海外での怪我、乱闘寸前の試合、シュラガーからの指導、初のWTT参戦 朝日大・岡野俊介の海外武者修行 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:オーストリアブンデスリーガで優勝した岡野俊介(朝日大・写真右から2人目)/提供:本人

卓球×インタビュー 海外での怪我、乱闘寸前の試合、シュラガーからの指導、初のWTT参戦 朝日大・岡野俊介の海外武者修行

2024.05.13

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

春休み期間に多くの大学生選手がヨーロッパの卓球リーグに参戦した。

2023年の全日本学生卓球選手権のシングルスを制した“大学生ナンバー1左腕”岡野俊介(朝日大)もその1人だ。

オーストリア・ブンデスリーガの『ウィーナー・ノイシュタッド』でハーフシーズンを戦い、優勝決定戦でも貴重な白星をあげ、見事チームのオーストリア・ブンデスリーガ優勝に貢献した。

帰国したばかりの岡野に海外リーグでの戦いぶりについて話を聞いた。

オーストリアリーグ参戦のきっかけは松平賢二

――まずは参戦のきっかけを教えてください。
岡野俊介:昨年、自分のチームであるウィーナー・ノイシュタッドでは松平賢二さん(協和キリン)が所属してプレーしていました。

チームのボスが「左の若手が欲しい」と賢二さんに伝えたところ、「岡野だ」って賢二さんが思ってくれたらしくて、行かせてもらえることになりました。


写真:2023年の全日本選手権では松平賢二(協和キリン)に勝利した経験も持つ岡野俊介(朝日大)/撮影:ラリーズ編集部

――松平賢二選手の推薦だったんですね。

スケジュールとしてはいつからいつまで行ってたんですか?

岡野俊介:自分はハーフシーズンの参戦だったので、2月17日から4月30日まででした。
――練習などはどういうスケジュールで動いてたんでしょうか?
岡野俊介:練習は、ホームステイさせてもらってた家の敷地内に卓球台があったのでそこでやっていました。

その家の子がオーストリアのユース世代の選手なので一緒に練習したり、違うチームの選手が練習に来てくれたり、意外と自主練のような雰囲気でした。

――そんな感じなんですね。

がっつりプロと練習する感じかと思っていました。

岡野俊介:そんなに量も多くなくて、自分で頑張らないといけない感じでした。

ただ、ホームステイ先の息子のコーチがレベンコのお父さんという縁もあり、たまにアンドレアス・レベンコ(オーストリア)が練習に来てくれることはありました。


写真:アンドレアス・レベンコ(オーストリア)/提供:WTT

7時間車で移動しての試合も


写真:観光で撮った写真/提供:本人

――ホームステイ先の生活は快適でしたか?
岡野俊介:ご飯を毎食作ってくれて、自分の部屋もあって、自由にさせてもらえたので、良い生活でした。

自分はヨーロッパの食事が苦ではなくて、普通に美味しく食べられました。


写真:ホームステイ先での食事の様子/提供:本人

――あと言語もストレスになるかと思うんですけどそこはどうでしたか?
岡野俊介:自分はそんなに喋れるわけじゃないんですけど、ヨーロッパの人は英語が喋れるので、少しずつ自分も勉強しながら頑張って聞き取って生活してました。
――ほかに大変だった部分はありますか?
岡野俊介:移動は大変でしたね。

初めてリーグ戦に出た時に、ホームとアウェイの連戦でした。3月1日がホームでの試合だったんですけど、次の日、車で7時間移動してアウェー戦でした。

試合後もまた7時間移動して帰ってきて、そういうのは日本ではないなと思って、結構大変でした。

メンタルはすごい鍛えられたと思います(笑)。

――移動は車で長時間、というのは海外リーグあるあるとしてよく聞きますし、しっかり体験されたんですね(笑)。

ホームとアウェイだと雰囲気は全然違いますか?

岡野俊介:初めてブーイングもくらって「これが海外か。すごいな」って思って面白かったです(笑)。やっぱり日本人は優しいんだなと思いました(笑)。

会場の応援もすごく騒がしくて、全然日本とは違う環境だったので、良い経験だったなと改めて思います。

我慢強さを得た

――海外で2ヶ月ぐらい戦って、成長したとか学んだとか感じてるところはありますか?
岡野俊介:実は自分は、海外に行ってから結構長い間肩を肉離れのような怪我をしていました。

怪我をしたときはホームステイ先の人に英語で説明して、病院に連れていってもらって、卓球以外のコミュニケーションの面でも成長したなと思いますし、ストレッチなどのケアをやることもより一層大切だなと感じました。

――リハビリ期間で満足に卓球できない時期もあったんですね。
岡野俊介:その時期は、1人でちょっと外に出てみたり、観光をしてみたりしていました。

海外は言葉が通じないので、1人で外出するのはちょっと緊張して嫌だったんですけど、そういう経験もできて貴重でした。


写真:観光の様子/提供:本人

岡野俊介:日本にいる時と比べると海外は我慢することが続くので、その経験をしてきたから、日本では「大丈夫だろう」「もっと我慢できるだろう」と思えています。

我慢強さは今後に繋がるかなと思いますね。

驚きの展開もあったベストゲーム

――通算成績は何勝だったんですか?
岡野俊介:シングルスだけ出て7勝5敗でした。

ちなみに試合は2-2になったら最終ゲームは6点取った方が勝ちになって、サービスも1本交代というルールでした。そこも初めての経験でしたけど、結構フルゲームで勝つことが多かったです。

――しっかりルールにも適応してたんですね。

何か印象的だった試合ってありますか?

岡野俊介:1番良かった試合と一番びっくりした試合が一緒なんですけど。
――びっくり!?
岡野俊介:リーグの決勝の1番でレベンコと当たった試合です。

11-10の時に、自分がサービスを出して、レベンコがフリックして取れなかったんですけど、審判が「サービスがレット」と止めました。

そこからレベンコが抗議して、会場もブーイングの嵐になって、結局そこは「ネットに当たってた」とレットになりました。

その後、自分がそのゲームをとったときにレベンコが殴りかかろうとしてきたのは今でも覚えてます(笑)。


写真:アンドレアス・レベンコ(オーストリア)/提供:WTT

――岡野選手が殴られそうになったってことですか…?
岡野俊介:そうですね。

そのゲームが終わった時にこっちに殴りかかってきそうになって、自分の監督が止めて、みたいな感じでした。

――そんなことも海外リーグはあるんですね…。
岡野俊介:そこはびっくりしましたけど、動揺しすぎずに最後は勝ち切れました。

オーストリア最後の試合で、体の調子もどんどん上がっていってた状態だったので、ベストゲームでした。


写真:チームメートと喜ぶ岡野俊介(写真右)/提供:本人

WTT参戦で感じた世界へのあこがれ


写真:WTTフィーダー バラジュディンでプレーする岡野俊介(朝日大)/提供:WTT

――WTTにも参戦されていましたね。
岡野俊介:リーグの合間に1大会、初めて国際大会に出場しました。

そこで国際大会の雰囲気を味わえたのが、自分の今後に繋がるなと思っています。もっと頑張って世界で勝てる選手になれたらいいなと強く思いました。

――横谷晟選手とのダブルスで勝ち上がってましたね。
岡野俊介:シングルスはよくなかったんですけど、ダブルスは黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)のペアに勝てて良かったです。


写真:WTTフィーダー バラジュディンでベスト4に入った横谷晟(愛知工業大)/岡野俊介(朝日大)/提供:WTT

――充実した海外の武者修行だったようですね。
岡野俊介:そうですね。

シュラガーに何回かアドバイスをしてもらう機会もあって、貴重な経験ばかりでした。


写真:シュラガーとのツーショット/提供:本人

岡野俊介:あとは、海外遠征の機会をくださった朝日大の監督の米塚さんはもちろん、向こうのチームの社長と話す際には米塚さんの北海道の先輩の方が英語で手助けしてくださいました。

自分の契約周りなど、本当その方がいなかったらこうやって行くことができてなかったと思うので、周囲の方々には本当に感謝しています。

この得た経験をチームにも還元して、自分も周囲もレベルアップしていけたらなと思っています。


写真:チームメートと喜ぶ岡野俊介(写真右)/提供:本人

【動画】岡野俊介の1日に密着してみた