓球広場Linkチーム紹介ページはこちら(外部リンク)

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